写真1

N-WGNが納車されてからまともに走った事が無いので、評価走行をしてきました。
日本で選べる実用サイズで一番小さい自動車、軽乗用車は果たしてどんなものなのか。
結論から言うと、2人乗りまでなら長距離もアリ。
今回の走行条件は3人乗車で往路一般道、帰路高速道路で片道約100Km。
気温は30度から32度で、常にエアコン使用となります。
まずは往路。
約100キロの一般道をダラダラ走る。
軽量なN-WGNは加速がするすると伸びていき、時速60Km/hまで速やかに加速しますね。
エンジンもノイズは発するものの非常に静かで振動もかなり少ない。
特にトルクが太く、上り坂でも全然減速しません。
旧世代の軽乗用車はエアコン付けていると坂道で明確に減速していたんですけど、N-WGNは3人乗車でエアコン使用しているのに坂道普通に登ります。
今日はあいにくお盆休みのど真ん中いう事で、交通量の多い中をドライブ。
熱中症にかかっているのか飲酒しているのかフラフラ走るクルマはいつも以上に多く、40Km/hから60Km/hまで常に速度変動しながら走る事になりました。
こういう走りが一番疲れるのですが、パワーの無いN-WGNでは少し辛い。
走り方が分かるまでは大変でした。
N-WGNが搭載する660ccエンジン、S07Aはホンダらしく高回転まで回りはしますが、回してもあんまりパワー出ない。
N-ONE乗った時も言っていましたが、Dレンジの次がLレンジなのでエンジンブレーキが効き過ぎる。
フリードのようにSレンジが欲しい。
アクセル開度で速度調整するのですが、タコメーターが無いので踏み加減の調整も難しい。
自分だけマイペースに走るには問題ないのですが、他のフラフラ走るドライバーの後ろに付いた時は大変。
あるいはブレーキが効けば良いのだけれど。
結局後続車に道を譲り、私を追い越してくれたクルマをクッションにする作戦で乗り切りました。
N-WGNのS07aエンジンですが、レスポンスがとにかくイイ。
アクセルの踏み込みに俊敏に答えてくれて、軽い車体がスッと前に出ます。
これは走っていてとても楽しい。
帰路の高速道路を走るとトルクの太さは明確に効いてきて、上り坂でも全然減速せずに走れる。
ただパワーは全然ないから、追い越し車線を走るのは避けた方がイイな。
特に高速道路の上り坂では減速はしないけど全然加速しない。
巡航は得意なんだけどね。
ハンドリングに関してはカート感覚のクイックなハンドリング。
操作に対して極めて素直に鼻先が向きを変えて、アンダーステアの出方を伺いつつアクセル踏み込んでいっても、どこまでも粘る。
しまいには同乗者からクレームが来たので全然限界は見えませんでした。
本当、気持ち良くクルマが向きを変えます。
これは峠道とか持ち込むと物凄く楽しい予感。
今まで乗っていた重いクルマはハンドリングに対し一瞬遅れてタイヤがたわみ、サスペンションが沈むのが普通でした。
でもN-WGNはタイムラグほとんどなし。
おまけに車体幅が狭いから、ライン取りが自由自在。
軽いクルマっていいなぁ。
ちょっと遠出して、峠道にドライブに行きたいね。
高速道路走行時にもクイックなハンドリングは健在で、車線変更もスッスッと軽く行える。
ラインがふらつく事はあまりなく、アクセルを踏んでいればタイヤが地面から離れる気配が見えない。
ただしハンドリングを楽しむ前に改善しなければいけないのがブレーキ。
ノーマルカローラ同等には効くんだけど、楽しむには明らかに容量が足りないしコントロール性もいまいち。
何も考えずそれなりに乗るならノーマルのままでも良いのかもしれないけど、安全上もっと効いた方がイイ。
言ってしまえば普通の人が怖さを感じないギリギリの制動力かな。
車検は余裕で通るんだろうけど、制動力とコントロール性はもっと欲しいな。
高速道路を走るなら明らかに制動力が足りず、目の前で事故が起こった場合は確実に巻き込まれる。
そのため過剰な車間距離が必要。
直進安定性は良好で、高速道路であろうとまっすぐ走る。
写真2

快適性に関しては、とにかくタイヤがうるさすぎてノイズ関連の評価ができません。
エンジンは恐らくそれなりに静か。
外部ノイズは割と聞こえてくるので、遮音性はそれほどでもないかな。
とにかく常時タイヤがうるさい。
路面によって静かな場所もあるので、明らかにタイヤが原因。
ああ・・・タイヤ換えたい。
乗り心地に関しては一般道では結構硬めの感触。
ゴツゴツと路面状況を粗く伝えてくる。
これもタイヤが悪影響を及ぼしている可能性があるけれど…。
N-WGNは明らかに高速走行向けのセッティングとなっていて、高速道路走行時の乗り心地は非常に良好。
段差も柔らかく受け止めて、キャビンの快適性は中々良い。
どちらかと言うと高速走行向けのセッティングなんだな。
懸念事項のエアコンについては、気温32度の状態で3人乗車では容量が足りない。
黒いボディが気になっていたけれど、ボディよりもフロントガラスから入ってくる熱の方が大きい。
風が当たっている状況ではきちんと涼しくなるけれど、後部座席はあまり冷えないので2人乗車が限度かな。
きちんとエアコンガスクリーニングを行いエアコン添加剤を入れてこの程度なので、あくまで後部座席は緊急用と割り切らないといけない。
もし常時後部座席を使う、もしくは後部座席に人がいる状態で遠出するなら普通車を用意する事をお勧めする。
N-WGNに乗っていて一番の評価ポイントは運転座席。
座った時にふわっと柔らかく、沈み込む感じで不安を感じたけれど往復220キロ、5時間くらい走行しても腰痛は発生しない。
9万キロ使用しているはずなのに、腰痛持ちの私が痛くならないのは凄い。
相変わらず軽乗用車と普通乗用車に対する熱量が違うんだよなァ。
という事で普通車を持っている現状では軽乗用車はメインカーの代わりにはならなさそう。
長距離を走るなら普通車のほうがいいな。
とは言えこれは現状フルノーマルのままで使うならの話。
きちんと不満点を直していけば楽しいドライビング空間になりそうな予感はする。