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2007年08月25日 イイね!

全日本ラリー選手権 第7戦・2

全日本ラリー選手権 第7戦・2朝5時30分に佐賀市内のホテルで起床。1時間ほどで用意を整えて「CUSCO Cup FMSC久留米-吉野ヶ里マウンテンラリー」の取材に向かいます。

前夜のうちに組み立てておいた自分なりのスケジュールに基づいて最初の撮影ポイントとなるスペシャルステージ(SS)へと移動。
現地に到着して間もなくポイントを競技車両が次々に通過、写真撮影を行っていきます。

空は一面の雲、昨日の猛暑は影をひそめて「これは仕事がやりやすい」と思っていたのですが、終盤ゼッケンの車両が通過するころに突然の雨。
それも生半可な雨ではなく、スコールのような土砂降りになってしまいました。

そこで撮影を切り上げて次のポイントに向かったのですが・・・。


既にテレビなどでも伝えられていますが、残念な事故が起こってしまったためにSSはキャンセル。
サービスパークに戻って情報収集、結果的に今大会はSS5以降が全てキャンセルとなりました。
ただし競技会自体は成立となり、全日本選手権のシリーズポイントは通常の80%の得点が順位に応じて付与されることになりました。


報道でも伝えられていますが、今回の事故は先に記した突然の天候の変化が大きな要因。
スリップしてコースオフを喫した車両があり、偶然にもその場にいた取材陣が巻き込まれて、ラリー車両と取材陣3人が崖から数メートル落下したという事故です。
この事故でラリー車両のクルーに怪我はありませんでしたが、巻き込まれた取材陣に大きな被害が生じました。

今回の件については、まず怪我を負った取材陣の方々の一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。

その上であえて個人的な意見を記せば、今回の事故については全くの不運としか言いようがなく、誰かに一方的な責任があるとは思えない感じです。

確かにドライビングミスは事故原因のひとつですが、モータースポーツはスポーツ、すなわち競技。選手は例え難しい気象条件下においても最大限"速く走る"ことに全力を注いでいます。
その結果として人間がやっていることですから、何らかのミスもあり得るわけで、これを責めるのは筋違いであろうと思います。

次に主催者についてですが、安全対策は徹底していたと思います。それは事故が起きる前から色々と見ている中で思っていた印象。
オフィシャルやレスキュー体制の配置もしっかりしていましたし、競技開始前に行われた報道関係者を集めてのブリーフィングでも細かい部分までしっかりとした説明が行われていました。
また事故発生後の対応についても、迅速かつ的確なものだったと思います。

そして被害にあわれた取材陣。
今回の現場は純粋に速さを競うスペシャルステージ(SS)内での出来事でした。林道を封鎖して一方通行で1台ずつがタイムアタックをしていたのですが、このエリアは競技を運営しているオフィシャルと主催者に認められた取材陣以外は厳密に立ち入りが禁じられています。
取材陣はモータースポーツの危険性を充分に認識した上で、自己責任の原則に基づいて主催者の許可を得て取材活動を行っています。
ゆえに撮影などを行うポイントも自分自身が決めるのですが、オフィシャルから特段の指示がない限りは取材者が自由に決めることが出来ます。
場所選定にあたっては背景の美しさや、写真・動画の写り映えなどを考慮しますが、当然そこに安全性の確保という要素も求められています。
こうして決めた位置で事故にあったのであれば、これはあくまでも自己責任の範疇であろうと私は考えています。逆に、もし場所を決めるにあたって安全性に対する不安を感じていたとしたら、取材側には大きな責任があると言えるでしょう。場所の選定についてはどの大会でも事前に主催者から「退避スペースの確保」などを守るようにという指示は出されています。


私はサーキットレースの取材経験に比べてラリーの取材経験はまだまだ浅く大きなことを言える立場ではありませんが、サーキットと比べると圧倒的に走行している競技車両との距離が近いことに最初の頃は驚いたというのが正直なところ。
そのため、サーキットでの取材にも増して、"取材中の安全性"ということを考える機会が増えています。

一般のニュースではモータースポーツにおける事故はセンセーショナルに伝えられがち。
しかしこのように安全性については主催者、参加者、取材者それぞれの立場で充分に考慮された上で開催された大会において起きた、とても不幸な事故というのが今回の一件であると思います。

モータースポーツは自動車という道具を使っているので、危険性や事故が発生したときの被害は、他のスポーツよりも大きいことは紛れもない事実。
しかし観客の皆さんの安全性については充分に確保されています。今回は残念ながらキャンセルされてしまいましたが、ギャラリーステージと言われるラリーの一般観客エリアは相当のアクシデントが発生しても観客に被害が及ばないように徹底した配慮がなされた上で開催されています。

ただし、これはラリーでもサーキットでもそうですが、やはりモータースポーツにおいて危険性は完全には排除できるものではありません。
ですから観客の皆さんも立入禁止とされている場所には絶対に入らない、オフィシャルや警備員などの指示には従う、服装などにも気をつけて動きやすい格好で観戦する、などの心構えと準備は必要です。


今回の件は教訓としてモータースポーツに携わる全ての人が安全性について再考することが必要でしょう。
その上で「危険性」だけがクローズアップされてモータースポーツに対しての誤解が蔓延しないことを望んでいます。


最後にもう一度記しますが、今回被害にあわれた方々の一日も早いご回復を心よりお祈り申し上げます。


※掲載した写真と今回の事故は一切関係ありません。
Posted at 2007/08/25 22:41:46 | コメント(3) | トラックバック(0) | 取材・業務雑記 | 日記

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