
その登場以来―。
「キングオブロード」として絶対的な地位と名声を確立していたポルシェターボ(911ターボ)の牙城を揺るがし・・。
てか
ブッ壊し。
コーナーに追い込んでラッシュを掛け。
「モデルチェンジ」のゴングが鳴るまでTKO寸前に追い込んだ日産GT-R。(R35)
実は前身の「スカイラインGT-R」時代から、ポルシェとは
浅からぬ因縁がございます。
日本国内においてネームバリューとファンの多さ、その中の「パラノイア」の数と偏屈ぶりではポルシェのそれに引けを取らないのが「スカイライン」と云うクルマなのですが。
私たちが思っている以上に
海外では知られていない存在でありました。
スライラインの歴史は古く、名前を冠した最初のモデルが登場するのは1957年(ALSI-Ⅰ)
立川飛行機の流れを汲み、後の「プリンス自動車」となる富士精密工業からリリースされました―。
が「初代」はアメ車を模範とし、ゴージャスな高級サルーンであって。
スポーツセダンとして頭角を現すのは2代目から。
後にカリスマとして崇拝の対象となる「スカイラインの父」
櫻井眞一郎氏が指揮を執り。
「日本グランプリに勝つ」為にスカイラインのボディを切断→E/Gルームを拡大。
ソコにグロリアスーパーシックス用G7型2リッター直6にウェーバー3連装を詰め込んだS54(B)からです。
コレが第二回日本グランプリで、式場壮吉の操る
ポルシェカレラGTS(Type904)の前を一周だけ走った事で当時の日本人ファンは大熱狂!
「スカG伝説」の幕開けとなりました。(ネタだったらしいですが)
ココが
プリンス(日産)、GT-Rのvsポルシェ遺恨数え歌wの始まりなのですね。
その後スカGはプリンス自工ごと日産に吸収され、三代目に初めてとなる
「GT-R」を設定。
最大の特徴は、第3回日本グランプリで
「ポルシェ906カレラ6」を打ち負かす為に作られた純レーシングマシン
R380のGR8型2リッターDOHC4バルブ直列6気筒を市販用に仕様変更した名器「S20型」を搭載した事でありまして―。
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(C)サンデ
事実このR380は、第3回日本グランプリでポルシェ906カレラ6を相手に、燃料クイックチャージや相手のトラブルに因って、圧倒的な勝利を収めます。
このレーシングスペックエンジンを搭載した「R」は、クーペモデルになったKPGC10が国内レース49連勝の金字塔を打ちたて
「伝説」を「神話」に昇華させる事になります。
(副次的に50連勝を止めたマツダ・サバンナRX3の「ロータリーエンジン伝説」を補完することにもなりました)
以降スカイラインはトヨタ・クラウンと共に
「ドメスティックカーの雄」として国内自動車産業を長く牽引し―。
迎えたバブル真っ盛りの1989年、新世代のGT-R(BNR32)が誕生します。
伝統の直列6気筒は2.6Lのキャパシティに2基のターボが装着され、当時の国産車としては驚異的な280psを軽々クリア。
GT-Rの伝統として
「レーススペックの専用開発エンジン」とレギュレーションを逆手に取った排気量戦略、新世代技術であるアテーサE-TS(トルクスプリット4WD)やスーパーハイキャス(位相反転制御付リアアクティブステア)を武器に。
当時主戦場としたGr.Aレースに於いて、先代R31GTS-Rがライバルとしていた「フォード・シエラ」を完全に駆逐。
Gr.Aを事実上「GT-Rのワンメイク」状態にしてしまうとゆー圧倒的な強さを見せつけ、スカGの「R神話」第二章を打ち立てる訳ですが・・・。
このR32型GT-Rを支えていたのがかの有名な
「日産901活動」で、90年代初頭に世界ナンバーワンのハンドリング性能を実現するぞ!
という壮大な企画でございます。
コレにより生み出された技術はHI-CAS、アテーサE-TS、前後マルチリンクサス等多岐に亘り。
特にトルクスプリット4WD+ハイパワーターボのGT-Rの性能指標として指名されたのが
ポルシェ959と云うのは公然の秘密となっていますね。
当時ニッサンの901部隊・・否「日産自動車開発部」は心底ポルシェに心酔していたんでしょうね。
スポーツカー開発に関する技術力はもとより、クルマ作りの姿勢、その哲学、レースでの実績と。
目標を通り越して憧れの対象だったのかも知れません。
歴代スカイラインのロゴでも、901活動中のR31とその集大成としてGT-Rが復活した時のR32のロゴは、とてもポルシェに似ています。w
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(C)サンデ
日産にいた頃から
「R32のロゴ、ポルシェに似せてるなぁ~」と思ってました。
また、R33型GT-Rがデビューした時
「最新のGT-Rが最良のGT-R」というキャッチコピーも『マジかよ?w』笑っていましたね。w
まあたぶん、日産のエンジニアはR380以来のポルシェへの憧憬を胸に。
「ニッポンのポルシェになるぞ!」みたいな気概を持っていたのでしょう。
国内に敵は居ない、
このクルマで欧州に乗り込み、ポルシェに挑むぞ!
と。^ー^
それはN1規定のニュル24h等で一応の結果は残します。
日産のこうした技術で量産に成功した新世代GT-Rは、世界にも活躍の舞台を広げまして。
コア技術とエンジンを磨き続けながら3代に渡り進化を続け、欧州でもイギリスを中心にコアなファンを獲得。
「ジャパニーズゴジラ」として世界の知る所となります。
しかし2.6Lのキャパシティでは出力、トルク共に限界も見え、更に直6ツインターボのフロントヘビーから次第に時代に追い越される様になり。
2007年。
とうとう「スカイライン」の冠が取れ、V6ツインターボ+トランクアクスルAWD+ツインクラッチを装備する「第三世代GT-R」として
『NISSAN GT-R』が世界に向けて発表されます。
公称480psのエンジンは後に540psオーバーまで引き上げられ・・・。
スペシャルモデルでは600ps(Ver.NISMO)までパワーアップ。
デヴューしたその足で聖地ニュルブルクリンクに殴り込み、当時の市販車最速タイムをあっさり更新すると・・。
返す刀で市販車の王座に君臨していた911turbo(Type997-Ⅰ)を各種雑誌、動画対決テストで公開処刑。w
ファーストヒットでポルシェAGにカウント9のダウンを与えて大いに動揺させます。
AGにしてみれば、古くはカレラ6がR380の負けた事など技術後進国である東洋の島国でプライベーターが起こした不始末、程度の出来事。
首脳陣の耳にも入っていなかったでしょう。
R380-Ⅱが打ち立てた7つの国際記録もレーシングマシンの「欧州での活動無し」で黙殺して来られました。
959の技術をトレースして来た第二世代GT-Rに関しても、
所詮は自分トコのコピー技術だけにオリジナルの自信と、直接対決の機会無しで脅威を感じるモノではなかったと思います。
が。
ココに来て初めてプリンス、日産と引き継がれてきたGT-Rと、ポルシェの運命の輪が重なります。
それはポルシェに憧れ、恋焦がれて追い掛け続けて来た「開発/関係者の情念」が、初めて当のポルシェAGに認識された瞬間でした。
それまで一部不恰好で極端な乗用車を作る量産車メーカーで、ルノーに買収され子会社。
欧州で売ってるのは「マイクラ(マーチ)」くらい。
そんなポルシェとはリンクしようもない様なブランドからポッと出たクルマが、911ターボはもとより欧州の名だたるスポーツカー専業メーカーのトップモデルを狩って往く様は、当事者にとって「悪夢」でしかなかったでしょう。
突然現れた蛮族の侵略者に、AGはターボS、GT2と防衛線を張るものの悉く突破され。
限定生産の「997GT2RS」という飛び道具で決着をウヤムヤにし、その間にType991型を開発、
GT-Rショックに対します。
果たして
991ターボSで何とか喧嘩出来るまでになり、
580psの991-Ⅱ型ターボSで敵の侵攻を喰い止めた訳ですが・・・。
ドッコイ
GT-Rが「17年型」でなにやら大幅なアップデートを測ってきた様子?
最高出力は565馬力!!
シュツットガルドは内心気が気ではないでしょうね。
事ココに及び、ポルシェAGもGT-R、ひいては日産という会社を色々と調べたでしょう。
「何故経営不振でルノーに買収される(笑)ような大衆車メーカーごときが、イキナリ我が社のトップモデルを凌駕する様な車を造れるのか!?」
思ったんじゃないかな?w
『なんだよ、30年前ウチの959パクってんじゃねーか!?ウチも何か参考になるモンねーのか?』
思ったでしょうねえ。ww
R32カタログペロリ・・・。。
『お!?逆位相リヤアクティブステアか・・やるなw』
『そういえばウチにもリヤステアの実験車、昔あったよな?独自技術だよなあ!?』
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(C)サンデ
R33カタログペロリ・・・。
『
リニアチャージコンセプト?低ブースト高圧縮ターボでNA感覚か・・
ライトサイジングにうってつけだねえ?』
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(C)サンデ
R31カタログペロリ・・・。
『GTオートスポーラー、可変エアダム!使えるねえw』
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(C)サンデ
きっと思ったさ!?www
温故知新は良いことですよ!( ^m^ )
・・・とまあ半分ネタですが。
かのPORSCHEがかつてのNISSANの技術を昇華し、その
高い技術と商売上手さ、説得力を以て再び脚光を浴びさせたのは、前述の櫻井氏のみならず。
R32主管伊藤修令氏、R33主管渡邉 衡三氏にも大変誇らしい事であると、感動の涙を禁じえないのであります。(嘘)
嗚呼スカイライン、V35以降はよう判らないんだけど、
その栄光と繁栄に幸あれ。(笑)
御精読有難うございました。
※あくまでネタなのでマジレス、力説はご容赦下さい。^□^