クルマはコストで作られる：ボディアース編

クルマには多くの電気機器が使われています。

電気は、図のように、回路として閉じている時に働きます。

電流の流れで考えれば、電源の＋（プラス）から電気が流れ負荷（電気機器）を通って、電源の－(マイナス）に戻ることで仕事をするので、電線の2本の電線が必要となります。

回路図を書くとき、アース（0Vの部分）につなぐことを約束として記号で表し、アース線の回路の表記を省略しています。
アース線を省略することで、線の表記が減り、見やすい回路図となっています。
クルマでは、この回路図と同じことが実際に行われています。
クルマのボディが鉄（導電体）でできていることを活かし、アースとして利用しています。

ボディをアースとして利用することで、＋（プラス）側の配線を用意するだけで済むことになります。
（実際には、アースポイントまでごく短い－（マイナス）側の電線が必要ですが・・・）


多くの電気機器に１個に対して2本の電線が必要なところが１本で済むのですから、費用の面でも、重量的にもかなり軽くなるはずです。



鉄の電気抵抗率は、銅の約６倍、アルミニウムの約４倍あります。
しかし、電気が流れる部分の断面積と距離を考えると問題にするほどではないでしょう。
こうなると、アーシングが意味のあるものなのかどうか気になってしまいます。