![[ダウンサイジングを敢行]VW・POLO 1.2L・TSIエンジンを全グレードで搭載。 [ダウンサイジングを敢行]VW・POLO 1.2L・TSIエンジンを全グレードで搭載。](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/018/277/541/18277541/p1m.jpg?ct=3ed8ce32a7cb)
VWはポロに待望の1.2L TSIエンジンを搭載して6/4に発売する。日本では
昨年の10月にフルモデルチェンジを受けたばかりだが、噂通り1.2L TSIエンジンが搭載された。ただ、驚いた事にこれまで1.4L(NA)エンジンを搭載して販売されていた「1.4 Comfortline」についても1.2L TSIエンジンに換装され「TSI Comfortline」となった。早い話、1.4L(NA)エンジンと7速DSGの組み合わせは早くもカタログ落ちとなった訳だ。これまで聞いていた噂では、「1.4 Comfortline」の上級グレードとして1.2L TSIエンジンを搭載する「TSI Highline」が追加されるという内容だったが、現実には全車1.2L TSIエンジン+7速DSGに統一された。もちろん新しい1.2L TSIエンジンに統一したほうが燃費やパフォーマンス等ユーザーにとっては歓迎すべきニュースだろう。しかし昨年10月以降、現行ポロは既に約6000台が販売されている。オーナーにとっては心中複雑なニュースかもしれない。いかなるタイミングであっても、最新のテクノロジーを惜しみなく投入するVWの戦略は大いに評価しているのだが、今回は1.2L TSIエンジンの完成を待ってから日本へ投入しても良かったんではないかな。「1.4 Comfortline」を買ったユーザーから怒られるセールス氏が沢山居そうで心配。
思い出せば、ゴルフⅣの時(1998年8月)「CLi/GLi」には1.8L・5バルブエンジンで輸入開始されたが、翌年の1999年8月にアッサリと2.0Lエンジンへ変更された事もありましたね。
さて、1.2L TSIエンジンを搭載する事になったポロ。
同エンジンを搭載するゴルフ「TSI Trendline」(2
57万円)より170kgも軽量な1100kgであるから、当然燃費は良くなり走りも軽快になるだろう。正直、「1.4 Comfortline」は
7速DSGが必死に仕事をしてもアンダーパワーな印象は否めなかったが、それも雲散霧消するだろう。スペック的には1.4L(NA)が85ps/5,000rpm 13.5kg-m/3,800rpmだったのに対し、1.2L TSIは105ps/5,000rpm 17.8kg-m/1,550‐4,100rpmと200ccの排気量ダウンを実現した上で20ps・4.3kg-mのパワーアップを果たした。特にトルクは17.8kg-mの最大トルクを1,550rpmで既に発生してしまうのだから恐れ入る。トヨタの最新1.8Lエンジン(2ZR-FAE)は「VALVEMATIC」を採用したと騒いでいるが、17.9kg-m/4,400rpmでしかない。燃費は1.4Lが10.15モード値で17.0km/Lだったのに対し、1.2L TSIは20.0km/Lに向上している。「TSI Comfortline」の価格は「1.4 Comfortline」に比べ+10万円の213万円。価格上昇分は75%エコカー減税の対象になった事で相殺となる範疇だろう。まぁ正直な思いを言えば昨今のユーロ安を反映して200万円を切る198万円!!!を実現していたら話題沸騰だったのにネ。
今回ベースモデルの「TSI Comfortline」に加え、上級グレードとして「TSI Highline」が追加された。先代で言うところの「
1.6 Sportline」(222万円)の後継モデルにあたる。外観は15インチアルミ、フォグランプ、クロームトリム等。インテリアはフルオートエアコン、センターアームレスト、本革巻ステアリング、パークディスタンスコントロール、スポーツシート等を追加して「TSI Comfortline」+29万円の242万円。正直、実に悩ましい価格設定だと思う。先述したゴルフ「TSI Trendline」(257万円)との価格差は15万円。車格の差だけではなく、ゴルフはリヤサスが4リンク(スタビライザー付)に対して、ポロはトレーリングアーム。走りの印象を大きく左右する部分でもあるから、このあたりは試乗の上判断していただきたい。もちろん全てを悟った上でポロ「TSI Comfortline」213万円を選ぶのもクレバーだと思う。個人的にはアームレスト・スポーツシート・本革巻ステアリングは是非装備したいから「TSI Highline」と悩むだろうな...。惜しいのは「TSI Highline」でもバイキセノンヘッドライトが装備されなかったことかな。気になるポロの安全装備についてはグレード間の格差は無く、ESP(横滑り防止装置)・6エアバッグ・全席3点式シートベルト・全席分の高さ調整式ヘッドレスト等すべて標準装備となる。もちろんブレーキも4輪ディスクブレーキだ。
日本メーカーのクルマの中で、明確にポロのライバルとなる車種は正直思い浮ばないのだが、ホンダ・インサイトを購入して「トヨタ・プリウスより燃費が良くない....」とブツブツ言う位なら、ポロを購入したほうが楽しくて濃厚なカーライフが送れるのは間違いないだろう。ポロに瑕疵があるとすれば、ハイオクガソリン仕様である事か。
今年中には「クロスポロ」や「ポロGTI」も続々と日本へ導入される模様で、ポロシリーズの選択肢がグンと拡がる。しかし、私は未だ空席となっている最もベーシックな「Trendline」をどうするのか大変興味を持っている。先代同様に3ドアをリーズナブルなプライスで導入して欲しい。先代のポロ「1.4 Trendline」(6AT)は169万円だった。ホンダ・フィットやトヨタ・ヴィッツからの乗り換え対象として、ポロ「TSI Comfortline」の213万円では価格差が重すぎるのではないだろうか。低所得層が増えているとか、若者のクルマ離れとか....新車を買うという行為そのものが難しくなっている昨今。VWのエントリーモデルはもう少しフレンドリーなプライスであって欲しいと思っている。
現段階ではゴルフの1.2L TSIもテストする事が出来ていない状態であるが、近いうちに両車についてはテストする機会を作りたいと思う。

Posted at 2010/05/28 23:56:46 | |
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