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海外で活躍する自動車デザイナーの永島譲二氏がある自動車雑誌にこんなことを書いていました。

ウェイン州立大学を卒業した永島氏が最初に入社したのは８０年代初めのＧＭ（職場はオペル）でしたが、その時「アメリカの自動車産業はいずれ衰退する」と思ったそうです。


なぜか？


米国資本の自動車メーカーが設計の際に使用する長さの最小単位がインチだったからです。

メートル法を使用する我が国ではミリメートルの単位まで当たり前に使いますが、１インチは約2.5cmですから、１ミリから考えたら最小単位が２５倍ぐらい違うことになる。

で、１インチより小さい長さを使う場合はいきなり1/2インチとか1/4インチになってしまうんだそうです。

とつぜん分数になっちゃうわけですから、欧米や日本に比べて緻密な設計ができないのは当然とも言える。

現場で働いたデザイナーらしい切り口だと思って感心しました。


先進国の中では最も若い国の一つであるアメリカ。

かつて時代の先端を行った自動車産業が、いつのまにか最も保守的な業界になっていたのかもしれません。