
おもしろい比較試乗記事です。
ブルーバードとスカイライン、どちらも日産の中堅車種ですね(でしたね^^)。
"インテリヤ"に笑えます。
ブルーバードはマイナーチェンジされ
「流行の角目4灯とスクエアなグリル」を採用。
筆者はこの角目4灯を含めたニューフェイスを「格調高い」と表現し「SSS本来のスポーティ・イメージが薄れてきた。」と述べていますが、これは言うまでも無く当時の『豪華&鈍重』路線を突っ走っていたアメリカ車のイメージがダブっているからに他なりません。
僕の811系が好きな理由がここにあります(拍手!
そして筆者は中型とは言え、両車のその装備群の豪華さには「目を見張るものがある」と書いています。
すなわち、電動リモコンフェンダーミラー・ワンタッチ式パワーウィンドゥ・オートリヤデフォッガー・4スピーカーなどなど・・・。
筆者はこれらを「メルセデス450SELですら持ち合わせていない」・・・と、国産車の留まる事を知らない豪華化を暗に揶揄しているようです^^
さて、同じエンジンを搭載し 車両重量やファイナルレシオもほぼ同一の両車、最大の違いはそのリヤサスでハンドリングに大いに注目しています。
185/70HR-14のミシュランXVSを履いたSSSは
「あるコーナリングスピードに於いてキャンバー変化によるところの急激な挙動変化を示す。これは多かれ少なかれBMWなどにも見られるセミトレ式であれば当然といえる現象なのであるが、慣れないドライバーにとっては、リヤの腰砕けのようなふらつきとして感じられるはずだ。」
一方、4リンクサスを持つスカイラインは165/SR-15を装備。
「SSSと同程度のスピードで突っ込んでも、なんらの挙動変化もない。適度なアンダーステアを示しながら、思い通りのラインをトレースしてくれる。」
と、コントローラブルなTIに好感を持ったそうです。
反面、ラフロードでは
「4輪独立懸架のブルーバードが、水を得た魚のようにがぜん実力を発揮した。スカイラインTIが後ろ足を1本化して蹴り出すようにして走るのに対して、ブルーバードSSSは2本の足を交互に繰り出すようにして、凸凹のある路面をスムーズに滑っていく感じだ。」
「悪路に於けるロード・ホールディング、そして乗り心地に関してはセミトレ式独立懸架が4リンク式リジッドをまったく寄せ付けないといった感じである。」
そして・・・
「インディペンデント・サスの違いを、一般ユーザーにもはっきりと認識させることが出来る路面が非常に少なくなって来ている事は、残念と言うべきであろうか。」
ここは重要ですね~。
コスト等を考慮してトラック並みのリジッド・アクスルで妥協するか、4輪独立サスを奢るか・・・これは過去の国産車をみれば一目瞭然です。
しかし道路はどんどん整備され、また省エネと排気ガス規制でパワーを抜かれた結果、SSSやスカGのような高コストな脚を持ったクルマはその真価を発揮できる処が激減したと言う事なんでしょう。
一般ユーザーはレーサーやラリストではありませんから、限界までぶっ飛ばしはしません。
そして悪路などほとんど無い状況では、この比較試乗の様な脚の良し悪しなど際立つ事が無くなってしまった。
それよりもDOHCやターボの手っ取り早いパワーの方が単純明快、誰が乗ってもその良さを即体感出来るのですから当然一般ウケしますよね。
とにかく、この時代の日産とトヨタの違いは正にここにあると思うんですけど。
※本来は書籍カテゴリーですが、敢えて「プリンス」とします。
Posted at 2011/04/08 00:33:27 | |
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