前ブログの続き・・・
記事抜粋:
『ふりかえって、我が日本を見る。そこでも角型/変型ヘッドランプの歴史はとりたてて新しいものではない。べレット、フローリアン、ファミリア、コルト、そしてフェロー、1960年代の後半にはこうしたクルマたちが変型ランプの顔を持っていたのだ。』
『それがしばらくの間、すっかり影を潜めてしまった。シールドビームに比較すれば、性能で劣り、またメンテナンス上のトラブルも解決できなかったからだろう。
ヨーロッパはハロゲン電球の採用と、ランプユニットの改良へと進んだ。しかしアメリカの影響下にあった日本は、シールドビーム一辺倒となっていったわけだ。』
『こうした事情から考えれば、アメリカでの角型シールドビームの登場が、即、日本に波及した事は、しごく当然の成り行きといえるだろう。そして生まれてきたデザインには、単純に丸型を角型に置き換えたものがあり、また一方では角型メリットを生かすべくアプローチしたものもある。そのすべてが、角型ヘッドランプを充分こなしているとはいいがたい。このあたりの混在もいかにも日本的である。』
中略
『最後に、角型ヘッドランプと車格感について少し補足しておこう。
アメリカではフルサイズから採用が始まり、日本でも角型(とくに4灯式)を装着した車種は、高級感が強調されている。たしかに縦型グリルとの馴染みも良く、端正な雰囲気は出しやすい。しかし、そこにあるもうひとつの要因を見逃す事は出来ない。
コストである。今のところ、角型シールドビームの価格は丸型よりかなり高い。したがって、まずはコストがやや上がっても、付加価値で売れる車から・・・と言う図式が成り立つ。
ヨーロッパでは単純に角型=高級ということには成らない。ルノー20が変型ランプなのに対して、同じボディのルノー30は丸型4灯だったりする。高性能バージョンには、眼付きの鋭さ、精悍さを狙って丸型4灯を使う例も多いのだ。』
ちなみに70年代中頃のGM、Bボディクーペ 2例・・・
上:シボレー・カプリス
下:オールズモビル デルタ88
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いやはや懐かしい、過去の国産車にもありましたね~、変型レンズ。
ただ、本文に紹介されているフローリアンを始めとする車たちは、この時点(1979)で既に一昔前のもの。そう考えるとセドリック/グロリアの
230系('71~'75)、そしてこの時点で現行だった
330系('75~'79),、
スタンザ、
クラウンの角型2灯式は異色の存在だったのかも知れませんね。
この一連のブログの元記事は、アメリカに出現した角型4灯式ヘッドランプが引き金となったのは明白ですが、始めの部分にこんな記述があります・・・
『これは一時の流行なのだろうか。スクエア・ランプによって演出される顔の表情が、新鮮さを失ったとき、ふたたび丸いランプへの回帰が起こるのだろうか。』
・・・う~む、興味深いですよねぇ。
実際、変型角型の雨嵐の中、丸型への回帰(一部だったものの)は「やはり起こった」と言えませんか?
このアメリカ流、角型4灯式がまだまだ氾濫していた70年代の終わりに、ようやく出始めた変型レンズ車を集めてみるのも面白いかと・・・新カテ創設か(笑
Posted at 2012/03/05 23:39:38 | |
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