GMのニューコンパクト "X-Car" 登場を機に、
V6エンジンを『最も
ナウなパワーユニット』として注目しています。
「トヨタ・日産もV6エンジンを開発中」と言う記述も見られますが、国産初のV6(=日産VG系)エンジンの登場まで後4年も待たねば成りません。なんといってもこの時点ではセドリック/グロリアはまだ330系、430系は登場前だったんですから!
前回の続き・・・以前のアメリカ製V6について
『1962モデルイヤーにデビューしたビュイックのインターミディエイト
"スペシャル" に積まれていた3.2L V6 が有名、と同時に因縁深いエンジンでもある。これは既存の90°V8ユニットから、2気筒切り取ったものだったので、夾角は60°であり、爆発間隔は150°と90°が交互する変則的なものだった。とはいえ、V8に比べ廉価だったことが幸いして、第1期V6時代とも言うべきブームの主役におさまった。』
『しかし、60年代中期になってアメリカが高度成長の真っ只中に飛び込むとV8に比べれば やはり見劣りするV6は、その人気をしだいに失いはじめ、67年にはついに生産中止の憂き目を見る事になる。』
『その後、生産設備がカイザー・ジープの手に渡ったため、このV6は3.7Lに拡大され、ジープのパワーユニットとして一時の小康を得た。ところがそのカイザー・ジープが経営難にみまわれて、AMCに買収され、それをキッカケにこのV6は再び消滅、結局現在はGMがその生産設備を買い戻してビュイック・ディビジョンの3.8L-V6を生産している。』
『この3.8L-V6は、78モデルイヤーでちょっとした手術を受けた。90°V6という変則的なレイアウトがもたらす不等間隔爆発を、イーブン・ファイアリングに矯正する手術である。つまり、従来左右各バンクの対角するシリンダーが共有していたクランクピンを、左右それぞれのために独立させ、互いに30°ずらしたのである。』
『その結果、150°、90°と交互に繰り返される爆発が120°ごとのイーブン・ファイアリングになった。このイーブン・ファイアリング 3.8L 90°V6エンジンは、ビュイックのスカイホークをはじめ、多くのGM車に積まれ、将来の主力になると目されるまでに成長している。また、これと前後してターボチャージャー付も市場に導入された。』
『小型・軽量で経済的なV6に、V8をしのぐパワーを与えようというわけだ。これはイーブン・ファイアリング手術の終わった3.8L 90°V6ユニットにエアリサーチ製のターボチャージャーを組み合わせたもので、ル・セーバーとリーガルのスポーツクーペに標準で積まれている。』
このビュイック製3.8L-V6 といえば後の
GNXのベース・エンジンですよね。
Posted at 2012/11/11 22:49:09 | |
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