横浜みなとみらい21地区の京急グループ新本社ビル1階に、今年1月にオープンした
京急ミュージアムに行って来ました
当初、混雑緩和のため入場は事前応募・抽選制で、しかもコロナ渦で臨時休館だった期間に当選していた人が対象となっていて、行くことができぬままに。
しかし、7/13から平日に
1日3回の入れ替え制による一般入場を再開。この機会に行ってみることにしました。
一般入場するためには、各回の入場時間30分前から配布される整理券が必要になります。密を回避するため人数制限があり各回30名(幼児はカウントせず)まで。
配布時間の30分くらい前に受付の2階エントランスへ行くと、すでに15人ほど並んでいました。
そして配布時間になり、無事に整理券を確保。
待ち時間には、2階のエントランスから1階のミュージアムを眺めてみたり。
そうこうしてるうちに、入れ替えの間に行う消毒作業がスムーズに終わったとのことで、予定の入場時間より早めに中へ入ることができました。入場は無料。
「京急ヒストリー」として京急230形デハ236号を展示。
元は京急の前身の一つである湘南電気鉄道の開業時、1929年(昭和4年)に製造されたデ1形で、その後に改造は加えられたものの特徴的な大きな窓は残りました。
236号は1978年(昭和53年)の引退後に埼玉県川口市内で長らく保存されていましたが、荒廃が進み引き取り手を捜していたところに、手を上げたのが京急でした。タイミングが合わなければ解体されてたかもしれないので幸運な車両です。
今の時代にはない、内装や床に木を用いた半鋼製の車体を修復するのは難しかったようで、2年かかったそうです。
よく見ると、雨どいなどは完全に新製されているようで、苦労のほどが伺えます。
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230形の京急での最後の活躍は大師線でしたが、沿線住人でもなかったので大師線を走る姿を直接見る機会はありませんでした。
ただ、京急を引退後に2両編成x7本が高松の琴電こと高松琴平電鉄にが渡り、志度線、長尾線しばらく活躍しており、琴電では辛うじて乗ることができました。
2000.05.02 琴電長尾線にて
長尾線を走る元京急230形の琴電30形、33-34編成。
連結作業及び行先表示板の交換を容易にするため、琴電では前面貫通路付きに改造されることが多く、30形も例外ではありませんでしたが、前半に導入された編成は非貫通のままで原型を保っていました。
2000.05.02 琴電長尾線にて
車内。
シートは緑色のモケット、内壁は薄緑色でした。
床はリノリウム張りになっています。
2006.08.15 琴電志度線 今橋にて
一方、こちらは前面貫通路付きに改造された27-28編成。
琴電30形の中でも最後まで生き残った一編成で、志度線を走っていました。
この写真を撮影した翌年の2007年に引退。
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ミュージアムの展示に戻って…
展示車両脇の階段を昇ってホームへ。
1番線、横浜、泉岳寺、押上方面
ホームから車内に入ってみます。
車内の前方。
窓が大きい分、座席の背もたれは低め。
先ほどの琴電30形と違って床は木張りで、内壁の色も黄色になっています。
吊り広告スペースに10連化開始の時と12連化開始の時のお知らせ。
運転席。
大きな窓で見晴らしは良さそうですが、奥行きはあまりなさそうです。
展示用に台車上の床面がシースルーになっていて、主電動機と歯車の一部を見られるようになっています。
その台車を外から。
おそらく汽車製造のMCB-R台車。
イコライザー式台車もあまり見かけなくなってしまいましたね。
そして、車内の後方は展示コーナーになっています。
展示物の中からいくつかご紹介・・・
※クリックすると拡大します。
こちらも京急の前身の一つである京浜電気鉄道の路線図。1925年(大正14年)頃
当時、高輪・品川から神奈川・横浜を結んでいました。
このときの「品川」は今の北品川にあたり、そこから道路上を進んだ省線(のちの国鉄・JR)品川駅前に高輪駅があったそうです。
今の空港線の前身となる穴守線もこの時すでにあります。ただ、当時は羽田空港などはまだ影も形もなく、主に穴守稲荷への参拝客輸送が主だったようです。
1936年(昭和11年)頃の湘南沿線ご案内と、1935年(昭和10年)頃の湘南電鉄観光パンフレット。
この頃はすでに品川から浦賀までの直通運転がなされていたようです。
湘南沿線ご案内にある流線型の黄色い遊覧バスが目を惹きます。
こちらは230形製造時の姿の模型。
湘南電気鉄道デ1形。
800形と2000形の車番プレートと、2000形のブルーリボン賞受賞プレートほか。
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デハ236号の隣に広がる「京急ラインジオラマ」
京急の沿線風景を再現した巨大なジオラマで、再現された主要駅をHOケージの鉄道模型が駆け抜けます。
品川駅
高輪口の再開発に合わせて2027年(予定)に地平化される予定で、この風景もいずれは大きく変わることになります。
多層構造が目を惹く、京急蒲田駅。
シーサイドラインも発着する金沢八景駅。
模型に設置したカメラの映像を見ながら運転することも可能。(1回100円)
運転台はすでに引退した800形電車に使われていた本物。
「鉄道シミュレーター」(別料金)
ただ現在、一般入場では利用できません。
新1000形電車を模した実写映像のシミュレーターです。
「バスネットワーク」
バスの運転台を再現したコーナー
いすゞエルガの前頭部が展示されてました。(奥の2台は写真です)
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そうこうしているうちに閉館時間となり退出。
外からデハ236号の背面を見てみると、車内にモニタが設置されていた貫通路は蓋がされていました。
「ケイキューブ」
京急電車を模したキューブ型のベンチ。
館外にあるのでいつでも自由に見ることができます。
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京急ミュージアム、ようやく見学することができました。
何より保存車のデハ236号を間近で見られたのはよかったです。
当初は収蔵車両1両だけ?と思いましたが、このスペースだと1両しか入りませんね。
では、久里浜で保管されている旧1000形や800形、2000形はどうなるのだろう・・・
Posted at 2020/08/14 20:20:00 | |
鉄道 | 日記