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保険金の二重課税をめぐる最高裁の判決、ご存知の方も多いと思います。

被保険者の死後に支払われる保険金は、大きく分けると一時金と分割払いすなわち年金形式があります。

一時金で受け取る場合は相続税の課税対象ですが、年金の場合は①まず年金受給権が相続税の課税対象となり②支払われた年金は雑所得つまり所得税の課税対象になります。

この年金型死亡保険金に対する課税制度が違法であると最高裁で談じられたわけです。

「違法である」とされた課税制度は税務通達に明記されており、私は保険業を始めた頃に学びました。

私の勤務先では、個人客にはかなりの割合で年金払い型死亡保険を販売しています。

現に私自身でも支払い中のお客さんがあり、ちゃんと源泉徴収をしてお支払いをしています。

その原理原則というか常識、大前提が覆されたわけでして、この判決のインパクトがどれほどのものか、保険業界と税務当局以外の方にはおわかりになりますまい。

こう言っちゃあ何ですが、そもそも税制には筋の通ってないものがたくさんあり、ザマアミロという気持ちがなくはない。

それにしても訴訟を起こしたのは九州のとある主婦。

夫の死亡保険に雑所得を課税されたことがどうしても納得がいかず始めた裁判だったとか。

保険業界と国税当局に革命をもたらした功績は、後世に語り継がれるほどと言っていいでしょう。