電気自動車用バッテリー事業、各社とも苦戦
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/06/03/2012060300118.html
サムスンSDI・ボッシュによる合弁会社「SBリモティブ」、昨年損失1755億ウォン
世界トップのLG化学も同部門で赤字
電気自動車市場の活性化が遅延…業界「2017年には黒字転換も」
サムスンSDIとドイツのボッシュが50%ずつ共同出資して設立した電気自動車用バッテリーメーカー「SBリモティブ」は昨年、売り上げ306億ウォン(約21億円)に対し、営業損失1755億ウォン(約123億円)を計上した。損失規模は売り上げの5倍を超え、売上原価は売り上げの2倍近い581億ウォン(約41億円)にも上った。電気自動車市場が急成長することを見込み、膨大な投資に出たものの、電気自動車時代は依然として遠く、バッテリーメーカーは苦戦を強いられている。
■はるか遠い電気自動車時代…バッテリーメーカーは苦戦
2008年に設立されたSBリモティブは、10年11月に蔚山工場を完工し、量産を開始した。売り上げは昨年から発生しているが、会社自体はまだ軌道に乗っていない。市場が活性化していない上、研究開発コストだけで1175億ウォン(約83億円)が投じられ、赤字規模は急速に膨らんでいる。
業界関係者は「自動車用のバッテリーを生産する場合、初期提案段階のAサンプルから量産水準であるDサンプルまでを試験的に生産するが、この過程で膨大なコストが掛かる。量産モデルを確保できない状態では、いくらサンプルを作ったところで実績には計上されない」と話す。SBリモティブの関係者も「クライスラーなどにバッテリーを一部供給しているが、量産にはほど遠い水準」と表情を曇らせた。
同分野で世界1位のLG化学も、事情は変わらない。LG化学は10年6月に電気自動車用バッテリーの量産に乗り出した。規模も大きく、米国ゼネラルモーターズ(GM)が手掛ける電気自動車「シボレー・ボルト」(年間生産10万台)に合わせた生産力を備えている。しかし、利益を上げにくい状況で、先月にはGMが在庫を減らすことを目的に電気自動車の生産を一時停止した。
LG化学は、昨年7-9月期から電気自動車用バッテリー事業が黒字転換したと発表しているが、業界では半信半疑の雰囲気だ。同社は、電気自動車用のバッテリー事業で計上した実績を個別に発表せず、ディスプレー用素材や携帯電話、ノートブック用の小型電池などの実績とひとまとめにして発表している。大信証券のパク・ソネ研究員は「昨年LG化学の電気自動車用バッテリー部門の実績は、全体的に赤字だった可能性が高い」と推測している。また、今年7月に分社すると思われていたバッテリー部門について、会社側が「具体的な計画はない」と述べるにとどめたのも、低調な実績を隠すためと業界はみている。
■17年には黒字転換も
SKイノベーションも、石油開発やLCD(液晶表示装置)用の光学フィルムの生産などと共に電気自動車用バッテリー事業も進めている。しかし同社は昨年、石油開発以外の事業による売り上げが1700億ウォン(約120億円)、営業損失が1753億ウォン(約123億円)だった。業界では、自動車用バッテリー部門が赤字を計上したものとにらんでいる。業界の関係者は「電気自動車用バッテリー部門での実績が思わしくないため、他の事業の実績と合わせて発表するケースが多い」と話す。
しかし、現在の実績に落胆するのはまだ早いといった声もある。バッテリーメーカーのほとんどが17年には損益分岐点に到達する見通しで、それまでいかに損失を減らし、技術力を蓄積するかに掛かっているとの見方だ。未来アセット証券のイ・ハクム研究員は「SBリモティブは今年末からBMWにバッテリーを大量供給する予定だ」とした上で「今後も原油高が続けば、電気自動車はあっという間にヒット商品に浮上するだろう」と前向きな見方を示した。
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毎度お得意の先行過剰投資ですかぁ。おまけに爆発とか発火とかで信頼性失わせて電気自動車市場の拡大を遠退かせてしまってるってのは自業自得でしょ。
んで投資ってのは需要予測にちょっと足りないくらいが一番効率的だよね。なんでそんな風に動かないのかな。デカイ花火の方が資金集めし易いのかも知れないけどさ。
なにはともあれ今回は完全に予測を読み誤った過剰投資だよね。電池工場の費用の1/3くらいを充電インフラ投資に回しておけば良かったのにさ。
新規分野ってのは卵(素材/商材)と鶏(市場)の関係だから卵と鶏のどっちにも一気に投資して死の谷を越えないと早急な市場の拡大なんて有り得ないのさ。だから日産が充電器を設置しまくってるでしょ。
って、韓国勢が攻める欧州/アメリカではまだ規格が無かったから充電器設置の投資なんて出来る訳も無いかぁ。(笑)
6/6追記
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派手に出発したけれど…EVバッテリー業界の成長足踏み
http://www.usfl.com/Daily/News/12/06/0605_009.asp?id=96289
http://www.nandemo-america.com/mobile/?p=24565
連邦政府は、電気自動車(EV)の普及を目的に次世代電池のメーカーに多額の経済支援を行ってきたが、大した成果は見られず、生産や雇用は目標を大幅に下回る状況が続いている。
■雇用は目標の1/3以下
ウォールストリート・ジャーナルによると、オバマ政権は2009年、6年後の15年にEVやプラグイン・ハイブリッド(PHV)を100万台生産する目標を掲げ、EV用の電池メーカーへの援助を始めてこれまで9社に10億ドル以上を提供した。しかし3年が経過した今も、省エネ車の生産台数は5万台に過ぎず、資援を受けたメーカーは消費者が少ないため稼働率が低く、雇用も最終目標の3分の1以下にとどまっている。10年の工場開所式には大統領も臨席したA123システムズ(マサチューセッツ州)は現在、損失食い止めや経営安定化のための新たな資金繰りに奔走中。政府の援助でミシガン州に電池工場を建設したジョンソン・コントロールズは、大手取引先が倒産したため、工場はほとんど休眠状態。韓国系のLGケムも、ゼネラル・モーターズ(GM)向けバッテリー工場(従業員200人)をミシガンに建設したが、生産はまだ始まっていない。
■非現実的な計画
大きな問題は、政府は電池メーカーの積極的な期日目標に合わせて資金を供給し、生産や雇用の目標達成を義務づけたが、こうした計画が市場の需要と連動していなかった点にある。このため、エナーワン(ニューヨーク州)は今年に入って破産法に基づく会社更生手続きの適用を申請、その後経営再建しインディアナ州の工場は操業しているが、雇用は09年に予定した1700人を大幅に下回る250人にとどまっている。A123では支援を受ける条件として1年間に総電力量年間500メガワット時(日産「リーフ」2万1000台分に相当)のリチウムイオン電池を生産できる工場を12年11月までに建設するよう義務付けられたが、リーフの米販売台数は10年末時点で約1万2000台だった。EV業界を専門とするパイク・リサーチのアナリストは「目標は楽観的すぎた。実現は不可能」とみている。
しかし、いずれはEV市場も拡大すると予想され、国際競合に備えるためにも産業の育成は必要だ。エネルギー省は「結果を判断するのは次期尚早。今は米電池業界の基盤を構築している段階で、米国の道路でEVが一般的な光景になった時に努力が実を結ぶ」(デイビッド・サンダロウ次官代理)との立場だ。
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そんな短期に拡大する訳ないじゃん。楽観的過ぎだよね。
Posted at 2012/06/03 22:12:09 | |
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電気自動車 | 日記