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3日間300kmにわたって代車としてお借りしたこのクルマ。ていうかまずこんな儲からない客のために大切な試乗車を貸していただき、ホントにありがとうございます。

なんだかんだ文句をタレましたが、いずれも難癖レベルのものでして、クルマそのものの魅力を損なうものでは一切ありません。機械的な部分での完成度は文句なく高く、誰にオススメしても決して後悔しない非常にバランスのいいクルマだと思います。

で、じゃあ、自分が買うかと言われると、うーん、迷いますね。

我が家の事情的に、できればこのサイズのコンパクトカーが一台欲しく、実際つい先日までは初代のシトロエン・C3とか、二代目のフィアット・パンダとかに乗っておりました。

C3は1.4Lで75馬力というスーパー非力なエンジンに、とてつもなくアホな4ATという組み合わせで、つまり動力性能的には全くのおたんこなすなのであります。また、質感という点でももはやそれを高く見せることを放棄したような材質なのであります。

ですが、それを補って余りある明るくて広い室内や、大径タイヤがもたらす大様な乗り心地。何より一目でそれとわかる可愛さといった分かりやすい特徴がありました。あと、踏めばそれなりに速く感じて、コーナーリングも重心が高いなりにリニアというのも意外ないいトコロ。

また、パンダは100HPというグレードだったので、小排気量エンジンに6MTという、いかにもソレ系の人が好きそうなスペックなのですが、決して速いわけではなく、また、質感という点ではC3とどっちこっち言わないこれまたおたんこなすっぷりなのです。

ですが、それを補って余りある走らせる楽しさと、ポロやC3と比べても一回り小さいサイズの中に同等の積載量をきっちり確保して、なおかつ小回りがきいて意外なことに燃費も信頼性もソコソコというのも意外ないいトコロ。

ポロ単体で見れば決して個性がないわけでもなければ、ましてや出来が悪いなどということはあり得ない素晴らしいクルマなのですが、自分がクルマに対して愛着を感じるポイント、つまり「過剰さ」や「足りなさ」というものが、残念ながら自分は感じることができませんでした。まあ、動力性能ところでも書いた「良くも悪くも印象に残らない」という点が、自分的にはやっぱり不満なのでしょう。

などという感想もつまり難癖や屁理屈や重箱の隅レベルのものでして、つまりそのくらいのコトを言わないとケナせないレベルのコンパクトカーでございます。買って絶対に損はありません。
　

せっかく借りたのでポロでお散歩しております。



オドが380kmとかいうドドドドド新車なので大事に大事に乗っておりますが、とか言いながら雪の中もちょっと近所まで出ちゃったりしたのですが、いい意味で新車を感じさせない部品の精度の高さはやっぱり最近のクルマってすごいなあなどと思ってしまうポイントです。こんなんナラシいらないじゃん。

まあでもナラシいらないってことは新車がピークであとは衰えてくだけってことでもあるわけで、昔のおじいちゃんみたいに「ベンツは10万km走ってやっとナラシが終わるんじゃよ」とか言えないのは若干悲しい感じもします。まあ、そんな風評がまかり通るよりは10万倍マシなのですが。

そんなのは抜きにしても、やっぱりフォルクスワーゲンのベーシックカーだけあってとても真面目に作られてます。明日返却予定なので、もうちょっと楽しもうそうしよう。

で、先日の地鎮祭から二週間。来るたびに奥様が「ちっさ！」とか言うので、それに対抗して間髪入れずに「でかっ！」っと言うようにしています。言霊は大切です。あと、大きいことはいいことです。

ものすごーく恐縮されながらこんな見積もりを頂戴したのですが、買って1ヶ月で車両本体価格を超える修理代を払わされる可能性に武者震いが止まりません。

などと書きましたが、よく考えたら車検通してドラシャのブーツ替えてタイヤ替えてナビ替えてブレーキローターとパッド替えて汁物一式交換した時点でとっくに車両本体価格を上回っておりました。これこそまさにポンコツ輸入車の醍醐味であります。

①ドラシャ
→ステアリング切った時にガコガコ言わないからたぶん違う

②ハブベアリング
→ステアリングに変なガタがないからたぶん違う

③エンジンブロー
→油圧水温回転すべて普通だしエンジンチェックランプも点かないからたぶん違う

④ミッションブロー
→ミッションオイル臭いし可能性としてはあるけどその割に変速が普通だしよくわからん

⑤メカトロ故障
→なったことないからわかんないけど直したこともないからわからん

⑥その他
→今朝下にもぐってアンダーカバーくらい外してみようと思ってたけど、雨が降ってたからやめたのでわからん

⑦反省等
→ナチの残党とか言ってごめんなさい

アシとして初代のシトロエンC3の1.4の一番安いヤツに乗ってたのですが、とりあえずゴルフさんという便利なクルマが来ちゃったので一旦さようならすることになりました。

これで我が家からは自由と平等と友愛の灯りが消え、後に残るのは全体主義と圧政とファシズムの第三帝国製で、なおかつナチのシンパで戦犯という人類の敵の一族によって設計された、C3に比べるとクルマとも戦車ともつかない訳の分からない乗り物と、あとはそんな第三帝国の尻馬に乗って戦争した国の田舎から出てきた、ピストンリングすらマトモに作れなかったオッサンの会社がネタで作った、ロードバイクにすら煽られる乗り物しかなくなってしまいました。悲しい。

これまでずっと心の安定を図るために連合国と枢軸国のクルマを一緒に持っていたのですが、枢軸はともかくとして連合国サイドとなるとイギリスは死んでてアメリカは購入するのに勇気が必要で、いきおい（あっという間に降伏した）フランス車になりがちでございます。

でもって、プジョーは206以降興味ないし、というか食わず嫌いは良くないということでいっぺん買ってみたらやっぱりガッカリだったので買うとなると306以前になってしまい、となるとアシで乗るには手間がかかりすぎるので選択肢にはあがらず、ルノーはいいと思うクルマがことごとく3ドアになってしまい、となるとアシで乗るには不便過ぎるので選択肢にはあがらず、というわけで上記2メーカーに比べると中古価格が不当に安く、さらに見て可愛く乗って楽しく、目を三角にして走る気はさらさら起きないけど頑張った時はプジョーより楽しいシトロエンがどうしても候補になってしまいます。

そんな中で初代C3は、オートマが死ぬほどバカなのと小回りがアルファ164くらいきかないという2点を除いて素晴らしいクルマでした。

ヘンなカタチだけど見晴らしはいいし、ギリギリ立体駐車場に入れるし、小回りきかないかわりに大径タイヤで乗り心地よく、死ぬほど古臭いシングルカムのエンジンだけど街中をグリグリ走ってくれて、ウインカーひとつ操作するだけでなんとなく楽しい気分になり、ていうか見れば見るほどまっとうにパッケージングされた「マトモな」コンパクトカーでございました。これが「あの」207と同じシャシーとは信じられません。

というわけで、さようならC3。また会う日まで。