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2010年11月01日

エコドライブチャンピオンシップ その3 (ジャーナリストトークほか)

エコドライブチャンピオンシップ その3 (ジャーナリストトークほか) ジャーナリストトークなどで,気になった話題をまとめます。

ジャーナリストトークは,石井 昌道さんでした。エコドライブトレーニングの講師や,省エネルギーセンターでのエコドライブの検討に参加されてます。省エネルギーセンターでは,様々な実験を行い,データを蓄積しているそうです。

(1) 燃料カット
「燃料カットを有効に使える状況は,意外に少ない。」
「有効に使える例として,燃料の量に制限があるレースで,ラップタイムを落とさずに,燃料も節約したい様な場合,ブレーキをかける前に,早めにアクセルオフをして,燃料カットを効かせるのが,燃費に有効で,ラップタイムもそれほど落ちない」。
「燃料カットを継続するために,シフトダウンしながら,回転を維持するのもあまりお得ではない。シフトダウンする場合,クラッチを切って,ギアを入れて,クラッチをつなぐという動作になり,クラッチを切った瞬間,アイドリング分の燃料噴射が始まり,クラッチをつなぐ瞬間には,回転合わせのために,燃料を吹く(ブリッピング)し,クラッチが繋がった後も,しばらく燃料噴射は継続するため,結構燃料を使ってしまう。」
これ,競技でやっていましたが,それほどお得ではなかったようです。確かに,ニュートラル走行後にDレンジに戻したときに,しばらく燃費計が燃料カットの状態(--.-km/L)の表示にならないことがあります。

Dレンジで,減速時のシフトダウンを車に任せるのもありともおっしゃってました。ブレーキをかけると,適当な回転数で,シフトダウンしてくれます。(燃費を考慮して,燃料カットも継続される場合があるようです。)

その2の作戦編でも書きましたが,そもそも,低いエンジンの回転数(1100〜1300rpm)を使って走っている場合,アクセルオフしても,燃料カットが働かない場合も出てきます。
ということで,ある程度の減速が必要となった場合(信号が変わった場合など),燃料カットが有効に使えるということになります。

(2) ニュートラル走行
「燃費のためには,ニュートラル走行が有効な場合が多い。」
「エコランの競技会などでは,ある速度まで加速した後は,ニュートラルにして,惰性で進み,あるスピードまで落ちたら再加速するというのが,一番燃費が良いとされている。」
エコランの競技専用車両(スーパーカブのエンジンを積んだものなど)は,車輪が細く走行抵抗が小さく,空気抵抗を極限まで減らしており,惰性でかなり進めるのではないかと思いますが,一般車両でも同じことが言えそうです。
また,ワーゲンのTuaregのハイブリッドでは,滑空(コースティング)モードがあり,アクセルオフした後,エンジンもモーターもクラッチで切り離されて,ニュートラル走行状態にして,燃費を稼ぐとのこと。

(3) ふんわりアクセル
省エネルギーセンターの推奨するエコドライブ方法では,ふんわりアクセルと,アイドリングストップが推奨されています。省エネルギーセンターでは,自動車の走行において,どの部分でどれくらい燃料を消費しているかを調査しています。(調査結果)
この中で,停止時と,発進加速時の燃料消費が大きく,この部分を改善すると効果が大きいため,アイドリングストップとふんわりアクセルにフォーカスして,啓蒙活動をするということにしたそうです。
ふんわりアクセルは,普通の感覚より,動き出しの際のアクセル開度を小さく(クリープを利用するなど),その後は燃料消費が上がらないぎりぎりのアクセル開度で加速するというのが,本来の考え方だそうです。加速時間を長くとっても,燃料消費はほとんど変わらないため,早く車速を上げた方が良いということでした。
世の中には,ふんわりアクセル=ゆっくり運転と勘違いされてしまっているのが残念とのことでした。

(4) アイドリングストップ
エンジン再始動に必要なガソリンは,アイドリング5秒分に相当。5秒以上アイドリングするのであれば,アイドリングストップした方がよい。(スターターでの電力消費も本来は検討に入れる必要がありますが)
パリサロンでは,フォルクスワーゲンもアイドリングストップと減速時のエネルギー回生(発電機を回す)を発表しており,今後,市販車に搭載されて行くそうです。

(5) 燃費の良い速度
軽自動車から大型の乗用車(フーガ)をサンプルとして,燃費の良い速度域を実験的に求めています。平均的には,60km/hで燃費が最も良くなるという結果でした。(これもよく言われていることだが,データで示されている)
興味深いのは,小さな排気量の車ほど,速度が上がったときの燃費の悪化度合いが大きく(120km/hで,60km/hの約1.8倍),これに対し,排気量の大きな車は,それほど悪くならない(約1.2倍)とのこと。エンジンが大きく,トルクが大きい方が,速度が上がり,空気抵抗が増加しても,それほどアクセルを踏まなくても速度を維持しやすいということらしいです。(今回の雨で路面の抵抗が増加した場合も車重が重い場合や,エンジンのトルクが大きい方が影響が小さいというのと同じだと思います)。

(6) 最近,(VWの中で)印象に残った車 Golf ブルーeモーション(電気自動車)
「電気自動車がいろいろ出てきたが,車によって考え方がかなり違う。」
「その中でもGolfの電気自動車は,すごく良かった。車としてちゃんとしている。」
「面白いのは,回生ブレーキの強さをパドルを使って4段階に調整できること。」
これは,なるほどと思いました。以前,新型プリウスに乗ったとき,回生ブレーキは,トラックの排気ブレーキのように,通常のブレーキとは別に操作できるのが良いとの感想を持ちましたが,それを実現しています。
電気自動車は,モーターのダイレクトドライブで,変速ギアを持たないため,本来パドルは不要ですが,減速度の調整にパドルを使うのはナイスアイディアです。
また,Tuaregハイブリッドと同様,コースティングモードがあり,アクセルオフで,惰性で進むことができるそうです。この点が,日本の電気自動車と大きく違うところだそうです。日本の場合,回生の効率を上げて,そこでの燃費向上に注力しており,ニュートラル走行のように滑空するというのは,考えていないそうです。エコドライブで,ニュートラル走行が有効だとすると,これを取り入れた方が,トータルでの燃費(日産では,電費と呼ぶそうです)が良くなるのではないかと思います。

(7) その他
・懇親会で,大会委員長に,「ポンピングロスを減らすために,高いギアでアクセルを大きく踏み込んだ方が良い」という意見があるが,本当でしょうかと質問したところ,「低回転域での再加速などでは,アクセルはキックダウンしない程度に踏み込んだ方が,スロットルバルブが開くためポンピングロスが減らせて,燃費に有利」というお答えでした。試してみようと思います。
[追記]・「速く走る,安全に走る,エコに走るというのは,一見,全然別なことに見えるが,結構重なっている部分が多い」周りの状況を把握し,それに合わせた,スピードを決め,ギア,アクセル,ブレーキ,ハンドルを適切に操作するという運転の基本は同じということで,目から鱗でした。

当選しちゃいました。
Polo Comfort line (1.2TSI)試乗 (て言うか、練習)
4位でした。(エコドライブチャンピオンシップ その1)
エコドライブチャンピオンシップ その2(作戦とその結果)
エコドライブチャンピオンシップ その3 (ジャーナリストトークほか)
エコドライブチャンピオンシップ その4 (試乗編)
ブログ一覧 | エコドライブチャンピオンシップ | クルマ
Posted at 2010/11/02 00:18:29

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この記事へのコメント

2010年11月2日 3:06
詳細な記事をありがとうございます。概ねワタシが教わった内容と違いないようです。殆ど実践していますよ。アイドリングストップは燃料噴射だけ考えれば、するに越したことがないけれど、部品消耗に疑念を感じ止めています。
実走行時においては直接的なクルマの操作だけに傾注するだけでなく、道路状況をみて要領のいい運転に心がけるとより大きな効果が得られますね。信号まわりの加減速、適度な車間距離、走行レーンの選び方、上り坂でのスピードなど。走りなれた道であれば、信号待ちで止まる交差点の選択、後ろに付く車の選択まで(爆)タイヤ空気圧の調整はモチロン、点火系やDSGの調整などにも気を遣いたいですね!

全ては毎日の自動車通勤の「エコノミー」の為に!(笑)
コメントへの返答
2010年11月2日 7:05
まとめて,エコドライブの話を聞く機会が無く,有意義でした。
Webでの断片的な情報をあたっているだけだと,例えば,ニュートラル走行と燃料カットはどっちが得かという問題に,答えが出ませんでした。
今回の,石井さんの話は,VWのエコドライブトレーニングや,省エネルギーセンタで取ったデータをもとに話をされていて,非常に説得力がありました。
競技の中でも,先を読むこと,状況を判断すること,それに合わせて正確に操作する(テクニックって実はこの部分だけ)というのが,重要だというのを実感しました。普段の運転でも,これくらい気を使って走れば,もっと,燃費が上がる余地があるとも思いました。

VWのエコドライブハンドブックは,10か条ですが,それぞれ,読み込むと結構深いことが書いてあります。
車がエコになって行っても,運転する人が,意識しないと,燃費は向上しないので,エコドライブをいかに啓蒙して行くかが,大きな課題ですね。省エネルギーセンターには,データの一部が掲載されていますが,正確な情報をまとめて得られるWebや講習会など,もっと必要だなと感じました。(一般向けだけでなく,高度な情報も必要)
メーカーとして,このような取組をしているVWはえらいです。
2010年11月2日 6:24
燃料カットの内容については、それまでの自分の持っていた「常識」を打ち破る衝撃的(ちょっとオーバ?)な事実でした。
しかし、技術的にも十分肯ける内容ですよね。
今回のイベントに参加した事で得た、一番の情報でしたよ。
コメントへの返答
2010年11月6日 8:30
一般向けのエコドライブのガイドには,早めのアクセルオフで燃料カットというのが,一番の省エネという紹介のされ方になってますから,私も,燃料カットの方が効果あると思ってました。
データや,経験に裏付けられた話で,説得力ありました。
一般向けには,内容を制限する必要もあると思いますが,高度な内容も,発信してもらいたいと思いますね。(誤解されないよう,また,危険性も合わせて説明する必要があると思います)
あと,自分で,エコドライブを考える上でも,車の情報のデータロガーが欲しくなりました。
2010年11月2日 15:26
こんにちは!
すごく勉強になりますが、実践するのが簡単では無さそうです。(^^;
日本なんかは、アクセル開度と燃費の関係性さえデータ・数値化して解析できれば、エコボタンひとつ押すだけで、誰がどのように運転しても、燃料噴射量と速度の関係を一定に維持できるような仕組みを簡単に開発できそうですけどね~

しかし、惰性走行がそれだけ有効とは、かなりビックリです。ただ、普通に走っている時に意図しないタイミングでニュートラル走行しだしたら危険な感じがしましたが、このあたりの安全性などは、やっぱりドイツ車らしくかなりチューニングされて燃費とファンとアクティブセーフティへのバランスがしっかりとされているのでしょうね。
コメントへの返答
2010年11月2日 18:01
最近日本車には、ECOインジケータ(エコな運転なら緑に光るなど)やECOモード(燃料噴射を抑え気味にする)があったり、日産が出したECOペダル(エコでないアクセルの踏み方をしようとするとペダルが重くなる)など、エコドライブになるよう、運転者を支援する仕組みは色々出てきてますね。
DSGはニュートラル走行が可能なミッションですので、慣性走行はやりやすいですが、慣性走行が、一般化するには、車が自動的に判断して、勝手にやってくれるようになる必要があるかもしれません(慣性走行中はエンジンを切れるようになるかも)。その時運転者の意図(アクセルオフで滑空したいのか、エンジンブレーキで減速したいのか)を伝える方法が必要ではないかと思ってます。今後、VWがどの様な方向性を打ち出すのか注目したいです。
2010年11月2日 21:20
アップダウン、カーブ、交差点、踏切...
道路状況が複雑で地域差も大きい日本ではエコドラテクの効果体感もしにくいけど、自分の車のシクミや特徴を理解して、使いこなすことが一番大切だと思います。
その意味で1)から5)まで、安全に実践できるよう心がけたいと改めて思います。
コメントへの返答
2010年11月2日 22:58
車の特性を理解することは重要ですね。
その上で,周りの状況から,どのような操作をすれば,エコになるのか,選択することが出来ます。
ニュートラル走行が,一般向けには推奨されていないのにも,操作に習熟していないと,危険な場合があるからだと思うので,安全には気をつけたいですね。

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