
70年代中頃までは7L級のV8エンジンを積んだ全長5.6~5.8mの巨竜が闊歩していたアメリカ。
しかしオイルショック以後、経済的でキビキビ走る欧州車や日本車に次々とシェアを奪われて行ったんですね。
もちろんその間には、フルサイズや中型は縮小され その下にコンパクトやサブコンパクトあるいはスモールなどとと呼ばれる新サイズのアメリカ車が登場したんですが、それらはほぼFR駆動の旧態依然とした単なる縮小版に過ぎなかった・・・。
そして、本格的な新時代のアメリカ車の象徴として、まさに「鳴り物入り」で登場したのがこのGMの放ったX-Car だったのです。
世界的にも、そのインパクトの強さ・注目度はかなり大きく、MF誌のこの号ではカラーで11ページを割くと言うチカラの入れようです。
4兄弟の内のシボレー/ポンティアック/オールズモビルに関してはお馴染みボブ・ホール氏が、ビュイック版とメカニズム解説はやはりお馴染み、僕の敬愛する山口 京一氏がレポートします。
オールズモビル・・・
GMの中堅どころ、保守的なイメージの強いブランドですが、ボブ・ホール氏は
旧オメガについて
『ショールームの床にボルトどめされた』と言う表現で、
カトラスに比べて いかに売れない退屈なクルマだったかを述べています。
またスポーツ・バージョンSX(上画像)について・・・
『見るも醜悪な』
『ノッチバックにはテールスポイラーは絶対にマッチしない』
『つや消黒の使いすぎ賞の強力な候補』
などと その外観を酷評しています。
ま、僕はそれ程ヘンにも思えないんですが・・・この程度の
『貧相なベース+醜いコケ脅しオプション・パッケージ』
を持ったアメリカ車は他にも多数存在していた訳ですし(笑
確かにこの顔は奇抜にも見えますが、紛れも無くオールズ流の顔であり、同時に『過度にモダーン』なのかも知れません。
縦テールに関して、氏は
初期カリーナを引き合いに出していますが、これは彼の豊富な見識による日本人読者に向けた解り易い解説だと思えます・・・オールズモビルはずっと以前から縦テールを好んで用いて来ましたから。
Posted at 2012/04/30 22:12:38 | |
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