メーカー/モデル名 | フォルクスワーゲン / ポロ TSI ハイライン_RHD(DSG_1.2) (2016年) |
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乗車人数 | 3人 |
使用目的 | レジャー |
乗車形式 | 試乗 |
おすすめ度 |
4
|
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満足している点 |
何も考えずに乗れるし、考えたら考えたなりにいいコトがあるというキャラクターのクルマです。まあ、乗って動かしてどうこうっていうのは上でイロイロ書いたので、ここでは割愛。 で、それらを超えて感心したこと。それは徹底的に街中での取り回しにこだわっているところです。 たとえば新鮮に感じたのが運転席からの視界。最近のクルマにしては珍しく、身長175cmのドライバーの視点からボンネットが見えるのです。また、サイドビューでゴルフと最も違うのが窓の数。ポロはいわゆる6ライトと言われる窓配置なのですが、そのいちばんうしろにある小窓がとても有効な位置についていて、つまり斜め後ろも見やすいのです。ここまでクルマの「四隅」を目で意識できるのは、最近のクルマでは例がないことだと思いますし、間違いなく狭い駐車場などではドライバーの心理的な負担を取り除いてくれます。 また、シフトスケジュールやステアリングの重さなども、基本的には街中を第一に考えられていて、普段の運転をストレスなく、負担なく、それでいて楽しもうと思えばスピードを出さなくても楽しめる奥の深さがあるクルマです。 もちろん、イヤミさはいっさいないものの上質なインテリアや、特に手やカラダに触れる部品の触感。さらに新しい装備のため特にインプレッションはしませんでしたが、ほぼノーストレスで使えるACC(オートクルーズコントロール)や純正ナビゲーション(クラリオン製)など、非常に気を使って作られていることが分かります。 すでに熟成されきったこの型のポロ。少なくとも買って損は一切ないクルマだと言えると思います。 |
不満な点 |
このように大変出来のいいクルマなだけに、ものすごく小さな部分が気になります。とはいえ、特に街乗りで気になる部分が多いので、機械としての街中スペシャルな部分を殺してしまい、とてももったいないなあ、と。 ・ハザードスイッチが小さい 小さいだけでなく、助手席エアバッグ解除ボタンやデフォッガーボタンなどと同じ形で一列に並んでいるため、押し間違えやすい作りになっています。安全に関わる部分でもあるので、これはあまり褒められません。 ・エアコンの操作ボタンが小さい これはハザードスイッチよりさらに小さい上、コンソールの最下部にあるためドライバーからは非常に操作しづらい作りになっています。吹き出し口の選択などはほぼオートエアコンに任せてしまえばいいのですが、内気循環への切り替えボタンなどはもうちょっとなんとかして欲しいところです。 ・ミラー調整スイッチの位置がジャマ ミラー調整スイッチは運転席側ドアトリムの最上部にあります。このスイッチ自体の操作はしやすいのですが、ヘッドライトスイッチのすぐ手前にあるため、ライトを操作しようと手を伸ばした時にミラー調整スイッチに手が当たることがあります。別にそれでミラーが動くこともないのですが、ちょっとしたストレスではあります。 ・バックカメラの位置が低すぎる 純正ナビについてくるバックカメラは、ナンバープレートのすぐ上に取り付けられています。ので、ナビ画面に表示される画像はかなりのローアングルとなります。何がいけないかというと、基本的に人間は自分が立った高さからモノを認識するため、たとえば腰の高さくらいのポールでも「下から見上げる」アングルだと、映っているのに気づかないことがありがちです。極力他のミラーとアングルを合わせてほしいという細かい注文です。 ・EPSの最後の一切りが不自然 車庫入れなどでロックトゥロックでステアリングを切ったとき、ロックまでの最後のひと切りで「グニュ」とゴムが潰れるような不自然な感触が伝わってきます。原因までは分かりかねますし、走行中のフィールには何ら不満がないので、だからどうということもないのですが、画竜点睛を欠く感じでちょっぴり残念です。 |
総評 |
3日間300kmにわたって代車としてお借りしたこのクルマ。ていうかまずこんな儲からない客のために大切な試乗車を貸していただき、ホントにありがとうございます。 なんだかんだ文句をタレましたが、いずれも難癖レベルのものでして、クルマそのものの魅力を損なうものでは一切ありません。機械的な部分での完成度は文句なく高く、誰にオススメしても決して後悔しない非常にバランスのいいクルマだと思います。 で、じゃあ、自分が買うかと言われると、うーん、迷いますね。 我が家の事情的に、できればこのサイズのコンパクトカーが一台欲しく、実際つい先日までは初代のシトロエン・C3とか、二代目のフィアット・パンダとかに乗っておりました。 C3は1.4Lで75馬力というスーパー非力なエンジンに、とてつもなくアホな4ATという組み合わせで、つまり動力性能的には全くのおたんこなすなのであります。また、質感という点でももはやそれを高く見せることを放棄したような材質なのであります。 ですが、それを補って余りある明るくて広い室内や、大径タイヤがもたらす大様な乗り心地。何より一目でそれとわかる可愛さといった分かりやすい特徴がありました。あと、踏めばそれなりに速く感じて、コーナーリングも重心が高いなりにリニアというのも意外ないいトコロ。 また、パンダは100HPというグレードだったので、小排気量エンジンに6MTという、いかにもソレ系の人が好きそうなスペックなのですが、決して速いわけではなく、また、質感という点ではC3とどっちこっち言わないこれまたおたんこなすっぷりなのです。 ですが、それを補って余りある走らせる楽しさと、ポロやC3と比べても一回り小さいサイズの中に同等の積載量をきっちり確保して、なおかつ小回りがきいて意外なことに燃費も信頼性もソコソコというのも意外ないいトコロ。 ポロ単体で見れば決して個性がないわけでもなければ、ましてや出来が悪いなどということはあり得ない素晴らしいクルマなのですが、自分がクルマに対して愛着を感じるポイント、つまり「過剰さ」や「足りなさ」というものが、残念ながら自分は感じることができませんでした。まあ、動力性能ところでも書いた「良くも悪くも印象に残らない」という点が、自分的にはやっぱり不満なのでしょう。 などという感想もつまり難癖や屁理屈や重箱の隅レベルのものでして、つまりそのくらいのコトを言わないとケナせないレベルのコンパクトカーでございます。買って絶対に損はありません。 |
走行性能 |
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1.2Lの直噴ターボエンジンですが、90馬力というカタログスペック以上でも以下でもありません。というか、良くも悪くも何の印象も残らない「フツーの」エンジンです。
もうちょっと詳しく書くと、ペカッとアクセルを踏んだ時、0〜60km/hまでは1.6Lクラス。60〜100km/hまでは1.2L。100km/h以上は1.4Lといったようなパワー特性です。ので、街中ではとても心強いものの、いざちょっと速く走ろうとすると意外と伸び代がない感じ。ちなみに最高速はメーターで180km/hほど、GPS計測で177km/hらしいです。 まあ、速く走りたい人はGTIなりなんなり買ってもらって、このTSIは街中でキッチリと上品に走るために作られたクルマということですね。 シャシー性能という点でも、良くも悪くも印象に残りません。極めて「フツー」に乗れてしまいます。 もちろん、高速道路での直進安定性は最高速に近い領域でも全く不安なく、「ドイツ車ならではの……」とか「アウトバーンで鍛えられた……」とかいうお決まりのセリフが脳裏をよぎります。 なぜ印象に残らないかというと、たとえば路地の交差点をしっとり曲がる時から高速のランプにけっこうな勢いで入った時まで、同じような操作で同じような挙動が現れるため、一般的に出会うシチュエーションではクルマを信頼する、というか、いい意味でクルマを操作していることを意識しないで済むようになっているのです。 この特性はけっこうなシビアコンディションの中でも変わりません。たまたまうっすら雪が積もるようなシチュエーションがあったため、ちょっぴりノーマルタイヤで近所を一周してみたのですが、VDCもABSも極めて適切なタイミングで上品に介入し、特にVDCは急激な機動をした時も、雪道で乱暴にアクセルを開けた時も、どちらもインジケーターを見なければ作動が分からない程です。 そのようなセッティングが危険か安全かというお話はさておき、やはりいい意味でクルマを操作していることを意識させないという点では、素晴らしいことだと思います。 上で繰り返し「いい意味で」という言葉を使っているのは、だからといってクルマを操作する楽しみがないわけでは決してない、ということです。 電動パワーステアリングは、クルマが動いている限りそのフィールに不自然さは一切なく、フロントタイヤからの情報をかなり解像度高く伝えてくれます。また、リアサスペンションもアライメント変化が少なく、1100kgちょっとという車重にしては非常に上質なグリップ感を、小ぶりですが座り心地のしっかりしたシートを通して伝えてくれます。 また、組み合わされるタイヤが215/45R16サイズのContiPremiumContact2という、いわゆる「エコタイヤ」ではない銘柄ということも、路面からのインフォメーションを正確にドライバーに伝えるという点で、全体の印象をプラス方向に振っていると思います。 |
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乗り心地 |
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お借りしたのはオドメーターが400kmに達していないド新車だったのですが、ダンパーやブッシュなどの摺動系パーツからエンジン、ミッションなどの回転系パーツまで、一切渋さは感じられず、設計者の思惑通りの性能が出ている印象でした。ドイツ車は長距離のナラシが必要なんていうのは、もう遠い昔の話なのですね。
ともあれ、全体的には非常にフラットな乗り心地です。もちろんヨーロッパ車らしく細かいギャップなどはキチンと拾いますし、特にうねりなどの大きく長い周波数の入力があったとき、若干のフロア剛性の前後アンバランスがあるからか、リアタイヤからの情報が途切れる瞬間がありますが、カタマリの中で精密な歯車がしっかり回っているようなフィーリングもあって、乗り心地は非常に良く感じます。 上で書いたように、新車同然ながらダンパーの動きもスムーズで、また、これはちょっとした部分なのですが、ちょっとソフトで独特な手触りのステアリングや、これも若干低反発な素材を使っているシートによって、細かな振動がだいぶ減衰されている印象です。 ちなみにシートはゴルフなどと比べると小ぶりでサイズ的には日本車と近いものですが、正しい着座位置がとれるのでロングドライブでも疲労感が少なく、また、横Gがかかったときでもきっちりカラダを支えてくれるという、人に優しい作りです。 また、7速DSGはシフトショックなどほぼ無縁で、トルクコンバーターを用いたオートマチック車と比べても、乗り心地の面では大差ありません。もちろん、こちらを読まれているような方であれば、フィーリングはどちらが好ましいかは言うまでもないでしょう。 騒音に関しても非常によく抑え込まれています。初期の直噴エンジンにありがちだったノイジーなエンジン音もほぼなく、街中ではこちらの意味でもエンジンを意識することはほとんどありません。 また、高速道路では100km/h時で風切り音が8割、ロードノイズが2割といった感じ。車速が上がるごとに風切り音の割合が増していきますが、車内から空気が吸い出される「ピュー」といった低質な音は一切しないため、最高速に近い領域でも助手席の人とはフツーに会話が可能です。 トータルで見て、このサイズのクルマとしては静粛性も優れ、乗り心地もとても好ましいものになっていると感じました。 |
積載性 |
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同サイズのクルマと比べて、ごく一般的な積載量です。
シートアレンジなどはもちろん日本車に及ぶものではありませんが、少なくとも日常のアシとして不便は感じません。 シートまわりには600ccのペットボトルもちゃんと刺さるドリンクホルダーや、奥までちゃんと見渡せるドアポケットなども用意されていて、日本的な便利さもキチンと考えられています。 ちなみに、寝かせて運ぶタイプのチャイルドシートをリアシートに設置したところ、175cmのドライバーがなんとかマトモなシートポジションを取ることができました。どちらかと言うと全高が低いため、ドライバーも寝そべった姿勢になりがちなパッケージングながら、これはそこそこ立派なことだと思います。 |
燃費 |
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走行距離:343.7km
給油量:23.08L 満タン法燃費:14.89km/L ドライブコンピューター表示燃費:16.3km/L 走行距離のうち高速道路200km、一般道100km、さらに渋滞約5kmほどです。高速道路では追い越し車線の流れに乗りながら巡航しつつ、距離にして20kmほどはキチンと踏んでみました。街中ではすべてDレンジでおとなしく走った燃費となります。総じて、10%ほど普通の運転に比べて厳しい条件だったかと思います。 ちなみに、速度計で時速100km/h時にGPSで計測したところ、実速は95km/hでした。距離計も同様に5%ほど甘く出ているようです。 |
故障経験 |
ワーニングが出たので何かと思ったらウォッシャー液がからっぽでした(笑) |
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