
富山県のイベントにて。
'70に新しく登場したシボレーのパーソナルカー。
ある古い本では、車名がモンテカルロの頭にシェベル名がついていますから、まだ中型シェベルの1グレードのような扱いです。
その本の説明によると・・・
「この車は、フォード社のサンダーバードの対抗車として新しく発表された。ボディシェルはポンティアックのグランプリと共通であるが、
故意に飾りのモールド類を省き、柔らかい、しかも高尚な外観と内装は、シェベル級の実用車としては豪奢にできている。(中略)前照灯はシングルであるが、従来のランプよりも明るさを増し、前輪ディスクブレーキを標準装備として制動効果を図り、静かで強力な6,555cc、330馬力、V8エンジンとの均衡を図っている。長いエンジンフードスタイルの新型パーソナルカーとして話題を呼んでいる。」
と、いささか前時代的な説明です(当時モノなので当然なんですけど)。
『・・・均衡を図っている』って言われても、330馬力でドラムブレーキだったら怖くて乗れないやんか(爆
でも60年代以前には、そんな発禁モノっぽい怪物が平気で売られていたんですよね~。
さて、ここで「高尚な外観と内装は、シェベル級の実用車としては豪奢にできている」と言う部分に注目したいんです。
当時はコークボトルライン全盛だったはずで、もちろんこの車のショルダーラインも僅かにホップアップ気味になってるんですが(=リヤホィールハウス直前での絞り。究極は
C3コルベットや
ボートテール"リヴィ"でしょう。)、Cピラー前端の角度が結構立ってますよね?コレはビル・ミッチェル師の始めたクラシックルネッサンスの一端と言うか特色の一つだと思うんです。
この古い本は、時系列的にその後のアメリカ車(=GM車)スタイリングのクラシック路線を当然ながら 知り得ないのですが、当時の
エルドラドや
GPに似た線を「シェベル級の実用車としては・・・」と表現して、
その高尚さを読み取っているような気がします。
シングルのヘッドライトは、
モデルチェンジ後のモンテカルロにも生かされましたが、僕には大衆車シボレーとしての本分をわきまえたコストダウンじゃないかと(・・・ポンテはシングルを逆手にとって
奇面に!)思えるんですがね、
『機械としてのコストは抑えてあるけど、シルエットは高尚ですよ』
・・・と言うミッチェル師のメッセージが聞こえるのです(邪教の教祖をやってる僕にしか聞こえないのかも・・・笑うな)。
画像左:そのフェンダーの鋭いエッジ。萌えます!
画像中:尖ったノーズ。こんな彫刻的なプレスに(ハッ!)とさせられ心拍数が急上昇しちゃいます(笑
画像右:フェンダーのエッジは、トランクリッド後端を通り越して上品な縦テールを突き出させてます。
シルエットで魅せる・・・正にこう言う事だと思うんですがね~。
Posted at 2010/01/17 14:38:05 | |
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