自分の一番好きな、そして尊敬するアーティストが突然亡くなってしまいました。
ただただショックです。
心に大きな穴がぽっかり空いた感じで、今は、その穴を過去の音源や映像をたどってなんとか埋めようとしてます。
殿下亡き後、これから何を聞いていけば良いのでしょうか。(大げさかもしれませんが、今はそんな気分です)
Princeが亡くなったことについて、なかなかブログを書こうという気が起こらなかったのですが、色々プリンスに関わるニュースや映像を観たり、CDを聞いているうちにようやく書こうと思えるようになりました。
先日、
Earth, Wind & FireのMaurice Whiteが亡くなった時 は、いつかこの時が来ると思っていたのですが、今回は全くそのようなことは考えていませんでした。
創作活動も続けていて、ニューアルバムも出してましたから。
最近は円熟味を増して、次はどこに行くのだろうと思わせてくれてました。
Princeとの出会いは、洋楽を聴き始めた頃のアルバム1999 (1982年)です。その後のアルバムPurple Rain (1984年)は大ヒットでしたが、その時はあまり気にならなかったのが正直なところです。
その後、EW&Fをはじめとする黒人音楽にはまり始めた時、アルバムParade (タイトル画像 1986年)からシングルカットされたKissという曲のギターのソロを聴いてしびれてしまったのでした。このギターソロの部分は、iPhoneの呼び出し音にしてます。これはPrinceが弾いているのではなく、当時のバックバンドのThe Revolutinの女性のギタリストWendyが弾いていて、Princeが相当特訓したみたいです。(MVで弾いてます)
あと、プリンスに目覚めるのには、渋谷陽一せんせーの教えの影響もありましたね。
そこから、以前のアルバムを買ったり、新譜が出ると必ず買ってました。
アルバムPurple Rainが、商業的には圧倒的な成功でした。
日本ではK-1のTV放送のオープニングとエンディングのテーマにアルバムGold Experience (1995年)からEndorphinmachineとGoldが使われていたので、聞いたことがある人も多いかもしれません。またこのアルバムの曲間に入っている間奏(NPG Operator)のキーボードを打つ音とビープ音「カチャカチャ、ピー」という音が、ニュース番組のジングル(アタック? 場面の切り替わりで使われる音)として使われてました。プロデューサーに好きな人がいたのでしょうか。
アルバムLovesexy (1988年)のころのコンサートに行ったことがあります(コンサートに行けたのはこの一度だけ)。
アンコールは当然のようにPurple Rainでしたが、コーラスの部分は、みんな裏声での大合唱になったのを覚えてます。
そういえば、出張でミネアポリスに行った時には、Princeがデビュー当時に出演していたライブハウスの前まで行ったこともありました。
Princeに関わるニュースを見ていくと、2007年のスーパーボウルのハーフタイムショーがよく取り上げられてます。過去最高のハーフタイムショーだったと言われているようです。
短い12分程度のショーですが、よく練られた構成とPrinceならではのパフォーマンスです。最後は雨の中、紫色の照明でのPurple Rainでした。
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(
YouTubeのサイト に行かないと見れないようです。)
Princeはセクシャルな容姿で誤解されているかもしれませんが、稀代のエンターティナーだと思います。観客をとことん楽しませようとしてくれます。
あとニュースの中で胸を打ったのは、CNNがStevie WonderへPrinceについて生放送でインタビューしたものです。
Princeの足跡を振り返りながら、PrinceがStevie Wonderに憧れて、いろいろな楽器を自分で演奏するようになったというPrinceのインタビュー映像の後に、Stevie Wonderのインタビューが始まります。
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数あるアルバムの中で一番気に入っているアルバムはなんだろうと考えた時に、Sign of the times (1987年)になるかなと今は思ってます。これは、ライブの映像が映画になったものを、わざわざ映画館に見に行ったというのもあるかもしれません。
タイトルナンバーのSign of the timesのギターがかっこいいんです。実は、ギタリストとしてのプリンスが好きでした。(そういえば、Stevie Wonderのアルバム A Time 2 Loveの中のSo What the Bussという曲では、Princeがギタリストとして参加してます。)
昔は意味深な歌詞や難解な曲を楽しむのがプリンスのマニアみたいなところがあって、ポップな分かりやすい曲やアルバムを出すと難しくないからダメだみたいな批判があったりしました。確かにアルバムが出てから、難解な部分をいかに消化していくかという楽しみ方もあったかもしれません。
Princeは、様々な音楽を組み合わせて新しい音楽を生み出す天才だったし、優れたメロディを生み出す天才だったと思います。(何だこのフレーズ、何だこのアレンジはというのを凡人は時間をかけて消化していくんです)
Princeは、影響を受けた音楽については尊敬の念を持って取り上げてます。まさにそのようなアルバムとしてMusicology (和訳だと音楽学 2004年)があります。タイトルナンバーでは、James Brown, Sly & the Family Stone, EW&Fが取り上げられてます。
また、アルバムLove Symbol (ほんとうは文字というかマーク 1992年)のSexy M.F.は、James BrownのSupper Badのリズムそのままです。Rave Un2 the Joy Fantastic (1999年)のHiddenでは、James BrownのSex Machineでサックスを吹いていたMaceo Parkerが参加してます。この頃のバックバンドには、Sly & the Family StoneのベーシストだったLarry Grahamが参加してます。
また、アルバムLOtUSFLOW3R (2009年)のDreamerはJimi HendrixのVoodo Chileのギターの感じそのままです。
最近は(と言っても2007年)、アルバムPlanet Earth (2007年)あたりから、円熟味を増して、非常に質の高い音楽を出していたと思います。
最新作のArt Official AgeやHITnRUN Phase ONEでは、デジタルを駆使した音作りに回帰しつつあって、次はどうなるのと楽しみに待っていたところでの訃報でした。
自分が好きなアーティストが亡くなるのが増えてきたというのは、自分もそれだけ年をとったということでしょうか。
今後、Princeから生み出される新しい音楽が聴けなくなると思うと、残念でなりません。
今は、PrinceのCDやYouTubeの映像をずっと聞いたり観たりしてます。
デビューから4作のアルバムは、ベスト盤を持っているからいいやと買ってませんでしたが、買うことになると思います。
また、膨大な未発表曲があるそうなので、それがリリースされるのを待ちますか。
(死因とか遺産とか、まだワイドショーネタが 出てきてますが、どうでもいいです)
立ち直るにはしばらく時間がかかりそうです。