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どうしてこんなことが。

私の頭の中には、「酷い」という言葉しか浮かんできません。

いや、ムゴイという語彙をもってしても、被災地の悲惨さの何万分の一も表現できない。

阪神大震災の時、ある著名人が新聞にこう書いていました。
「地震で人は死なない。
人が作った物で死ぬ。」
なるほど真理だなぁと思っていました。

でもそうじゃなかった。

数え切れぬほどの人々の命も、財産も、仕事も、生活も、文化も、何もかも奪ったのは紛れもなく自然そのものだった。

天罰だとか運命だとか、そんな感傷的なものさえ寄せ付けない。

ＴＶで「まるで戦場のようだ」と表現されているのをよく耳にしますが、戦争は人間が始めるわけだから止めることもできる。

しかし地震や津波は誰にも止められない。

自然とは、人間の想像力などはるかに越えたものなのだという事実があるだけのような気がします。


しかしこの稀にみる不幸に拍車をかけているのが原発事故です。

いまさら誰が悪いと言ってみたところで始まりませんが、国も東電も、そして我々国民すべて、「こんな事が起きたらどうする？」という想像力があまりにも欠落していたと思います。
自然はそこを突いてきたのです。


いったいいつになったら多少でも事態が好転するのか。

復興らしきものが見えてくるのか。


寄付も含め、私なりに精一杯のことはしようと思っています。

しかし、では他に何ができるんだという無力感ばかりでなく、まったく今まで変わらず生活できていることに対してある種の罪悪感を覚えるのが苦しい。

「がんばろう」と応援する言葉すらかけづらい。

被災地の写真や記事はどれも悲惨の極みですが、とりわけ心が痛むのは７割の児童が今も行方不明という小学校です。

泥にまみれたランドセルの写真を見ながら思うのは、地震が命や財産だけでなく、生き残った人たちの生きる希望すら奪おうとしているのではないかという不安です。