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あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。転勤で仙台に来てから二度目の正月となり、改めて時間の流れは早いものだと感じてます。例年になく多忙な日々を送っており、ブログの更新も滞り気味。当面はその傾向が続きそうですが、チマチマと書いていきたいと思います。
さて、2014年のトップを飾るのはマツダ「アクセラ」の試乗インプレッション。本来であればもう少し早く乗りたかったクルマですが、ようやく乗ることが出来た。新型「アクセラ」は販売絶好調の様で、販売店も嬉しい悲鳴を上げているとか。「CX-5」「アテンザ」に続く「アクセラ」のヒットは、マツダの進めてきたスカイアクティブ戦略が正しかったことを証明している。もちろん、技術だけではなく日本のメーカー中では際立っているマツダのデザイン力が組み合わさってこその成功だろう。少し気が早いが、次期「デミオ」や「ロードスター」の他、ベリーサ後継(?)と言われる「CX-3」にも多大なる期待をしている。特に、全般的にマツダ車のボディサイズが肥大化傾向にある中で、次期「デミオ」は5ナンバーサイズを維持出来るのか心配している。早ければ、今年中に登場するらしいから期待して待ちたい。
今回テストしたグレードは「20S Touring L Package」で、ガソリンエンジン搭載モデルとしてはトップグレードである。価格は243.6万円。ベースモデルの「20S Touring」(231.0万円)でも充分に充実の装備に加え、運転席6Wayパワーシート・運転席&助手席シートヒーター・本革シートを奢る。それでいて、価格はライバルとなるVWゴルフのベーシックグレード「TSI Trendline」が249万円であるから、文句なしにリーズナブルと評価してもよいだろう。
新型「アクセラ」は一般的な2DINナビの設置を否定し、マツダ・コネクトと呼ぶ独自のコネクティビティシステムを用意した。現時点で、2DINナビの全てを凌駕する性能を持っているとは言い難いが、類型的になっていたクルマのインパネデザインをスッキリとさせ、高さも低く抑えることに成功しているのは事実。もちろん、ドライバーの視界確保にも有効である。短時間の試乗でマツダ・コネクトの操作を習熟することは不可能だが、ソフトウェアをアップデートする事で常に最新のサービスを利用できるとマツダは説明する。今後、マツダ車には順次設定されていくのだろう。メルセデスも同じようなシステムの導入を進めているが、この取組に関する評価にはもう少し年月が必要だろう。私は正しい戦略ではないかと前向きに解釈をしている。「デミオ」の様な低価格モデルにこそ必要なシステムかも知れない。今後が楽しみである。
新型「アクセラ」のスタイリングは素直にカッコイイと思う。先代も悪くなかったが、少々ビジーな印象があった。やはり、何度見てもフロントのナンバープレートだけはイマイチなのだが。まぁそれを差し引いても、世界で最も美しいハッチバックだと思う。ただし、後方視界はイマイチだった。夜間の運転ではバックカメラが欲しくなるかもしれないね。
約20分程度の市街地中心のテストコースであり、高速道路や山道は含まれないのが残念だが、新型「アクセラ」の走りは安心感に富みながらも適度なスポーツ感が味わえるモノ。特に雑味がなくスッと切れるステアリングと余裕と言うか奥深さを感じる足回りのセッテイングは日本車にライバルはなく、欧州でも胸を張れるだろう。ゴルフの様に、愚直な超安定志向ではないが、案外メルセデスのAクラス辺りと比較してみると面白いかもしれない。強いて言うならば、見た目は最高にカッコイイ18インチ(215/45R18)のタイヤが多少ゴツゴツする。恐らく、1.5Lの16インチ(205/60R16)の方がベストマッチなんだろうが、見た目のマッチングは断然18インチ。最近のマツダデザインは秀逸だが、大径タイヤが前提になりすぎているのかもしれない。
最近は輸入車を中心にダウンサイジングターボが流行だが、新型「アクセラ」の2.0L NAエンジンは最新のエンジンらしく、低中回転域のトルクが厚く、走りやすい。それでいて、VWのTSIエンジンの様なエンジンブレーキが驚くほど弱い弱点もなく、テンポの良い走りが楽しめる。ミッションもマツダ自慢の6ATでDSGの様なツインクラッチ系で感じる極低速域や坂道発進時等のガクガク感や国産CVTの違和感(ラバーバンドフィール)とは無縁の自然なもの。キレの良い変速も楽しめるから、やはり現時点で最も優れた2ペダルなのではないだろうか。マツダには現状に満足せず、や7~8速への多段化を進めてほしい。
そろそろ結論を。やはり、アクセラは日本のメーカーが生産するクルマの中で、堂々とゴルフのライバルとして立ちはだかる事が出来るクルマ。他のメーカーが土俵を変えようと逃げ惑う中で、常に真正面から対抗出来るクルマを低価格で提供する姿勢はもっと褒められるべき。正直、アクセラと比較してしまうとトヨタ・オーリスなんてすべての面でアクセラに劣る。一方で、やや大きくなり過ぎたボディサイズには関心しない。デミオとアクセラの間を埋める車種が必要なのかもしれないが、リアルにアクセラをマイカーとして考えると、どうしてもボディサイズが気になってしまう。アクセラかアテンザにクーペが用意されれば...と言う長年の妄想は現実になりそうにないのも残念。
マツダは一時期「ZoomZoom」の表現手段として、少しオーバーな程切れ込むステアリングや、ゼロ発進時の加速力に演出を施すなど一見幼稚だが判りやすい味付けを施していた。最近はすっかりそれらは影を潜め、ドライバーとの一体感・自然なフィールの再現を目指している。確かに、必要以上に荒々しい演出は不要だし、狙ったラインをビシッとトレースし、修正舵の少ない最新世代のマツダ車に共通する味付けには基本的に賛同するが、もう少し個性というかワクワク感が欲しいのも事実。国を超えて走る欧州や、大陸横断的に長距離を走る北米や中国とは違い、どうしても短距離の移動が多い日本では濃い目の味付けが必要な気がする。まぁ完全に好みの部分とは思うが。願わくば、そう言う個別ユーザーの好みなんかもセッテイングに反映可能にならないかな....。次回は丸一日かけて新型「アクセラ」を走らせてみたいと思う。

Posted at 2014/01/04 13:00:39 | |
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