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トヨタはハイブリッドセダン「SAI」をマイナーチェンジした。兄弟車の「レクサスHS」は今年の1月にスピンドグリル顔へ整形手術を実施済だから遅かったくらい。まぁ既に兄弟揃って失敗作の烙印を押されたクルマである。「レクサスHS」はともかく、ブランドのご威光も無い「SAI」は何も捨てるものは無く、なりふり構わぬイメージチェンジを実施。何というか一昔前のトヨタ手法で、懐かしさすら覚えるもの。「マークＸ」が昨年8月に同様の手法で大胆なフェイスチェンジを実施しているから、トヨタ社内では成功と捉えられているのかもしれぬ。
「SAI」は2009年10月にデビューしているから、まもなく丸4年を迎える。商品企画はトヨタが世界一を目指してイケイケになっていた時期に仕込まれただけあって、随所が浅く甘い。以前なら、そんなダメ車であっても、トヨタ製品ならばと盲目的な信者が買ってくれたものだが、今やそんな時代でも無い。「SAI」はトヨタ4系列で扱うという特別待遇ながら、販売は低迷。既に忘れ去られた存在と言って良い。まぁそういう意味で、モデル廃止にせず、捨て身のマイナーチェンジを実施した事自体が驚きである。私がトヨタの社長ならば即刻モデル廃止にして、開発責任者には二度と指揮を取らせないだろうが。
既にトヨタには、ハイブリッドセダンの「カムリ」がある。こちらは新しい2.5Ｌのエンジン（2AR-FXE）をベースにハイブリッドシステムを構築し、JC08モードで23.4km/Lを発揮するが、「SAI」は旧態依然とした2.4Ｌエンジン（2AZ-FXE）を踏襲し、燃費もカムリに劣る。既に新型のホンダ･アコードがトヨタを超える30.0km/Lを達成している事を考えれば、「SAI」の存在価値はますます微妙である。
スタイリングに惚れた！のであれば仕方無いが、余程の事が無ければ選んではいけないクルマだろうね。