前ブログの続き・・・
初代日産レパードF30型に絡めて、オペラウィンドゥ位置が後ろに寄っている為に不安定感たっぷりなロケーションを見せる'75-'76 GM B-Bodyです。
(上:Oldsmobile Delta 88、下:Pontiac Catalina )
B-Body はGM内部でフルサイズの中でもレギュラーサイズと呼ばれる標準車の事ですが、各ディビジョンで僅かな差こそあれ、概ねホィールベースは3mを超え、全長も5.5m以上、エンジンは5~7L級のV8を積む と言う大型車でした。
しかし、4ドア/セダン・ハードトップに加えて2ドアクーペもラインナップされていて、そしてココが重要なんですが それらが決してスポーツを謳っていた訳では無く、鈍重極まりない「単なるフルサイズカーの2ドア版」であったと言う事なんです。
さて、そんなB-Bodyですが ルーフを見てお分かりの様に広大なリヤクォーター・パネルには大きめのオペラウィンドウ(と呼んでイイのか?)、そして狭いながらもちゃんと開閉可能なセンターウィンドゥが設けられています。
一見するとルーフが同じなので見分け難いと思いますが、よく観察するとサイドのプレスにはオールズ版が前後ホィールハウスに各々独特の膨らみが与えられており、これは同時期のインターミディエイト(=A-Body) にも見られた処理です。
ポンティアック版は
4ドアの処でも述べたように、Fフェンダーからドアにかけて一旦消えたショルダーラインが、Rフェンダーで再び現れ 緩やかにホップアップする独特のサイドビューを持っています。
('76 Buick LeSable)
ビュイック版です。
クロームのセンターグリルから一段盛り上がったボンネットのラインは、Aピラーの下からドア、リヤフェンダーにかけて緩やかに下降して行きます。
そのラインはピンストライプによって強調され
◎フロントグリルはラジエター
◎フードマスコットはラジエターキャップ
◎フロントフェンダーは泥除け
◎ボンネットは=エンジンフード
と言う戦前のデザインを現代に蘇らせた「クラシック・ルネッサンス」なのです。
ボディカラーやストライピング、ビニル・ルーフの有無 あるいは貼り方(Full or Harf)そしてその色遣いで印象は大きく変わって来ると思うんですが、このビュイック版C-Body Cpe. は ある意味 最高にエレガンスなスタイルの一台だと申し上げておきます。
ちなみにルーフとは関係ありませんが、'75-'76 と言えば
アメリカ車に角目4灯ヘッドランプが次々に採用された時期でもあり、このGM B-body も例外ではなく そのアグレッシヴな顔つきにも各部門の特徴が生かされています・・・
(上からOldsmobile-Pontiac-Chevrolet )
前述のBuick版も合わせて、どれがお好みでしょうか?
(どれも鉄クズだ!なんて言わないで下さい・爆)
大衆車ブランドであるシボレーは
「キャデラックに似せた顔を数年遅れで採用」
するのが常で、これは同一社内で堂々と
「高級車の模倣」
を行って 大衆の心を掴むGMの戦略だった事は良く知られていますね。
中学生だった僕は同じシャーシーと基本ボディシェルを使用していても、この印象の違いに驚き、感動したものでした。
その上で再度強調したいのは、これらB-body 群が
決して高級車ではなく標準車であったと言う事
2ドアが平然とラインナップされていたと言う事
そして
これだけのサイズと豪華な衣装を纏っていても、それらは大量に生産・消費される下駄に過ぎなかったと言う現実・・・日本では考えられなかった事ですが、今の国産車って使い捨てに近づいてる??
・・・続く
Posted at 2013/02/11 20:28:40 | |
トラックバック(0) |
クラシック ルネッサンス/屋根ふぇち | クルマ