
先日とある大手ポルシェ専門店インフォメーションで
「991GT3続々入荷中!」
というトピックが目に留まりまして・・・。
今現在並行で入って来るGT3はエンジン対策済み、即納、しかも正規と同じくワールドワランティが付いているのでPJで保証も整備入庫も可と。
「近年で最大の衝撃」をカマした
NewGT3炎上リコール事件を完全に黙殺したかの如き
通常営業っぷりを装っていますね~、ポルシェAG及びポルシェジャパン。
僕のお友達にも何人かは居られるのですが、発表前から正規販売店で予約し、首を長ーくして待ち、2013年内入港で年内納車の見通しを「国交省から型式認定下りず」のPJによる不手際で年明けに持ち越され。
やっと登録して納車直後や納車目前にしてリコール発動、クルマを差し押さえられてから既に
半年以上投げっ放しという方が日本国内に50人弱も存在するのですね。
この人達から見ると、自分等が正規店で一年以上前から予約していたGT3は欠陥エンジンで乗る事もままならず。
⇒リコール事件で世間がドン引きした後に並行で即納車を買った人達は自分らよりも先にリコール対策が成された「まっさらの新車」に乗れる、とゆー
「後の先」(相手より後に動いておいて機先を制す)とでも言うべき逆転現象が巻き起こっているですね。
何故か?
2013年度(4~3月)、独ポルシェAGは過去最高を更新する
162,000台超を売り上げたそうで、小型SUV「マカン」の生産が軌道に乗る今年度は更なる増産は必至と云う事で―。
「2020年までに
年間20万台をラインオフさせる」と鼻息も荒い状態だそうです。
日本国内での販売も「常に右肩上がり」で、ポルシェジャパンは2013年(1~12月)、4,869台を売上げました。
コレには「並行輸入車」はカウントされていないので、実際には5,000台を超える数のポルシェ車が日本にやって来たと考えて妥当でしょう。
つまり件の
GT3炎上リコールとはポルシェにとって。
世界で785台/162,000台。
国内に於いては50台強/約5,000台(並行含む)
ポルシェAGにとっては1/200以下、ポルシェジャパンに於いても1/100(正規)といった
「些細な事」なのであります。
『ローンチでチョット躓いたけどコケてはいないし~』
『むしろたかが2~3台の炎上ですべてのエンジンを交換ならウチの対応万全すぐるw』
くらいに思ってんでしょ?
大きな間違いですよ。
企業とは利益を追求し、それに付随して顧客や株主に様々な形の「利益」を提供して社会に貢献するモノです。
まあ建前もあるでしょう、しかしながら根っこはやはり「儲け」です。
利益が上がらなければ正義もへったくれも在りません。
車は現代社会に於いて「実用の長」でありますが、こと
スポーツカーにあっては「ファンな部分」=顧客に愛され支持される事も非常に大事で、それが会社の「利益」に直結して来るモノだ、と思うのですわ。
自動車メーカーはたいがい建前で「お客様に最高の満足とサービスを」みたいに、
お客様は神様です的な事を言いたがるモノです。
しかしながら現実は違います。
いわゆる
「高級外車」特に独逸御三家やポルシェに於いては、先ずブランドイメージたる「ポリシー」を前面に押し出して客に媚びるような妥協はしません。
ポリシーとは「世界をリードする安全性」であったり「最善か無か?」であったり「技術による先進」であったり「駆け抜ける悦び」であったりするのでしょう。
ポルシェで言えば「妥協無き性能の追求」みたいな
性能至上主義的な社是なのでしょうね。
『ウチのポリシーを理解出来る奴は乗りな』
と、自分の思うままに進み「それを支持する人々」に支えられて我が道を往く。
これがブランドのチカラと云う奴ですよ。
極論を言えば客の方なぞ見ちゃいない、俺は俺のやりたい様にやる!
それでも客(ファン)が着く。
某日本代表サッカー選手みたいですね、クールですよあえてね。w
プロ野球や大相撲が「ファンを大事に―」と連呼するのは、自らの足元の脆さを実感しているからなのです。
ドチラが良いとか悪いとかではありません、
環境が形態を作るのです。w
解り易いところで言えば街場のラーメン屋からカリスマと呼ばれる職人など。
技術と実績(結果)がおのずと人を惹きつけるのですね。
更に言えばココに
マーケティング能力が加わると一流ブランドに育つ要素が揃います。
たとえば「頑固職人」なんて言われて満足している奴は
頑固なだけだからしょせん職人止まりなのです。
甘えちゃイカンと、持っている技術を金に換える努力をして職人から「社長」になれ!と云う事ですよね。w
おそらく松下幸之助や本田総一郎、POP吉村などは、腕の良い職人でありながら長けたマーケティング能力、もしくは「マーケティングを担ってくるれる人材」を引き付ける人間的魅力を持ち合わせていた。
だからナショナルやホンダやヨシムラに成り得たと思うんですよね。
ではポルシェ。
パワー効率に劣る空冷エンジンでアンバランスなリヤドライブ車を造り、徹底的にネガを潰してトラクション性能という武器を磨き上げた狂気の職人集団。
永く自らを縛った
『911の守護者』という呪縛(伝説)をトヨタ方式で打ち破り、
マーケティングの勝利でプレミアムフルラインブランドの地位を確立しました。
解り易く言えば
伝説を金に変換したんですよ。
会社としてはこれ以上無い成功例だと言えます。
しかしながら「性能至上主義」で売っているブランドが、一番技術力を注ぎ込んだフラッグシップの、技術の要である「エンジン」に重大な欠陥を露呈してしまった、という事実。
これには万金の重みがあります。
ふりさけみればポルシェと言う会社はこれまでにも何度か自社の生み出した致命的な欠陥に対して
非常にエキセントリックなブッチ(切り)をかましてきた歴史があります。
その最大のモノは御存知
『第一世代水冷フラット6エンジン』のインターミディエイトシャフト問題。
問題のエンジン、911ではタイプ996デビューの前期から次モデルタイプ997前期までと、986系~987前期のボクスター及びケイマンに広く搭載され世に出た台数は数十万台・・・。
現象としてはクランクの動力を左右両バンクのカムシャフトに伝える為クランクシャフト下で同速で回転するインターミディエイトシャフトの支持部分が何らかの原因で壊れ、バルブタイミングが狂ってヘッドが壊れたり、シリンダーピストンまで破断してエンジン全体が修復不能なまでにブローするという・・・。
発生率3%、シャフト強度を上げる対策後も同現象が引き続き起こる「原因不明の恐怖の時限爆弾」です。
100台に3台、という発生件数は991GT3の785台に3台よりも高打率wです。
にも拘らず補償の義務が発生する「リコール」の届け出は最後まで出さずじまい、インタミシャフトの無い新水冷直噴エンジンに切り替わって3年以上した昨年、やっと『現象が出た場合メーカーにて対応する』旨の発表が成されました。
しかしながらコレも継続的にポルシェセンターでメンテナンスを受けていた場合等条件が厳しく指定され、しかも過去に遡っては適用されません。
つまり対象になるクルマが殆ど無い状態までバックレ決め込んで形だけ取り繕っただけなのです。
被害者がほとんど死んでから和解する「国の公害保障」みたいですな・・・。
素のボクスターやカレラ相手には
「くさいモノに蓋」でバックレつづけておきながら、GT3ではたとえ「半年放置」であっても回収実行に移るのだから、やはり
「GT3は別格扱い」とも言えます。
まあこの
或る意味「恵まれた」扱いも理由は在るのですが。
⇒インタミ欠陥の旧汎用水冷フラット6エンジン搭載車に対してNewGT3は―。
①圧倒的に製造台数が少ない(インタミ搭載車は数十万台w)
②利ザヤが大きい(素のボクスターとGT3の製造コストの差は250万とか・・・?)
③新車GT3ユーザーはリッチマンなのでその層が丸ごと「スーパーカーに流れる」のは惜しい
④「フラッグシップが欠陥車」というのはあまりにもイメージが悪い
⑤「火消し」しないとこの先のGT3RS等のスケジュールに深刻な影響が出る
私も997カレラスポーツシャシーに乗っていた時は、このインタミ問題がずっと頭のどこかに引っかかっていて、忘れたことは一度もありませんでした。
原因も解らず、メーカー対策も根本解決には至らず、ポルシェは事実を確認しながらも逃げ腰で壊れた場合は修理代折半だったり100%被ったり、しかも低速高速拘らず、どのタイミングでぶっ壊れるか全く予想が着かない恐怖感&1200万という高い金払っといて「欠陥エンジン車」をあてがわれたやさぐれ感と・・・。
この辺のユーザーの声を汲まずに体裁だけ繕うポルシェAGはどう庇っても「誠実」とは言えません。
ココが先に述べた「ブランド」の力なのでしょう。
 ̄□ ̄<特に金持ちはそれなりに面倒見るけどよ、一般客はイヤなら他所のクルマ乗ってろよ、ウチのより良いクルマが買えるモンならなー。w(By Porsche A.G)
って言ってるんですよ。
それでも乗っちゃうのがポルシェなのでしょう。
営業は苦労してる人、AG目線で客を見下してる人、ドロンしちゃって売りっぱなしの人、色々居られるでしょう。
日本全国の各PCはポルシェジャパン(PJ)の言いなり。
そのPJはPorscheA.Gの子会社で下知は降りてもても上申は通りません。(爆)
僕はこの構図を
「カレラ購入記」でイヤという程思い知らされました。
そう云う会社なんです、フジテレビじゃないけど「嫌なら乗るな」上等なんですよ。
コレはもうこの会社の
構造上しょうがない。
なので僕らは「ポルシェ」にたいして距離感を持って接しなければなりません。
僕は中古オーナーで「オイル交換とメンテだけでも入庫させて貰えれば御の字」だったりします。
この「驕る平家」に国産ディーラーやレクサスの様な
おもてなしを期待すること自体無理なのです。(ザックスさんごめんなさいw)
極東の島国の「ポルシェジャパン」という何の力も無いいいなり子会社に本社AGを動かす事は出来ない。
こうする為に
ミツワを切ってPJを立ち上げたと言っても過言ではないでしょう。・・・
前社長の黒坂氏も、クライスラーから流れて来た七五三木(しめき)氏も、無能なお飾りに過ぎません。
そういう会社なんです。
国内正規販売された44台の991GT3.
たかが44台ですよ、
一日3件づつ「お詫び行脚」したって半月でお終いです。
『PJ社長がわざわざ頭下げに来た』
とすればGT3をポンと買う御方達です、礼を以て迎えこそすれ罵声を浴びせたりする筈が無いと思いますよ。
そういう「個と個の勝負」というか顧客と向かい合う勇気を持たぬ人間が社長などとのたまってはいけない。
だから
みんなクソなんです。
この問題を記事にしないポルシェ専門系クルマ雑誌も、話題にも上げずに新車を試乗サセて貰って提灯記事をタレ流している親ポルシェ系ジャーナリスト共も
皆等しくクソです。w
そんなモンです世間なんて。
それでも乗りたい人は・・・僕も含めてそんなクソの部分もひっくるめて乗らなければならない、と云う事でしょうね。
支離滅裂の長文になってしまいましたが、貴方がその車に乗るのも降りるのも、
お気に召すままという事ですか…?  ̄~ ̄