先日、ロマンスカーミュージアムに行ってきました。
海老名駅の隣接地に建てられた、小田急の鉄道博物館。
文字通り歴代ロマンスカーの展示がメインとなる施設です。
このご時勢なので、現在はソーシャルディスタンスを保つために事前予約制となっていて、ロマンスカーミュージアムWebサイトの予約ページから、15分刻みの入場時間枠に申し込むようになっています。
オープン直後はすぐに予約枠が埋まっていましたが、今回は前日でも普通に予約できました。なお、入場してからの時間制限はなく閉館時間までいることができますが、館内は割と空いている感じでした。
小田急海老名駅の改札口から自由通路をJR海老名駅方面に進むと入口はすぐです。
大きな看板があるわけでもなく少しわかりにくいですが、エントランス脇にある木製のロマンスカーモニュメントが目印になります。
予約すると、スマホで開く入館予約チケットのURLがメールで送られてくるので、そのページを係員に見せて入場します。入場チケットは当日に現地で購入になります。
エントランスは2階なので、まずエスカレーターで車両の展示室がある1階に降りるのが順路になっています。
最初はヒストリックシアター。
小田急の歴史をまとめた映像を流す傍らに、1927年(昭和2年)小田急開業時の車両モハ1形が展示されています。晩年は熊本電鉄を走ってましたが、引退後に小田急へ里帰りして復元保存されています。
木張りの車内がいかにも昭和初期という感じです。
突き当たりに見える乗務員室にはパイプによる簡単な仕切りしかありません。
次はメインとなるロマンスカーギャラリー。
左からSE3000形、NSE3100形、そしてLSE7000形。
小田急ロマンスカーが一世を風靡に至った立役者です。
初代ロマンスカー3000形SE車
手前の2両は登場時の姿に復元されています。
オレンジとグレーを基調とした塗装色は宮永画伯によるもの。
ロマンスカーと言えば前面に展望席があるイメージがありますが、初代はありませんでした。
とはいえ、低重心の連接車で当時は最先端の車両で、1957年(昭和32年)に国鉄線上での高速度試験で狭軌世界最高速度記録145km/h(当時)を打ち立てています。
SE車の乗降ドア。SE車とNSE車はドアが内開きの手動です。
駅へ到着するとCAさんが開けてくれるのですが、それがロマンスカーに乗る時の特別感になっていました。
SE車の車内。
突き当たりが運転席ですが、運転席と客席最前列に間には乗降ドアがないので、展望席がなくても最前列は眺めがよかったのを覚えています。
2代目ロマンスカー3100形NSE車
ロマンスカーの象徴とも言える前面展望席がついた最初のロマンスカーです。
ロマンスカーとしての印象が一番強いのは、おそらくこのNSEではないでしょうか。
こちらはNSE車の手動乗降ドア。
NSE車の車内。
前方に運転席からはしごが出ているのがわかります。
2階の運転席には外部にドアがないので、客室に下ろしたはしごで乗り降りすることになります。
できれば運転席の中を眺めて見たかったですが、現在は立ち入り区画が制限されているので、外から眺めるのみでした。
NSE車とSE車を反対側から。
SE車のこちら側の1両は晩年の姿になっています。
8両から5両編成に短縮されSSE車と名を改め、国鉄御殿場線直通あさぎり号で活躍していました。自分が乗ったのもこのあさぎり号でした。
3代目ロマンスカー7000形LSE車
これは3年前まで活躍していたので記憶に新しいです。
製造時にオレンジとグレーのロマンスカー色に塗られた最後の形式です。
前頭部はNSEを基調としつつも直線的なデザインで、当時の新しいロマンスカーをうまく演出できていたと思います。
乗降ドアは折戸の自動ドアに変更されています。
4代目ロマンスカー10000形HiSE車
HiSEの名が示すとおりハイデッカー構造ですが、そのためにバリアフリー対応が困難でLSE車より早く小田急線上を去ることになってしまいました。
一部は4両編成に短縮の上で長野電鉄に渡り、特急ゆけむり号として現在も活躍しています。
HiSE車の連接台車
1つの台車で両側の2車体を支える連接構造は、ロマンスカーではこのHiSEとその後の50000形VSEまで続きました。
HiSEの展望席
前方の展望席の床は低いですが、乗降ドアから後ろはステップがあって床が階段2段分高くなっています。
なので、後ろの客席からはこのように少し見下ろした感じになります。
5代目ロマンスカー20000系RSE車
4代目までのロマンスカーが箱根特急を意識していたのに対して、このRSEはJR御殿場線直通あさぎり号用として作られました。
この当時はあさぎり号の運転区間も御殿場から沼津まで延長され、JRも371系を用意して相互直通乗り入れを実施。
編成には2階建てのダブルデッカーを組み入れられてました。
2階席への入口。
グリーン車マークはJR線内ではグリーン車扱いだったことを示しています。
2階席の座席は1+2人の横3人掛け。
階下席はセミコンパートメントになっていました。
なお、隣の車両と行き来できる貫通路は2階に設置されており、階下は行き止まりになっています。
このRSEは、ダブルデッカーを含まない3両編成1本が富士急行に渡り、フジサン特急として活躍しています。
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そのほか。
ミュージアム2階のジオラマパーク。
鎌倉高校前駅を江ノ電の電車が走行中。
ミュージアムショップ。
鉄道むすめグッズなど多数。
ロマンスカーミュージアム限定グッズもあるみたいです。
ロマンスカーシミュレーター。
入場券を買うときに整理番号を振られた抽選券を貰えるのですが、30分で2組しかできません。
今回は予想通り落選しました。各時間枠ごとの応募人数は多少ばらつきがありますが50~100人程度で、つまりそれくらいの倍率でなかなかの難関です。
なお、抽選に当たったときは別途利用料500円が必要になります。
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博物館としていろいろ趣向を凝らすと言うよりは、その名の通り展示してあるロマンスカーを見に行く施設だと思います。
また思い立ったら行ってみたいと思います。
Posted at 2021/08/14 00:13:56 | |
鉄道 | 日記