
昨日、南相馬に行った時津波の被害で電気の高圧線が切れている場所が有ったと書きましたが、ちょっと電力会社の社員でも意外と知らない人がいる高圧線の電圧に付いて、ふと思い出しましたので書いて見ます。
知らなくても困る事等有りませんが、聞いた事も無い意外な数字が出て来ますので知って置いても損は無いと思います。
良くマスゴミ等は6600Vの高圧電流とか言ってますが、その出鱈目な事に関しては以前書いてますので今更書きません。
普通の方は、電柱の高圧線の電圧は6600Vだと言う認識だと思います。
通常、電力会社でも社内ではその様な呼び方をしていますが、これは正確には画像の赤丸で印を付けて有る部分の電圧の事を指しています。
これは線間電圧と呼ばれています。
画像は3本の電線が有りますが、これを3相高圧と言って、私の様な田舎の場合は負荷が少ないので2本の単相高圧の場合も有ります。
この場合も線間電圧は6600Vに成ります。
電線に鳥が乗っても何故感電しないか?と言う事を知っている方なら分ると思いますが、1本の電線に人間がぶら下がっても感電はしませんよね。
極端な話、1Vでも電位差が有れば水と同じく電気も高い所から低い所へ通電しますので、同じ電線上なら同電位ですので感電はしません。
それが上の画像の2本の電線に同時にぶら下がったり、触ったりすればそこで電位差が発生しますので、その場合は線間短絡と成って6600Vですから、バラバラに成ってしまいます。
通常は電線間の離隔が有りますので、鳥も線間短絡する事は有りませんので、直雷を受けたりしないとその様な事は滅多に有りません。
でも、鳥も感電する場合が有ります。
変な印で分り難くてすいませんが、この鉄の事を腕金と言ってここには接地工事が施工されていて、接地帯と呼ばれて電気が非常に通電し易く成っていますので、高圧線の活線作業では、まず接地帯の防護をする様教わりました。
腕金と電線を鳥や蛇等が、たまに触って感電している現場に行った事は数回経験が有ります。
電線1本と接地(アース)ですので1線と接地との短絡になるので地絡と呼ばれます。
分り易く言えば家庭などの漏電の高圧版と考えれば良いと思います。
この場合の電圧は6600Vでは有りません。
3相でも単相でも各相と大地間の電位差を相電圧と呼ばれますが、分り易く対地電圧とここでは表現します。
この電圧は、線間電圧の1/√3に成るので約3810Vです。
6600Vからは随分低く感じると思いますが、それでも高圧ですので触ればそれなりの事に成ります笑
良く高圧で感電と言うのはこの事を言ってますので、6600Vで感電している訳では有りません。
↑に書いて有りますが、6600Vで人間でも鳥でも短絡をしてしまえばバラバラに成ってしまいます。
ちなみに、専門的な事ですが、変圧器の巻線がY結線でもΔ結線でも、対地電圧は3810V です
意外に知られていない事ですのが、下らないと感じる方が多いかも知れませんのでその場合はスルーして下さい。
細かい事は専門的に成りますので、説明しませんが、「高圧線の電圧」や「高圧 非接地方式」等で検索すれば私等の説明より理解出来るかも知れません。
高圧線が何でもかんでも6600Vでは無いと言う事は知っていても損では無いと思います。
質問等には面倒ですので申し訳有りませんがお答えしません。
100Vでも感電は怖い事ですので、注意しましょう笑
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電気 | 日記
Posted at
2013/05/15 18:26:23