みんカラから「カローラ一年乗ったよね?乗ったよね?インプレとか書いてみない?書いてみない?」と迫られたので、カローラについて書いてみましょうかね。
カローラっていつも私の愛車候補の中にあった。
でも決め手に欠けるクルマという印象で、結局選ばなかった。
写真1

そんな中セカンドカーを探していたら出会ったのがこのNZE144G型カローラフィールダー4WD。
真っ赤なボディで、内外装共に状態良し。
走行たったの4.3万キロ。
正直ハッチバックなら何でもよかったし、排気量1.5Lなら長距離もこなせると判断し購入。
そんなカローラを一年乗ってどうかと言うと、一番はトヨタの考え方がハッキリ分かったかな。
例えば一番長く乗ってきたスバルは顧客の満足を最大化しようと製品開発している。
けれどトヨタの考え方は顧客の不満を最小化しようと製品開発しているんだな。
だから使ってみて不満を持つ場面がとても少ない。
80点主義って言うけど、本当に80点以下の箇所を作らないようにしている。
例えば直進安定性は100点満点ではなく、ビシっとまっすぐ走るとは言いがたい。
けれど文句が出る程ふら付くわけでもなく、どちらかと言うときちんとまっすぐ走る。
恐らく直進安定性の高いタイヤに履き替えればきちんとまっすぐ走ると思う。
直進安定性にダイレクトに影響するボディは相当に良い。
昔からトヨタのボディは良いと言われるけど、本当にがっちりしてる。
高い負荷の旋回挙動においてもフロントタイヤとリアタイヤの動きが一致していて、どこまでも踏んで行ける安心感はまさにボディのお陰。
高速道路を走っていてもボディはブレない。
ハンドリングも100点満点ではなく、結構ゆとりのある、言い換えれば緩めのハンドリング。
これはサスペンション関係部品、特にゴム系部品の経年劣化が大きいと思うけど。
ただし旋回性能そのものは非常に高い…いや異常に高い。
インプレッサ並みに曲がる。
旋回挙動は素直で、ハンドル操作に非常に忠実。
何より素晴らしいのがリアサスペンションで、きちんとフロントとリアのタイヤが仕事している。
フルブレーキでもリアの接地感がある。
どちらかというとフロントが先に限界突破するけれど、その領域は非常に奥にあるし限界をきちんと感じ取れるから安心して踏んで行ける。
これは雪が20cmくらい積もっている峠道を越える時に感じた事だけど、とにかく車体が安定していて破綻しない。
意外にもアクセル踏んで曲がって行く、攻めのセッティング。
ハンドリングレスポンスの緩さに騙されそうになるけれど、ハンドリング性能は本当に素晴らしい。
楽しむハンドリングじゃないけれど、素晴らしく曲がる。
ブレーキはトヨタのウィークポイントだけど、カローラはしっかり作ってある。
ブレーキを踏んでいくとガチっと硬い感触があり、そこから踏み込みの踏力でコントロールする感じ。
絶対制動力ははっきり言って残念なレベルだけど、このフィーリングは非常に安心感がある。
コントロール性が非常に良くって、安心して走れる。
ただ、フィーリングが良いのと実用上問題になるレベルではないので改造する気も起きない。
これも80点以下ではないって事なのか。
エンジンも感動するものではないけれど文句も出ない1NZ型1.5Lエンジン。
下からしっかりトルクを出し、下の回転域では静か。
燃費は最新型2.4LエンジンFA24よりも悪いけど、リッター10を切る事もないので悪いとも言い難い微妙なライン。
エンジン回転数は100Km/hで2,000rpmと低めに抑えてあり、長距離走行でも不満は少ない。
気持ち良く回転が上がるエンジンではないし、1.5Lにしては非力。
それに2,000rpmを超えるといきなりうるさくなる。
完全に実用エンジンで、ブン回して楽しむ類のエンジンではない。
CVTと組み合わせて低回転を駆使してゆるゆると走るためのエンジンだな。
積載は良いよ!
後部座席そのままでタイヤ四本載るのは素晴らしい。
静粛性はイマイチだけど、高級車ではなく大衆車だからそんなものと割り切れる。
対策すれば何とかなるし。
総じて、感動は無いけれど事務的に仕事をこなす真面目なクルマ。
クルマに刺激を求めないならこれ以上のクルマは中々無いかも。
普通を極めたクルマって言うのかな。
乗っているとカローラでいいんじゃないかなと思えてくる。
これがカローラか…。
まったく恐ろしいクルマですよ。