ぜーたの熊本弁講座～マニアック編3～

前回、前々回では、主に菊池郡で使われている方言を紹介しましたが、今回は母親方の故郷下益城郡で使われている方言を紹介します。(ﾟωﾟ)
菊池ではあまり聞かない言い回しも出てきます。



■せんばん

「しなければならない」という意味です。
標準語だと「しなければ・ならない」で打ち消しになりますが、熊本弁だと「せなん」や「せにゃん」と同じように一語でそれらの意味を含みます。

「早よせんばんたい！（早くしなければならないよ！）」

「あっちゃん行かんばん！（あっちに行かなければならない！）」

※あっちゃん（あっちさん）⇒あっちに


■きゃあ？

疑問文に付ける「かい？」の訛りです。
基本、男性が使う言い方です。

「わっどみゃ何しよるきゃあ？（お前達は何してるか？）」

「ばあしゃんなどくさん行かいたきゃあ？（ばあさんはどこへ行ったかい？）」

※わっどま、わっどみゃ⇒お前達は（我共は）
※どくさん⇒どこへ（「～さん」で方向を表す）
※行かる、行かいた⇒行きなさる、行きなさった（目下に使う敬語）


■いち食う、いち食うた

「（誤って）食べる、食べてしまった」という意味です。
食べるつもりは無かったけど…、人のものだったけど…、うっかり…、という時に使います。

「あやつは俺んとばいち食うてしもた！（あいつは俺のを食べやがった！）」

「ごめん、ひだるかったけん、いち食うたばい。（ごめん、腹が減ってたから、つい食べてしまったよ。）」

※ひだりい、ひだるか⇒腹が減った


■ようじゃ

「散らかっている様子、収集が付かない様子」を意味します。

「こらようじゃんごつしとるばい。（これはようじゃのようだね。）」

「片付けなっせ！ようじゃじゃなかっだけん！（片付けなさい！ようじゃではないのだから！）」


■ほじく

「開封する、ほどく」という意味です。

「新しかつばほじいてよかと？（新しいのを開けてもいいの？）」

「ほじいたポテトチップスのあるばってん、湿気ってしもとったい。（開封したポテトチップスがあるけど、湿気ってしまってるね。）」


■ふゆじ

「めんどくさがり、怠け者」の意味で使います。
自分は小さい頃に「ふゆじ」と言われて怒られていましたが、それは今でも変わらず「ふゆじ」のままです。（笑）

「ふゆじになりなすなよ！（怠け者になりなさんなよ！）」

「いっちょんしごつもせんで、ふゆじのごたるばい。（ちっとも仕事もしないで、怠け者みたいだね。）」


■とおし

「いつも、ずっと」の意味です。
漢字で書くと「通し」だと思います。

「とおし腰の痛（いと）てしてどんこんなんばい。（ずっと腰が痛くてどうもこうもならないよ。）」

「あんひたとおし市内さん行きよらすばってん、何の仕事（しごつ）ばしよらすとだろか？（あの人はいつも熊本市に行かれているけど、何の仕事をされているのだろうか？）」

似た意味で「いつかっしじゅう」という言い方もあります。
個人的には「いつから始終」の訛りだと思います。

「いつかっしじゅうパチンコばっか行ってかっでけんばい。（いつもパチンコに行っていけないよ。）」



マニアック過ぎて他県の人はまるでわからないかも知れないですね。（汗）
熊本の人ならわかるはず？！＼(^o^)／