物理&長文注意w
1週間程度乗ってみて、今回導入したカムの性格が何となく分かってきました。
ある程度踏み込むと2500rpm程度からトルクが出てきて、ブーストが乗る3000rpm程度から怒涛の加速。ただ6000rpm付近で頭打ちな感じ。
つまり、思いっきり中回転にターゲットを持ってきてるように感じます。
GTOのノーマルレブが7000rpmだということを考えると妥当なセッティングで、かつサーキットで使うと気持ちいいだろうと予測できます。
ただ、、、アイドル近傍のトルク低下が顕著でアイドルがかなりバラつくし、クラッチワークをラフにするとすぐにエンストします。
さらにアイドル時の排ガスも素晴らしく生ガス臭いのでもう少し何とかしたいところ。
とりあえずECU側で対策してみたものの、「どるんどるん」だったのが「ドッドッドッ」程度までしか改善できなかったので、バルタイ調整することにしました。
(まぁ、このラフアイドルが「ハイカムっぽい」といえばそうなんですが、普段使いするにはちとアイドル近傍トルクが低すぎるので…)
ということで、バルタイを弄る前にまずはバルタイについてお勉強
試行錯誤でいってもいいですが、理論的に弄る箇所を考えてからの方がトライ回数も減らせるので効果的。
何よりバラすのも何かと大変だしねw
ここからはネットで調べた事と、それに基づいて自分で考えた事なので不足や間違い等ある可能性があるので、参考にする場合は自己責任でお願いします。
まずはネットで下調べ。
色々調べてると「バルブオーバーラップ(以下オーバーラップ)が少ないと低回転向け、多いと高回転向け」と書いてある所が多いですが、それはちょっと違うんではないかと。
ちょっと考えただけで同じオーバーラップでも「吸気が早く開いて排気が早く閉じる」のと「吸気が遅く開いて排気が閉じるのが遅い」のでは性能が異なりそうなのは容易に想像できるかと。
(例:オーバーラップ30°でも「INがBTDC30°で開いてEXがTDCで閉じる」のと「INがTDCで開いてEXがATDC30°で閉じる」のでは吸排気特性が異なりそうですよね?)
なので、それぞれの行程についてバラバラに考えてみる事にします。
初めにIN側から
1:IN開きタイミング
INバルブが開いてもインマニ内の空気にも質量があるのですぐにはシリンダ内には入って来ない。なので、バルブが開くタイミングを早くしてやり空気が動くまでの時間を稼いでやることで吸気効率の向上が見込めます(新気が排気に引っ張られる効果も考えられる)。ただし、高回転では1度当たりの時間が短くなるので効果が薄くなっていくと考えられ、また低回転時にはそもそもインマニ内の空気が少ない(インマニ圧が低い)為、排気がインマニに逆流(内部EGRの増加)することで吸気効率が悪化し、トルクが低下する背反があるので、中回転時に最も効果を発揮すると考えれらます。
2:IN閉じタイミング
ピストンがBDCに到達しても暫く新気は慣性力で流れ込もうとするので、INバルブを閉じるタイミングを遅くしてあげればその分吸気効率を上げる事ができます。なので、高吸気圧が得られる高負荷高回転向け。ただし、吸気の慣性力はピストンがBDC到達後の「時間」で減衰するハズなので、高回転側の効率アップを狙って遅閉じにすると低回転側では折角シリンダに入った新気が逆流してしまう可能性があります。
次にEX側について
3:EX開きタイミング
単純に遅く閉じると燃焼圧力をトルクに変換する時間が増えます(原理的にはBDCで開けば最高)。が、これは理論上の話で現実にはクランクの変換効率を考えるとBDCに近づけば近づく程効率は落ちるので、ある程度のタイミングでさっさとEXバルブを開いて残ってる燃焼圧を排気に使った方が排気効率上昇≒吸気効率上昇となりトルク上昇に繋がる。排気効率を考えると回転を上げた分だけ進角したい所だけど、トルク低下に繋がる可能性があるのでその辺はバランスか。
4:EX閉じタイミング
TDCを過ぎてもEXバルブを閉じないのは排気流速を利用して吸気効率を上げる為だと考えられる。ただし、開き過ぎると排気につられて新気も排出されてしまうので注意が必要。これも開弁「時間」で効いてくると考えられるので効果を持続させるには高回転側では遅角(低回転では進角)させたいところ。
ただ、もちろんIN、EXのカム山の形は決まっている為、開弁時期と閉弁時期は連動するので後はそのバランスということになります。
これらを念頭において、今回の課題である「ラフアイドルの解消」と「アイドル時HCの低減」に対して効果がありそうモノを考えると、「IN側を遅角させる」か、「EX側を進角させる」かになります。
なので純正カムと社外カムのスペックを比較してみると、
純正…開弁期間:IN/EX=256°/256°, 中心角:IN/EX=109.5°/106.5°
社外…開弁期間:IN/EX=264°/264°, 中心角:IN/EX=105°/105°
純正カムと社外カムの相対位置イメージ
これをみると社外カムはIN側が思いっきり進角してるのが分かります。
考察的にも乗った時の感覚的にもこのカムは中回転(~高回転)重視なようです。
純正位置を基準に考えると「EX側を進角させる」より「IN側を遅角させる」方がリスクが少なそうなので、まずはIN側を4度遅角させてみようと思います。
考察的には中回転のトルクは減る方向ですが、低回転と高回転側にいい影響が出るハズ。
Posted at 2016/08/27 02:25:02 | |
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