
寝酒ならぬ寝本(笑
・・・旧い本を本棚から引っ張り出して、読み返してます。
もう30年くらい前に買って読んだ本・・・たかが文庫本ですが、時代が変わると使えない実用書なんかと違って、装丁カバーを紛失しても捨てられない(笑
田辺 聖子 さんの小説。
二十歳代だった僕は田辺さんの この他の幾つかの小説やエッセイを読んで、その魅力に惹き付けられた一人です。
昨年
「孤独な夜のココア」を読み返しましたが、この夏 訳あって再読。
そして
(田辺さんの他の本も読み返そう)
と、本棚を漁ったのがコレ・・・
「夜あけのさよなら」('77)
主人公は二十歳過ぎのOL、やはり京阪神が舞台。
で、この小説の中で僕が30年来忘れていなかった事があるんです。
田辺 聖子 さん・・・女心のヒダは描いても、およそクルマをはじめとする乗り物やメカには縁遠いと思われるんですが、この作品の中に登場人物の所有する乗用車・・・と言う設定で
『小林 夏雄が、車で送ってくれた。黒いオールズモビル、品のいい車。これは篠崎氏の乗用車で "駅までお送りするように、と言われましたから"と夏雄はいった。してみると篠崎氏は・・・』
と言う一節があるんです。
現代小説である以上、タクシーであれトラックであれ そこに何某か車が登場するのは当然なんですが、片岡 義男さんじゃあるまいし(笑) 特定の車種(そして色まで)を描くのは、田辺さんが実際に聞いたか、見たか、触れたか、乗ったか、いずれにせよ何か接点があったと容易に想像出来、そして 大きな意味があると思うんですよね。
お話の中には、他に『白い車』とか『赤いスポーツカー』なんて言うのが登場しますが、もし赤いのがフェラーリだと固有名詞で説明されていたとしても、これ程僕の心には引っ掛からなかった筈です。
それはオールズモビルがアメリカ車だから・・・これに尽きるのです。
篠崎氏の黒いオールズモビル。お話の中で主人公が後席に乗り込む場面がありますし、篠崎氏は小林 夏雄に運転手をさせている事から、少なくとも2ドアではない。
そして'77年5月新刊 と言う事は
シュリンキングされたフルサイズだとは考え難い。そうなると'76以前の
B-BodyかC-Body 、あるいはインターミディエイトのカトラス、コンパクトのオメガ・・・
僕としてはインターミディエイト以上であって欲しいんですがね(笑
(読書メーター)
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Posted at
2014/07/31 01:17:59