
第2章では、アルミテープで車に溜まる静電気の放電方法をご紹介してきました。
どうですか?
摩訶不思議を体感出来ましたか?🤗
この章では、より確実な効果が現れる手段に付いてお話させて頂きます。
★目次
1.導電性銅テープ
2.ネオジム磁石
3.スタティックディスチャージャー
4.ガトリングディスチャージャー
5.アルミヒートシンク
1.導電性銅テープ
金属には電気を通しやすさを示す導電率というものがあります。
この表を見て頂くと、お分かりになると思いますが、金・銀・銅ではなく銅・銀・金の順番に電気を通しやすい順番になります。
そしてその次にアルミニウム。
鉄についてはかなり下の方に属します。
それでは何故アルミテープが静電気放電に適しているか?
それはコスト面で比較的安価に加工出来る事と、対腐食性に優れていることが挙げられます。
クルマにとって対腐食性は重要なポイントです。
ただ、単純に導電率で考えると銅がナンバーワン!
第1章でもお話させて頂きましたが、銅は腐食しやすい金属。故に水分に悩まされる車での扱いが難しいのですが、これからご紹介する方法であればアルミテープ単品より効率のよい放電が可能となります。
・アルミテープとの重ね貼り
静電気を飛ばしたい場所に銅テープを貼りそれを覆う様にアルミテープを貼る。
私も時々使いますが、ここぞ!というポイントに使用します。ここでのアルミテープの役割は単に銅テープをカバーする事です。
良くこの施工をやる際、完全に銅テープを覆う様に貼ってるケースを見かけますが、それでは銅の特性を殺して単純にアルミテープで放電させてることと同じになってしまいます。
銅の導電率を有効に使うにはこの二者を重ね貼りしてから、ギザギザカットして断面を面合わせすることによって効果を発揮します。これが肝となりますのでお忘れなく。
どこに貼るかは貴方次第👍️
ただ、室内では水分に犯される心配が少ないので、銅テープ単品でも問題ありません。
また銅のシールド性を活かし、静電気放電ではなく高周波ノイズをカットするために使う方法もあります。
画像の様にオーディオユニットのボディに貼ると、音質がとてもクリアになります。
また室内の配線ケーブルにギザギザカットした銅テープを巻き付けてあげると、不要な高周波ノイズもカットしつつ静電気放電が可能となります。
★注意点
室内にはETCやGPSアンテナ、TV用アンテナ等の高周波を拾う物があります。その近くで銅テープを使うとせっかく受信した電波を遮断してしまう場合もありますので、アンテナ付近は避けてご使用ください。
2.ネオジム磁石
100円ショップでも簡単に手に入る物ですが、これをアルミテープ等と組み合わせて使うことで、静電気放電を加速してくれるアイテムです。
大きさもマチマチですが、パッケージに書いてある数字は磁束密度。
数字が大きいと磁力が強いわけではありません。密度ですから小さければ自ずと大きくなります。これはご自分で使用する場所に合わせてお選びください。
フレミングの左手の法則、渦電流式理論が当てはまるのですが、帯電した物体にバランスを崩したイオンが磁力によって吸い寄せられ、足りないイオンがあるところへ移動しようとします。
それをアルミテープ等の放電柵を使って放電させるやり方です。
簡単に言うと、静電気放電のターボみたいなものでしょうか。
フレミングの左手の法則
渦電流理論
★参考資料
渦電流とは?
https://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/elec/dennji/uzu.html
詳しくは下記リンクに掲載してますので、ご覧になってください。
【詳細リンク】
ネオジム磁石を使った静電気放電について(これから始める方向けに)
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/3146255/blog/44495725/
ネオジム磁石を使った静電気放電について実践編(これから始める方向けに)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/44498471/
なお、ここで紹介したエンジンボディに取り付けた渦電流式ディスチャージャーは更に進化してこのような形に変わっています。
【詳細リンク】
シリンダーブロックの静電気放電治具取付け グレードアップ作戦!
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/car/2913654/6243447/note.aspx
3.スタティックディスチャージャー
静電気放電については、航空機への搭載が1番最初に行われていました。
航空機は自動車を遥かに凌ぐ早さで大空を飛びます。その際、当然のごとく全面からの強い風を受け静電気が溜まります。
また数千メートルの上空を飛んでいると落雷等の被害に遭う可能性も高くなります。
それらの影響で、飛行機自体の電子制御、地上との通信に害を及ぼし、最悪はコントロールを失い墜落の危険性も出て来ます。それを阻止するために棒状の放電アンテナを取り付け、静電気を放電して機体を安全に保つ為の物です。
その技術を車にも利用しようと言う物です。
形は様々。
1番良く目にするのが、アーシングケーブルをカットした物です。
ケーブルは平編み銅製、端子も無酸素銅製なので導通性能も抜群。
これはカットするだけだから楽チンですね☺️
それに余った平編銅ケーブルは、別にラグ端子を付けて圧着すれば沢山作ることが出来ます。
私は少しでも安く作ろうと思い、DAISOのアルミワイヤーとラグ端子を用意して作りました。
これは太さ1mmの物が使いやすいです。またカラーリングも何パターンかあるので、お好みに合わせて使うことが出来ます。
あと、これまで何種類か作って参りましたので、一応ご紹介を。
①アルミワイヤーのみ(40本仕様)

放電能力は抜群です。腐食の心配なし。
②アルミワイヤー+銅ワイヤー(合計22本)
アルミワイヤー同様、銅ワイヤーもDAISOの0.9mmを使用。異種金属を接触させると微電流が流れる理論を使いスリムで高効率を狙いました。銅ワイヤーが腐食しやすいのが難点。
詳細は下記リンクをご覧ください。
スタティックディスチャージャー チューンアップしました🤗
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/45028080/
③平編み銅ケーブル+アルミワイヤー12本
これも単に平編み銅ケーブルのみだと面白くないので、異種金属の微電流理論を利用し制作。
現在は、これに落ち着いてます。
詳細は下記リンクをご覧ください。
スタティックディスチャージャーの新バージョン出来ました☺️
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/45193988/
それぞれの違いは、体感上は余り分かりません。
これらのディスチャージャーはボルト締めされているところに共締めするか、空き穴にボルト締めするだけ。
この時に前回ご紹介したアースボルトを使うと効率アップが期待出来ます。
簡単に取り付け、外しが可能なので色々実験も可能ですね😁
これのポイントは導電率の高い金属の鋭利なアンテナが沢山有れば、高い放電能力を発揮すると言う事です。
放電能力は放電部の総面積になりますので、厚み0.05mm程度のアルミテープの数倍~数十倍になると思います。
付けた瞬間に劇的に変わりますが、数時間~数日で回りの静電気帯電と相まって落ち着きます。
付けた後は数日後に効果のご判断をされると良いと思います。
それとアンテナの長さですが、結構長めにする方がいらっしゃいますが、1~3cm有れば十分です。重要なのはアンテナの数となります。
4.ガトリングディスチャージャー
これは私の完全オリジナルです。
これはマシンガンの銃創に似ている事からガトリングと命名しました。
円筒形の箇所に施工したい場合に、円筒全体をバランス良く放電してくれるアイテムです。アルミテープと違い高熱になる排気系にも安心して使えます。
主に排気系、吸気系、冷却系に使用します。
使用するパーツは、アルミワイヤーとホースバンドのみ。
アルミワイヤーは2mmをお薦めします。
★施工例
吸気系にはネオジム磁石を4個付けた物を使用しています。
詳細は下記リンクをご覧ください。
静電気放電の決定版!ガトリングディスチャージャー👍️
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/44771436/
流動体(吸気・排気・冷却水)の静電気を抜くには? (静電気放電策に興味を持たれた方向け)
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/blog/45112671/
★注意点
ここで先に紹介したネオジム磁石を併用してますが、近くにセンサー類があると弊害が起きますので、取り付け場所はご注意を。目安として磁石から20cm四方に無ければ大丈夫かと。
これのポイントもスタティックディスチャージャー同様、取り付け後は数日間様子を見て効果をご判断ください。
5.ヒートシンク
オーディオやPC、スマホ等で発熱量を抑える為にヒートシンク(放熱器)が使われます。
材質はコスト的に安く熱伝導率が高いアルミニウム製がほとんどです。
オーディオアンプ
PC用
ARC製オイルパン用ヒートシンク
車載エアコン用コンデンサー
これらはアルミニウム製ですが、実は放熱作用と共に実は静電気放電にも貢献してくれます。
実際の使用例をご紹介します。
・PC用ヒートシンクをイグニッションコイルの頭に取り付け
これによりイグニッションコイルの寿命が平均10年と言われています。これを付けて多少なりとも温度を下げ耐久性を伸ばす意味も込めて付けてみました。コイルの静電気を放電してくれてエンジンが軽く吹け上がる様になります。
詳細は下記リンクをご覧ください。
イグニッションコイルを冷やしてみました🤗
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/car/2913654/6184765/note.aspx
・エアコンコンデンサーをアーシング
電気的にはコンデンサーの取り付けボルトを介してボディにアースされているようですが、年式が古くなると抵抗値も増えているようです。これをボディにアーシングすることで、車の動きが軽やかになりました。
新車は恐らく抵抗値もほとんど無いと思いますが、古くなると効果的の様です。
これはコンデンサーの細かいフィンの断面が細かくギザギザになっているので、そこから放電していると思われます。これだけ大きいパーツですので、効果もはっきり出ます。
現在は、ボディ側のボルト穴に錆が少し出て来たので、コンデンサーをディスチャージャーで放電させています。効果はむしろ良いくらいです👌
詳しくは下記リンクに掲載してますのでご覧ください。
エアコンコンデンサーをアーシング&放電させてみました😁
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/car/2913654/6404776/note.aspx
・ラジエーターのリザーブタンクにヒートシンク
ラジエーターの本体にもアルミテープを貼り付けて対策してますが、リザーブタンクは樹脂製なので、更に帯電しやすいもの。
冷却水のクールダウン目的にアルミ板を折り込んだヒートシンクをリザーブタンクにペタリとアルミテープで固定しました。
これによりエンジンの音が静かになりました。まるでふぅ~と一息をつくように👍️
これはキャップ部に付けたネオジム磁石の効果もあるかもですが。
詳しくは下記リンクに掲載してますのでご覧ください。
エンジンの熱中症対策しました😁
https://minkara.carview.co.jp/userid/3146255/car/2913654/6473777/note.aspx
このようにアイディア次第で、一石二鳥的な使い方も出来ます。
是非、閃きを大切に色々試してみてくださいね🤗
これにてマニアの放電柵の紹介を終わります。
ここまで来るとご自分の閃きが大切となってきます。
車種、形態も様々ですので、何時も見ているあなたの感性が1番👍️
電気的にショートして壊すとか心配はありませんので、色々実験してみてベストを見つけてくださいね🤗
このあとは第4章でこれまでの研究結果のまとめを報告させて頂きます。
最後までお付き合いありがとうございます🙏
written by koppepapa