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減速時のフューエル・カットについて'89年GMの技術解説資料にこんなページがありました。
すなわち減速時燃料カット(ディセラレーション リーンアウト)は・・・
☆減速時、COとHCの排出を抑止するにはリーンミクスチャを使用
☆ECM(エレクトロニック・コントロール・モジュール=コンピューター)は急減圧したMAP(マニホールド・アブソリュートプレッシャ・センサー)と縮小されたスロットル開度をインジェクターパルス・ウィッスの算定に活用している
☆減速時のフューエル・カットオフの目的は、急減速時にエンジンに供給する燃料を遮断することである
☆このフューエル・カットオフは、PROM(プログラマーブル・リードオンリー・メモリー=車種固有の参照用データー)に記憶されているマニホールド・プレッシャ スロットルポジション及びエンジン回転数等の数値をベースにして決められている
と、非常に文章が抽象的ですが、言ってる事は・・・
昔のキャブレターエンジンでは減速時に急にスロットルが閉じられると、マニ負圧によりキャブから吸い込まれた多量の生ガス(HC)がマフラーから排出(大気汚染の元凶)され、甚だしい場合には排気熱によってアフターファイア(バックファイアではない)などを起していたんですよね。
それを抑止する為にスロットルオープナーとかダッシュポットのような補機がつけられていた訳です。
時代は代わって燃料噴射式エンジンでも同じ事が起きるのを防ぐ為、電子制御(開口時間と間隔)によって本来の噴射量を大幅に減らしているんですね。
GM式?(=世界の燃料噴射の大勢)はボッシュで言えばLジェトロに相当しますが、これはDジェトロの発展型であり、燃圧そのものを変える(始動も加速も減速も冷却水温も負荷も・・)Kジェトロ(国産車には皆無)とは対極に位置していました(Kは既に消滅)。
「噴射量=インジェクターへの通電時間」ですから燃圧の掛かっているインジェクターの「カラ打ち」はあり得ないと思います。つまり噴射量は限りなくゼロに近いけれどもゼロではない(エンジンが止まらない程度に噴射)・・・そして全くの矩形波(On-Off)の作動ですから噴射量はアナログではありませんね。
このカットオフ作動はドライブコンピューターの付いた車(例えばオペル)での減速時の瞬間燃費などに敏感に現われていましたよ。
アイドリング制御の絡み(エンスト防止の為のスロットルバイパス通路のオープン)もあり「回転数が低い時」は「スピードリミットに当たった時」と違って体感出来ないと思いますが。
そして、カットオフの回転数(1500rpm~2000rpm?)は車種やメーカーによって違うはずです。
我がネスタもプレマシーも国際診断コネクターが無い!ので市販のスキャンツール(瞬間燃費などを見れる)取り付けは不可能です(泣
なお、この資料の内容は'89当時の新技術ではなく、排気ガス浄化と経済性そしてパフォーマンスを両立させる既存の確立された常識を解説したものです。
ゆえに'89以前、国産車の燃料噴射システムも概ねこのような内容であったと言えるでしょう。
Posted at 2009/06/15 00:14:17 | |
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