
最近のオーディオネタ
その2、
その3でDAP(デジタルオーディオプレーヤー、 ウォークマンNW-A20)とDAC付きポータブルヘッドフォンアンプ(Chord Mojo)を導入し、楽しんでまいりましたが、ウォークマンとMojoを接続するケーブル内で断線した模様で、繋がらなくなりました。
このケーブル¥3,000ぐらいするウォークマン専用の特殊なものなので、これを買い直すのはやだな(また断線するかもしれないし、結構かさばる)ということで、新しいDAPを探すことに。
今回の選定のポイントは、Mojo(外部DAC)に汎用的なUSBケーブル(OTG)で接続できること、音楽データをiTunes上でアップルロスレス形式(ALAC)で管理しているため、ALACに対応していること、そして何より安いことでした。
ちょうどソニーから
ウォークマンNW-A40シリーズが出ましたが、外部DACと接続するにはNW-A20と同じく特殊なケーブルが必要ということで落選
オンキョー(rubato DP-S1)、
パイオニア(Private XDP-30R)からも小型で値段も手頃なDAPが出ていますが、外部DACに接続できないためNG
海外勢に目を転じると、まずは、日本でもある程度地位を確立している中国のFiioですが、
X3 2nd Generationは値段もそこそこで、候補ですが、少々古目であるのが気になる点です。(Mojoとは同軸ケーブルでのデジタル接続)
(値段はこなれてますが。海外では新しく
X3 Mark IIIが発表されていますが、日本には入っていません)
X1は価格が安いですが、外部DAC接続ができないのでNGです。
次に、そこまでメジャーになっていない中国のメーカー(といってもビックカメラ等で購入できますが)だと、Shanling(シャンリン)とCayin(カイン)が外部DACが接続できる手頃な値段のモデルを出してます。
ShanlingのM1は、ちっちゃくて値段も最安値ですが、Mojoの電池が切れて、単体DAPとして使う際の音質に若干の不安があります。上位機種としてM2sがあります。
(メーカーのWebページ(中国語)
M1、
M2s、e-イヤホンのWebページ
M1、
M2s)
Cayinには
N3という機種があり、M2sのライバル機種です。
最終的には、M2sとN3の一騎打ちになりました。結果選んだのは、N3となりました。N3の勝因は価格です。M2が¥24,800(税込)に対し、N3は¥19,800(税込)でした。(シリコンケースや画面保護シートも入っていてお得でした)

N3はウォークマンの独自デジタルアンプと違って、DACチップ+アナログアンプ(オペアンプ)という構成です。DACチップは最近据え置きDACでも採用率が高まっている旭化成エレクトロニクスのDACチップで、ポータブル向けのAK4490ENが使われてます。これまで、DACチップは、バーブラウン(今のTI)、シーラスロジック、最近はESSが強く、旭化成はシェアが小さかった(マニアックなところには受けていた)のですが、最近のシェア拡大は目を見張るものがあります。
N3を使った感想です。
ウォークマンで使っていたmicroSDカードはそのまま音楽データを認識して使えてます。
単体での再生ですが、そんなに悪くありません。(ウォークマンのアップサンプリングの機能はないのですが)
メインで使っているイヤフォンであるEtymotic ResearchのER-4SでもゲインをHighにすることで、問題なく音量が取れます。ヘッドフォンのShure SRH1840も十分鳴らせます。アナログアンプ部は、なかなかの実力で、ウォークマンのデジタルアンプよりパワーがあります。
次に、DAC付きポータブルアンプであるMojoにつないで使う場合です。Mojoにつなぐため、USB-CのOTGケーブルが必要になります。USB-CとUSB microで両端がL型になっている短いケーブルということで
OPPOのポータブルアンプのオプション品の ケーブルを購入。MojoとN3を重ねて使うのにバッチリです。

このケーブルはDAPを接続した際にDAPからDAC側に電流が流れないよう対策してあるようです。
ウォークマンはMojoと繋ぐと(外部DACと繋ぐと)、バッテリーがものすごい勢いで減っていきました(5時間ぐらいしか持たない)。そこも不満な部分でした。
N3は10時間程度持ちそうです。
Mojoは問題なく繋がりました。再生も問題なしです。
N3のメニューの中身(当然、日本語)は大体分かりましたが、フォルダー間を連続再生する設定が、「フォルダ使用」となっていて、最初分からなかったぐらいです。
DAPとして単体で聞く場合は、DACチップの機能であるデジタルフィルターを選択できたりとマニアックな部分にも対応しています。
使い勝手が一番良かったのが、Mojoの電源を入れると、DAPが起動して(スリープから復帰?して)、再生ボタンを押すだけでが再生が始まることです(Mojoの電源を入れるだけで再生が始まる場合もある)。ウォークマンクマンの時は、それぞれ電源を入れて(ウォークマンはどれかのボタンを押すと起動)、その後、Bluetoothの接続待ち(車で使うときのためにこのような設定にしてます)を中止して、再生ボタンを押すという操作が必要でした。ケーブルの不具合もあり、Mojoを認識させるのに何回もケーブルをつなぎ直す必要があったりで、かなりストレスになってました。
本体の質感はそこそこです。持った感じ、ウォークマンに比べるとちょっと大きめ(野暮ったい感じ)ではあります。液晶画面はタッチパネルではなく、タッチ式のボタンが画面下にあり、メニューを操作しますが、ボタンエリアが狭くて若干押しづらいです。(間違えて隣を押してしまうことがある)。押した時には振動で押したことがわかるような仕掛けがあります。
電源、ボリュームの上げ/下げ、再生、曲送り、曲戻しは物理的なボタンが付いています。
初めて中国メーカーの製品を買いましたが、機能、音質、価格は満足です。定番の部品を組み合わせて、音質に配慮した部品レイアウトを考え(部品メーカーのレイアウト例に従うだけ?)、ちょっと気の利いたファームウエアを用意できれば、このような製品は簡単に作れるのかもしれません(実は、ファームウエアとか無茶苦茶頑張っているかもしれませんが)。
日本のメーカーも差別化が難しいですね。ソニーのように独自無二の技術としてのデジタルアンプや、金属削り出しのシャーシをアピールするしかないです。(NW-A20にあったFMラジオ、録音機能、動画再生機能はいらない人にとっては差別化ポイントにはならないです。ノイズキャンセリング機能は欲しい人はいると思いますが)
MojoのDACとアンプ(ほぼデジタルアンプ)は他でまねのできない独自技術と言って良いと思います。そう言えば、Mojoとドッキングして、プレーヤーになるPolyが3月に発表されていますが、一向に発売される気配がないです(当初は5月ごろ発売予定だった)。イギリスの会社は中国の会社の開発/製品化のスピードには全く及ばないですね。
初めての中国メーカーの製品ということで心配なのは、信頼性/耐久性です。すぐに壊れなければいいけど。(この部分も、よほどの安物の部品を使ったり、ひどい製造品質でなければ大丈夫だと思いたいですが。まあ、デジタルガジェットの類は今やほとんどが中国製ですから)
これまで使ってきたウォークマンは本体には問題がないので、内蔵メモリに家族向けの音楽データを入れて車専用にしようかと思います。
その4(Mojoの発熱対策)は
こちら
その6(HiBy LinkによるスマホからのDAPの遠隔操作)は
こちら。
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Posted at
2017/10/04 22:21:54