
197X年・・・
世はスーパーカーブーム。
しかし僕は、60~70年代のスクリーンを彩る大きくて豪華なアメリカ車が元々大好きで、その上 当時の鈍重なアメリカ車とその屋根に心奪われ、変態としての第一歩を踏み出したばかりだったのです。
MF誌などを読む傍ら、学校では全く落ち着きの無い典型的な厨房(笑)でした。
同じ班にR子がいました。
決して目立つ存在では無いけれど、成績も良く色白でおっとりとした彼女の事を 同じ班のS君と僕は
「おねぇひゃん」と呼んで、とても仲が良かったのです。
僕はR子に対してもブルース・リーやクルマの話を熱っぽく語るバカだったんですね~、R子の目の前で気に喰わないヤツと些細な事から口論となり、激高して殴り合いのケンカもしたっけ
・・・まさに厨房^^
Scene 1
僕は工作の時間に傘立てを作った時に余った材料(=帯鉄)をL字に曲げて、女子のスカートをめくる道具に仕立て上げ(笑)、『キャー!!』と叫んで逃げ惑う彼女らを追い回していました。
ところが"スカートをめくる真似"だったハズなのに、どう間違えたか 手元が狂ったのか・・・(爆
あろう事か僕はR子のスカートを見事にめくってしまったのです。
綺麗な足と白いパンツのお尻は未だに僕の脳裏に焼きついて離れませんっ^^
教室中に一瞬の静寂が訪れ・・・その後、まるでスローモーションの如く 鬼の形相で振り返るR子!
それは僕の様なバカ男子の戯言を無言で受け止めてくれる、あの落ち着いた優しい「おねぇひゃん」の顔ではありませんでした。
僕は教室を飛び出し、必死で逃げ階段を駆け登り屋上へ出るドアへ辿りついたものの、ドアには鍵が!
階段を見下ろすと、猛追して来るR子が見えました。
『も~!恥ずかしいじゃないのっ!!!!!』
「ゴメン!!本当にゴメン!!」
手を合わせ心からの謝罪をする僕でした。
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Scene 2
ある時、R子が僕に
『ベイカー君、コレ読んで』
と数冊の本を机の上に置きました。
それは「小さな恋のものがたり」(みつはしちかこ著)のマンガ単行本。
ドジでチビで純情な女の子チッチと、その彼氏サリーが主人公です。
サリーはカッコ良くて優しくて背が高い理想の彼氏。きっとその名の由来はオールド・ロックンロールの「ロングトール・サリー」から来ているのでしょう。
『男の読む本じゃない』
・・・そんな意見も聞かれそうな・・・でも ほのぼのとした優しい気持ちにさせてくれるマンガでした。
今の若い人には「まどろっこしい」内容かも知れませんが・・・時代は移り変わっても人間誰しも心の中には「純情」がある(あった)ハズだと信じたい僕です。
その後、最初の数冊を読み終えて、今度は僕の方からお願いして、幾度かに分けて別の数冊を貸して貰った記憶があります。
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こんな年頃の女子は、男子より一足先に大人びて どんどん綺麗に成っていくものですよね。
僕はR子の事が好きでしたが、それは恋愛感情と言うにはあまりに未熟だったような気もします。
今思えばR子は母の様な眼差しで、僕を見ていたのではないでしょうか・・・あるいは?
彼女は僕に「読んで」と言った理由や本の内容に付いて一切口にする事はありませんでしたが、いずれにしても僕に
(落ち着いたオトコに成ってね)
と願う気持ちを、この「小さな恋のものがたり」に託したんだと思うのです。
その後の僕はどうなったのか?スカートめくりなどしない男の子に成長したのか?(笑
自分で言うのも変ですが、やっぱりチョット変わったんじゃないかな~。
中学生の頃の僕と高校生になった僕はずいぶん違ってたように思えます。
そして、オッサンとなった今の僕(笑)が醸成される過程では 少なからぬ影響をチッチとサリーから受けていると確信します。
と言う訳で、こんなオッサンの心の片隅には未だチッチとサリーが棲みついています^^
(ありがとう、R子)
こんな内容、ハードボイルド調では書けません(笑
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Posted at
2013/05/22 01:14:32