
各地で今年最高の気温を記録した昨日の昼下がり、1962年ポルシェ356B(S75GT)で炎天下の都内を走って、神宮外苑絵画館前まで出掛けました。
『Free&Easy』というライフスタイル誌の依頼で、編集部が用意した秋モノのジャケットとシャツを着て356と一緒の写真を撮るために、絵画館に向かったのでありますね。
で、東京でも35~36度を記録した猛暑のなかの都心の渋滞路を、50年前のポルシェは無事に走り切ったのかというと、その答えは「Yes !」ということになります。
ただしまったく普段と変わらなかったかというとそうではなく、奴は一度だけご機嫌を損ねました。
撮影を終わっての帰路、渋滞の青山通りを走っているとき、2速のエンジンブレーキ状態でスローダウンしてきて停止直前にクラッチを踏んだら、タコメーターの針がいつになく振れた末に600rpmという低回転のアイドリングで持ち堪えられず、エンジンがプツンとストールしてしまったのです。
これにはちょっと焦りました。というのは、僕の356Bのエンジン始動は一触即発ではなく、けっこう長いことスターターを回し続けた末に掛かるタイプなんで、後ろのクルマを待たせてしまうから。
でも幸い、2度目のトライで1.6リッター空冷フラット4は息を吹き返し、後ろのクルマを待たせたのはたぶん10秒プラスというところで、赤い356Bは再び炎天下の青山通りを走り出したのでした。
それからというもの、流れが止まるたびに右足の右半分でスロットルを踏みつつブレーキングするワザを使ってアイドリングを常より高く保ち、2度とエンストすることなく家に帰り着いたのです。
その間、356の油温計は真ん中よりずっと低いゾーンを指し続け、上記の現象以外に不調の兆しは皆無でしたが、エアコンもクーラーもないコクピットで、停車するたびにスロットルを踏んでアイドリングをキープする作業が、正直なところ主に精神的に疲れるものだったのはたしかでした。
というわけで、今度アイドリングを少し上げておこうかと考えているスポーツカー親爺であります。
Posted at 2012/07/18 15:59:33 | |
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