
長らくお待たせしました。やっとアップします(汗)
今回名阪の参戦は忙しいスケジュールをどうこなすか?
ここから始まっていました。
何と参戦前の週に海外出張で1週間不在。
第二戦名阪が終わった後のGWは次戦第三戦菅生に向け練習。
前後にメンテする暇が無い体制で一番心配なのがLSD。
車重が重くリヤの出ないDC5を引っ張る事から、とにかく負担がかかり、イニシャルのヘタリも早めであり、コンディションを保つのには2戦に1回のO/Hが必要だが、仕事の状況も含めてそんな余裕は無い。
そこで思いついたのが、とにかくイニシャルを上げてしまい、第三戦にベストマッチな所までもってゆくという物。善は急げとミッションを降ろした4/18だが、ここで地獄のイニシャル調整を実施。ベストな状態は30キロ前後なので40キロに合わせるつもりが、どうやっても調整困難。この強靭トルク、LSDを固定して1m50cmのパイプを廻す様な超ハードなパワー作業。工具を壊しながら、何とかセットアップし、ミッションを積む頃には右手が腱鞘炎の様だった。
翌日には軽く練習走行するが、やはり強アンダー状態でハンドルも重い。ウエット勝負は諦めて、ドライ勝負に掛ける事を覚悟し、その後クルマは航送へ出す。
過ぎる事1週間、久々の全開運転が雨の名阪での公開練習走行。様子を見ながら走行するも、やはり予想通りコントロールが難しく、コース内に居るのがやっと。淡々と走行消化し、明日の天候を期待して会場を後にする。
迎える本番当日、会場に置いていたテントは強風で破壊していた。何とか修理するのもつかの間、すぐにコースオープンで慣熟歩行。突然の低気圧で異様に寒かったので、東北人の私でもレーシングスーツの上にツナギを着て寒さ対策とした。
1本目走行が始まるが、N1クラスはコースアウトの嵐。SA1も乱れている様相だが、寒い路面でもリヤが安定しているDC5インテは逆にチャンスかな?と思い、結構気楽にスタートラインへ並んだ。しかし、ここで雨がポツポツと振り出して来るが特に気にしなかった。前日練習はWETなのでドライ感覚は全く無い為、実力の範囲で走るしかない。
いよいよゼッケン41番スタート!低温の割に好調なグリップだが、1コーナー目の侵入で軽くアンダーが出たものの、トラクションが掛るとグイグイ引っ張る。その後もコブシ1個の範囲でアンダーを感じながら、ラインを逃がして合わせてゆく。そしてバックストレートを快調にアクセル全開し、2速シフトダウンだけでギャラリーコーナーへ突っ込む。ここで強アンダーが出たが、もう踏むしかない。その後は比較的落ち着いて名阪名物のS字縁石をゼブラノリノリで通過。最終ゴール前パイロン立ち上がりは強アンダーが出てしまい悔しいゴールをするが、一応その場のベストタイムを2秒更新。万事を尽くして天命を待つ。
その後、地元マイスターで元SA1チャンプのN島が走行、中間ベストを更新されるが、後半伸びずに百分台差でかわす。そして前日公開練習ベストタイムのA山が走行、中間タイムは同等だがこれまたタイムが出ない。この2名に負けなかった事はタイヤウォーズ的にもかなりの意義がある。
走行ゼッケン50番位からだったろうか?何と雨が強く振り出してきた。「ウソだろ?」と自分つぶやきながら、その後路面は真っ黒なウェットとなり、当然タイムは更新されない状況。結局、1本目ベストのまま残ってしまった。
夢にも描いた強運の勝利がいざ自分に回ってきたが、かなり複雑な心境。その後は風雨止まず、時折日は射したり雨が止んだりするが、2本目はドライにはならなかった。全日本初勝利がこんな形でやってくるとは。
その後、数々のドライバーより賞賛の握手を求められるが「運も実力」と笑うのが精一杯。そして迎える表彰式、差し支えの無いコメントを考えて真ん中のてっぺんに立ち、そしてマイクを持って勝利コメントを話し始めたのだが・・・。
最初の一言は落ち着いて話せた。次のコメントを話そうとした瞬間、胸の奥から異常に込み上げる物が・・・頭の中で苦労した数々の日々がコークスクリューを描く様に・・・半分トランス状態かと思う位、言葉を話せなくなった。そして涙が溢れて止まらない・・・。ロレツも回らず「俺ってカッコ悪い」と考えながらも、どうにもならなかった。また、今大会では昔一緒に走行した仲間が亡くなったのを会場で聞いた事もあり、その事を思い出したらまた・・・この話題は話せなかったが。
言葉にするとまだ長くなるので、何はともあれ勝てて良かった。
今回は応援してくれた皆さんに恩返し出来て良かった。
次戦は表彰台上で笑ってハッピーになる勝利を目指そう!!