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2015年08月17日 イイね!

[埋もれたクルマに光を...③]トヨタ・ヴァンガード RAV4ロング改め。

[埋もれたクルマに光を...③]トヨタ・ヴァンガード RAV4ロング改め。埋もれたトヨタ車を取り上げる企画の第三弾。今回は「ヴァンガード」にスポットを。とは言え、「ヴァンガード」を語るには「RAV4」の歴史から紐解く必要がある。日本市場における「RAV4」は3代目だが、それは国内に限った話。既に海外市場では4代目「RAV4」が2013年から投入されている。日本ではレクサスRXから分離し、国内専用車種となった3代目「ハリアー」が4代目「RAV4」とメカニズムを共有している。そういう意味で、日本市場で3代目「RAV4」が今でも併売されている事が不思議だが、恐らく221.1万円(2WD)~242.7万円(4WD)と言う手頃な価格でSUVを提供することに一定の需要があるのだろう。
さて本題の「ヴァンガード」だが、これを一言で表現するならば3代目「RAV4」のロングボディ版。単純に「RAV4」のボディバリエーションとしなかったのはトヨタらしい販売系列のしがらみによるもので、ネッツ店専売の3代目「RAV4」に対し、「ヴァンガード」はカローラ店・トヨペット店で販売される事となった。その際に「RAV4」よりも若干上級モデルとしての性格を持たせるべく、フロントマスクを中心に専用デザインが与えられた。パワートレーンは「ブレイド」等と共通の新MCプラットフォームを採用し、「RAV4」と共通の2.4Lに加え、「ヴァンガード」には2GR-FE型の3.5Lエンジンが用意された。まぁ前の記事で紹介した「マークXジオ」や「ブレイド」と全く同じ展開ではある。
「ヴァンガード」は2007年08月に発売。価格は264.6万円(2.4L/4WD)~334.9万円(3.5L/4WD)であった。発売当初は4WDのみの潔い展開だったが、2008年08月に2WDモデルを追加している。北国育ちの私にはSUVを2WDで乗る需要が有る事は知りつつも、正直理解出来ないナァ。
「ヴァンガード」は「カローラ・ルミオン」や「マークX・ジオ」の様な不人気車ではなく、発売当初は結構売れていたと記憶している。しかし、ライバルが増えていく中で効果的な改良が無く、徐々に埋没。2013年には3代目「ハリアー」にバトンタッチする様にひっそりと販売終了した。
トヨタ的には「RAV4」に対し、最小限の追加投資で上級モデルとなる「ヴァンガード」を生み出し、ソコソコのセールスを上げたことでプロジェクトは成功なのかもしれないが、インテリアやリヤデザインにも「ヴァンガード」の上級イメージを表すオリジナルデザインが丁寧に施されていればもっと売れたモデルになったのではないかと思う。特に、「RAV4」の車格でもチープに見えたインテリアは完全に力不足だった。3代目「ハリアー」(のガソリンモデル)が非力な2.0Lのバルブマチックエンジンを積んだ上で、「ヴァンガード」よりもずっと高価なプライス(290.9万円~/2.0L 4WD)を掲げるにも関わらず、販売が好調な事を見れば明らかである。
「ヴァンガード」の中古相場はこれまで比較的堅調であったが、最近になって値頃ゾーンに入って来た様に感じる。4WDモデルに限って探せば、概ね110万円前後で程度の良い個体が探せる状態。「ヴァンガード」も「RAV4」の上級モデルとして、安全装備や快適装備はひと通り標準装備されているから、現在の水準で見ても大きく見劣りするものではない。「ヴァンガード」はクルマに拘りを持つ人間としてその中途半端な生い立ちから新車購入の対象として積極的に選びたくなるクルマではなかった。しかし、今となって低予算で日常のアシとなる中古「SUV」を探す向きには悪くない選択肢ではないか。

Posted at 2015/08/17 19:01:40 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ
2015年08月17日 イイね!

[埋もれたクルマに光を...②]トヨタ・マークX ジオ "Saloon’s Future"

[埋もれたクルマに光を...②]トヨタ・マークX ジオ "Saloon’s Future"前回は「カローラ・ルミオン」を取り上げたが、今回は「マークX・ジオ」。そんなに昔のモデルではないが、既に忘却の彼方という雰囲気すら感じるから不思議。「マークX・ジオ」は2007年09月に発売開始。「Saloon’s Future」をテーマに、子育てがひと段落し「ミニバン」を卒業する世代に向けて開発。「4+Free(フォー・プラス・フリー)」コンセプトのもと、大人4人がくつろげる「独立4座」と、使用シーンに応じて自在に変化させることができる「自由空間」を備えた事が特徴だった。
従来ならば、そろそろ「マークX」や「クラウン」等の上級セダンに乗っていたはずの層が「ミニバン」を経験した事で子育てを終えてもセダンへ戻って来ないことに対する新たな提案モデルとしてトヨタがかなり本気で開発した(らしい)モデル。発売当初の月販目標はなんと4,000台だった。まぁ結果としてトヨタの思惑通りだったかは歴史が証明する通り。
「マークX」を名乗りながらも、その中身は「ブレイド」等と共通のFFプラットホームで構成されていた事から失敗は始まっていた。過去に「カムリ・グラシア」ベースに「マークII・クオリス」を仕立て大失敗をした経験が全く生かされない辺りにリーマン・ショック前夜のバブルトヨタの影響をモロに感じる部分。個人的には、高級かつ4名乗車にこだわったプレミアムな「エスティマ」を作ったほうが素直だったと思うのだが。
「マークX・ジオ」はベースの「ブレイド」と同じく、直4-2.4LとV6-3.5Lの2本立て。価格は256万円~333万円と結構手頃な価格だった。セダン版「マークX」と同じ価格帯にしたかったのだろうか。
ボディサイズは全長4715mm全幅1785mm全高1550mmと結構大柄だが、全高をギリギリ1550mmに抑え、立体式パーキングに適合させた。
「マークX・ジオ」の失敗要因は結果が出て久しい今になって言えば色々とあるだろうが、恐らくその冴えないスタイリングが肝心のターゲット層に響かなかったのではないか。「マークX」や「クラウン」等の上級セダンを志向する層に響く様な高級感が与えられなかったのは痛い。少なくとも、現行「エスティマ」が2006年01月に発売されていた事を考えると、「マークX・ジオ」は駆動方式に関係なく「エスティマ」よりも明確にリッチなクルマとなるべきだった。ついでに言えば、「自由空間」に備えられた3列目シートが狭く緊急用途の域を出なかったことも広々した「ミニバン」に慣れた層には窮屈に見えたのかも。
さて、そんな「マークX・ジオ」だが不人気事情が反映された中古車相場でかなりお買い得になっている。トヨタの純正中古車で70万円前後から程度の良い個体が選べる。色々と残念なクルマではあるが、「マークX」と言うネーミングを忘れ、ちょっと大柄なステーションワゴンだと思えばお買い得にも見えてくる。上級モデルとして安全装備がしっかりと奢られており、横滑り防止装置(S-VSC)やSRSサイド&カーテンシールドエアバッグ・アクティブヘッドレスト等が全車標準装備であり、快適装備もひと通り揃っている。同年式の「エスティマ」(ガソリン)が100万円前後~の相場である事を考えると「マークX・ジオ」のお買い得感が引き立つ。乗り潰し派にとってはお得な買い物チャンス到来だろうか。
大人4人がしっかりとくつろげる「独立4座」と、その4名分の荷物がストレス無く積むことが出来る空間を備えた上級モデル。確かにコンセプトは悪くなかったし、今でもその需要はありそうな気もするが、大半のユーザーは「使わなくても3列シート」を求めるんでしょうね。マーケティング手法を駆使した開発の結果「マークX・ジオ」も生み出されたのだろうが、データの裏付けも大事だろうが、本当に身銭を切ってクルマを買う立場に立って考えれば直ぐにも判りそうな事が見落とされてしまうのは何故なのか。まぁだからこそクルマは趣味の対象になるのかもしれない。そんな難しい事を考えながら「マークX・ジオ」に乗ってみるのも悪くないな...と思う今日この頃。実は私の様に子供が居ない夫婦世帯にはピッタリなクルマかも。乗ればこのクルマの隠れた魅力が判るかもしれないしね。

Posted at 2015/08/17 16:32:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ
2015年08月17日 イイね!

[埋もれたクルマに光を...①]トヨタ・カローラルミオン ゴツンとしたクルマ

[埋もれたクルマに光を...①]トヨタ・カローラルミオン ゴツンとしたクルマ早いもので、今年もお盆の時期である。幹線道路では帰省なのか他県ナンバーのクルマが家族フル乗車で走っている姿を見かける。毎年の事とはいえ、ドライバーさん(最近はお父さんが運転とは限らないようだ)は大変だ...。
さて、今回取り上げるのは「カローラ・ルミオン」。2007年10月に登場したモデルなのだが、実は今でも現役で販売されるロングセラーモデル。正直、もうとっくの昔にモデル廃止されたものと思い込んでいたから、軽く衝撃である。ついでに言えば「イスト」や「bB」の販売も続いている事に驚いた。しかし、なんでトヨタはこいつらを生産・販売終了にしないのだろうか謎である。
「カローラ・ルミオン」は北米でサイオン「xB」として発売されている。元々は初代「bB」をサイオン「xB」として北米で販売したのがルーツだが、北米で初代「bB」ベースではボディサイスが小さいと評価され、二代目「xB」として開発されたモデルの日本市場向けが「カローラ・ルミオン」。(ややこしい!!)当時は「デカbB」なんて噂されていたっけ。ついでに言えば、国内向けの二代目「bB」はダイハツへ開発・生産が委託され「パッソ/ブーン」がベースのモデルへ格下げ。まぁこの頃のトヨタは生産台数世界一を目指し社内はバブル気味。個別モデルに対する真剣な検討が行われず、結果として中途半端なモデルが大量に登場した暗黒の時代。正直「カローラ・ルミオン」もその影響を受けたモデルと言える。少なくとも、今ならば「カローラ・ルミオン」が商品化されることは無いだろう。
発売当初「ゴツンとルミオン」をキャッチフレーズに、ゴロゴロ転がりながら四角いボディを強調するテレビCMを見た記憶があるが、その後はトヨタ得意の放置プレイ。雑誌・Web媒体等で取り上げられることも少なく、非常に目立たない存在である。個人的には、二代目サイオン「xB」のスタイリングを変えず車名は「カローラxB」として国内にも導入したほうが良かったのではないかと思う。どうせ多くの販売台数が期待できないのであれば、アメリカの雰囲気をもっと強調した方が面白かったのに。まぁ「キャバリエ」や「ヴォルツ」のトラウマがあるからそうも行かないだろうが。
そんな「カローラ・ルミオン」だが、改めて見ると結構面白く微妙(絶妙では無く)なポジションにあるクルマだと思う。軽自動車の世界では四角くて背の高いトールワゴンが今でも隆盛だが、普通車の世界では四角いコンパクトカーは停滞気味。このジャンルはマツダ「デミオ」・日産「キューブ」等が先行し、トヨタも「ファンカーゴ」「bB」「ラウム」等で対抗して来たが、既に「デミオ」はスタイリッシュ系へ路線変更し戦線離脱。「キューブ」も現行型は安易に輸出を意識しキャラクターが中途半端な存在に。ホンダ「シャトル」や「フリード・スパイク」の様に荷室重視なら徹底的に。あるいは、乗車定員重視ならトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」の様に三列シートの5ナンバーミニバンへ。二列シートでもトヨタ「ポルテ」やスズキ「ソリオ」の様なスライドドアを与えより特化した利用シーンを担うモデルもある。それだけコンパクトカー市場が成熟し、ジャンルが細分化されたのかも知れぬ。
「カローラ・ルミオン」は前述のとおり、初代「bB」ではボディが小さ過ぎると言う北米の需要に応え開発されたモデルで、ボディサイズは全長4210mm全幅1760mm全高1630mmと結構大柄。特にワイドな全幅が目立つ。まぁ今となっては1760mmの全幅に驚きはないが、このジャンルでは珍しい。リヤシートを前倒しにすれば1640mmの荷室が確保出来るから、客貨両用で使うには悪くない。
エンジンは1.8Lと1.5Lの二本立て。車重が1270~1400kgとそれなりにあるから、本来は1.8Lで乗るクルマ。サイオン「xB」は2.4Lである。価格は180万円~223.2万円で最新のハイブリッドカーも狙える価格帯だから、販売の苦戦も止むを得ないところだが、四輪ディスクブレーキやSRSサイド&カーテンエアバッグ・チルト&テレスコピックステアリングが全車に標準装備となるなど、意外と(?)真面目な側面もあるから面白い。
新車で買うには色々と抵抗があるクルマだが、不人気を反映して中古車は結構お買い得。トヨタの純正中古車で60万円台から程度の良さそうな個体が探せる。ワイドな全幅が許容可能であれば、案外実用的かつマニアックな選択肢として他人と違うクルマを欲する方にオススメ。これで(私の嫌いな)「CVT」ではなく、「6AT」なんかが採用されていたりすると「お宝」認定したいのだが、現実は全車「CVT」で残念。まぁ中古のトヨタ車にトラブルの少なさ(安い維持費)を期待し、ゲタ車として日々黙々と走らせるには「CVT」でも問題はなかろう。スタイリングも最近のトヨタ車程には無駄なラインや装飾が無く「飽きない」部類ではないか。
機会あれば試乗をしてみたい。「カローラ・ルミオン」がいつまで販売されるのか気になるが...。


↓北米ではサイオン「xB」として販売。こっちの方が本来の姿である。

↓テレビCM
Posted at 2015/08/17 11:12:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ | クルマ
2015年08月03日 イイね!

[ファーストインプレッション]ホンダ・S660 ようやく山道で本領発揮。

[ファーストインプレッション]ホンダ・S660 ようやく山道で本領発揮。「S660」が納車されて初めての週末。天気は良いが、もはや災害レベルの猛暑にクラクラしつつも「S660」の走りを堪能すべく、山道へ向けて走り出す。途中でホンダ「ビート」と数回すれ違ったが、熱い視線を感じた。(勘違いかも知れないが..。)やはり「ビート」のオーナー様にとっても気になるクルマだろうか。逆に私は「S660」と「ビート」を乗り比べてみたいものだ。思い返してみても、しっかりと「ビート」を駆った記憶が無い。確かスズキ「カプチーノ」を購入した頃、「ビート」の中古車も試乗させて頂いた様な気もするが、もはや曖昧な記憶である。既に小学生の頃からクルマ屋さんを巡ってはカタログを頂戴し集める事を趣味としていたから、どうしてもその頃に邪険にされたメーカーの印象が悪く、特に「ホンダ」が大嫌いであった。それ故、ホンダ車を長らく無視していた傾向があり、結果として試乗経験も少ない。後に「S2000」を購入するのだが、その際も長らく嫌っていたホンダ車を買って良いものかと約1ヶ月位は悩んだ(笑)記憶が有る。まぁ今となっては過去の話。今回「S660」の購入に何ら迷いは無かった。御存知の通り(?)今の私が嫌うメーカーは「日産」と「三菱」である。共に以前は熱狂的に好んでいたメーカーなのだが。
さて。肝心の「S660」のファーストインプレッションだが、納車から約400kmを走破し、色々と見えてきたことが有る。総論を言ってしまえば、よく出来た部分とかなりイマイチな部分が同居するクルマ。要するに、今日の自動車としては結構な荒削りであり、マーケティングやクリニック調査を経て開発される平均点主義の乗用車的な手法では誕生してこないタイプのクルマだと言えるのではないか。
「S660」を賞賛する記事は掃いて捨てる程あるので、あえて「オーナー」としてイマイチと感じる部分を2つ述べたい。まずは、メーカーOPで装着した「センターディスプレイ」(internavi POCKET連携対応)と、オーディオ(iPod対応のUSBプレーヤー/AM・FMチューナー)の使い勝手は壊滅的に悪い。まぁ慣れてくれば解決される部分もあるが、説明書の記述も不足しているし、画面を見ていても操作方法が判りにくい。例えば、iPodのプレイリストを切り替える方法などは未だに判らない(笑)。また、スマホにインストールした「internavi POCKET」のアプリと連動し、カーナビ画面をセンターディスプレイに表示させるのだが、これも四苦八苦してようやく映った(泣)。しかも、画面が鮮明ではなく、正直1万円台で売っているユピテルのポータブルナビが格段に使いやすい。これは要改善ポイントだろう。但し「S660」は後方視界が悪いクルマで、軽自動車といえどもバックカメラは必須。そういう意味で「センターディスプレイ」はお買い得と思う。
先日の納車報告でも書いたが、エンジンサウンドもイマイチ。エンジンの出力やフィーリングに不満は無いのだが、いかにも3気筒エンジン丸出しのガサついたサウンドはモチベーションダウン。パワーリアウインドウを下げてエンジンサウンドを積極的に聞きたいという気にならない。今後、エージングが進むことで改善されていけば良いのだが。どちらも乗車中は常に視界に入り、耳に入る部分なだけに早急なる改善を期待している。
一方で、「S660」美点も沢山書いておこう。何と言ってもシフトフィーリングの良い「6MT」に尽きる。ホンダスポーツのセオリーに則り、超ショートストロークであり、スコスコとシフトゲートに入る。これは先日試乗した新型「ロードスター」で若干期待に届かず、ガッカリした部分でもある。特に新型「ロードスター」は信号待ち等の停止時にシフトレバーがブルブル振動しているのが不快だった。(個体差かもしれないが)このシフトフィーリングだけで「S660」を買う人が居てもおかしくない。むしろもっと刺激的にクロースした設定でも良かったのだが、それは好みの問題か。但し、ミッションのダイレクト感では「S2000」に若干のアドバンテージが有ったと記憶しているが、それも僅かな差である。
そしてターボ化されたとはいえ、高回転までストレス無く吹け上がるS07A型エンジン。むしろ、今どきのターボエンジンとして珍しい低回転域でトルクが細いタイプ。当然ながら高回転域を多用することになる訳だ。草食系のエコエンジンに慣れてしまった人達にとって、相当異質で扱いにくいエンジンに感じるのではないかと心配になる。しかし、小排気量スポーツの醍醐味はエンジンを遠慮無く高回転域までブン回して走ることだろう。既に私は慣らし運転を諦めました(笑)。このエンジンを「6MT」で操るわけだが、当然ながら頻繁なシフトワークが要求される。エンジンのトルクに任せシフトダウンをせず追い越しをするのは難しい。しっかりとシフトダウンが必要。ついでに言えば、街中で6速は(合法的に)常用出来ない。70km/h以上で最低でも2000rpmは回っていないとノッキングが出る。6速は高速道路で巡航するためのポジションと考えるべきだろう。これを「楽しい」と思うか、「面倒」と思うかで「S660」の評価が変わる様に感じる。ライバルと言われるダイハツ「コペン」と大きく違う部分でも有る。恐らく、「S660」もCVT車はかなりフィーリングが違うと思うが。
そして、鋭いコーナリング性能に一役買っている(と思う)「アジャイルハンドリングアシスト」も面白い。かなり強引なラインでコーナへ侵入しても、グイッと鋭く切れ込んでいくのは大したもの。LSDの切れ味とは少し異なるが、「アドバン・ネオバ」のハイグリップタイヤと合わせ、ミッドシップ・スポーツの醍醐味を味わうことができる。軽自動車では贅沢な4輪ストラット式サスや4輪ディスクブレーキも大きく貢献している。ついでに言えば燃費が良すぎる(笑)事。遠慮無くアクセルを踏んでエアコンも全開で稼働しているが、メーター内の平均燃費計は20km/L前後で推移。正直、燃費なんて気にするクルマではないのだから、もっと過激な走りに振って欲しいくらいだ。
日本の狭くてクネクネと続く峠道をコキコキと「6MT」を駆使しながら走ることが楽しいクルマ。どうせ荷物もロクに積めないし、車内も窮屈で快適とは言いがたいクルマ。結局のところ前を向いて「走ること」に没頭する事がこのクルマ唯一の目的であり、最大の楽しみであろう。ただ、それ故に日本のクルマ事情に照らせば購入・維持のハードルは結構高いクルマ。すべて理解した上で購入したつもりではあるが、やはり「S660」でドライブした先で買い物をして帰りたい事はある。また、急な降雨に備えて傘を収納するのも大変。今後も色々と悩ましいことも有るだろう。これから「S660」を買われる方のために少しでも参考になれば幸いである。
冒頭で述べた通り、「S660」は隅々までしっかりと考えられ作りこまれたクルマでは無いが、ここまで走りに特化したスパルタンなスポーツカーがこの国で商品化まで漕ぎ着けられた事が奇跡だと感じる。「S660」が今後どう進化し、将来的にどんな評価を集めるのか非常に楽しみなクルマ。とりあえず、クルマ好きとしてホンダの英断に賛同し購入する事で一票投じる事が出来たのは良かった。


Posted at 2015/08/03 21:00:31 | コメント(3) | トラックバック(0) | S660 | クルマ

プロフィール

「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
何シテル?   06/21 23:22
クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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