
こんにちは。
今回も長文の予感ですよ~☆
今回はもう一度「現車合わせセッティング」の基本について触れたいと思います。
セッティング記事を書いた後には数件のメッセージを頂くことが多いのですが、その中で割と多いのが調整する箇所を勘違いしている方が多いように見受けられます。
正直な話、
自分でセッティングをするのは費用対効果で考えてはいけません。
ノウハウや知識を蓄えるためには莫大な時間と考察が必要ですし、
常に全てのリスクは自分で負わなければいけません。
なのでお金が掛かるからプロに出さないといった理由ならばそれ以上のリスクを負う自分の手によるセッティングは諦め、ちゃんとお金を払ってプロにセッティングを依頼するほうが良いと思います。
その上でプロによるセッティングでは解決できないのであれば、セッティングがずれてしまうようないじり方をしないか自分で勉強して覚悟を決めて自分でセッティングするという、いわば究極の自己満足の世界に飛び込むより他に道がありません。
そんな方には
「ブレないセッティング手順」を確立することが大事と思います。
さて、私のセッティング手順は・・・
とにかく
基準となるA/F合わせに尽きます。
点火時期ももちろん変更は行いますがその点火時期もA/F値によって大きく左右される要素なので
「何に対してのその数値なのか?」という事を絶対に忘れてはいけません。
ここではパワーFCの考え方を採用してますのでその機能を生かすためにも
「燃料マップは理論的な空燃比へ導くための指標である」という部分を核に考えます。
市販されているセッティングマニュアルはいわば想像的なフィーリングのセッティングとなりますので
燃料マップや点火マップをいじりすぎてしまうといった問題が多く、
「ノッキングが出たら、点火時期を遅くするか燃料を濃くする。」
のようなノッキング値を基準としたセッティング手法になっているものが大半です。
このような手法ですと、理論的である燃料マップがどんどん何を基準にしているのか分からなくなり、更にO2フィードバックを有用にした状態でのセッティングになりますので更に極端に数値がかけ離れてしまいます。
この方法は間違っているとは言えないのですが、正直どの場面でO2フィードバックがどちら側に作用していて、さらにその時のマップの数値と次のマップの数値の差の違いを把握しながらセッティングをすることは非常に困難でしょう。
ここで思い出して欲しいのが「現車合わせ」という言葉。
=セッティングのように使われますが何を何に合わせるのか?ということが重要です。
つまり
「理論値に現車の実数値を合わせて行く作業」
となります。
実数値をあわせるために、理論値を変更していては、そのうち絶対に混乱してしまいます。
どこまでが理論値で、どこまでが補正値なのかが分からなくなってしまうことは一番避けたい状況です。
前置きを長く取りましたが実際には
O2フィードバック無効状態でのA/F合わせ。
まずこの基準を作るために暖機後のアイドル状態で車両のチューニングにそった基礎データを入力します。
1:インジェクター容量比と噴射無効時間
2:使用するエアフロの基礎データ選択や入力
3:アイドルの空燃比
1番については
使用するインジェクターが純正の場合は原則インジェクター係数は1.0です。
大容量インジェクターに変更している場合は純正との容量比で大型化していれば1より数値は小さい値になります。
2番については純正エアフロならばとりあえず純正を選択して、他のデータの用意されているエアフロに変更しているならばそちらを選択します。
データのないエアフロについてはメーカーに問い合わせるか、実測するしかありませんがそこを
対処できないようなら、選択可能範囲のエアフロを使うべきです。
3番については私の場合は
O2フィードバックの基準になる数値を採用してますので、
ER34のO2センサーでは14.8目標ですから
パワーFC上では燃料マップの値は98となります。
1番2番は準備ですが
3番は実測値の調整をします。
まずは燃料系セッティングの
「燃料噴射時間変換係数」を上記の場合なら
A/F計が14.8付近を指す様に加減します。
時期による変動幅によるリスクを減少するのであれば、オーバーシュートしやすく希薄燃焼を誘いやすい冬場に対処するために夏場のセッティングならば若干濃い目の方向のほうが安心です。
冬場は同じ量の空気中の酸素量が増えますのでA/F値は薄くなる方向です。
(故に冬場でデロデロに濃ければ夏場は更に濃くなるということです)
ここまで設定が済んだら街中で出来る範囲のA/F合わせを行っていきます。
ポイントになるのは、
マップの読み出し位置の目標A/F値。
そしてそれに対して
調整をするのはマップではなくエアフロ電圧で調整します。
画像ではアイドリング時に読み出す位置をマークしてありますが、
現在読んでいるマップの位置と実A/F値を見比べてその時の
エアフロ電圧を加減して理論値と実数値がずれないように調整していきます。
エアフロ電圧というのはその名の通り空気量によって電圧が変化しますので電圧に補正をかけて目標値に近づけます。
それを各電圧帯で行い、ギアの違いやどうしても
収まりの悪い時はエアフロの基礎データを微調整して目標値にすり合わせていきます。
高速道路など一定の速度で走れるところでギアを変えながらA/Fを合わせていきますが
私の車両の場合は高負荷時のピークA/Fの実数値で5~8%のマージンをとってあります。
(理論値11.66のところで10.4程度)
私の車両の場合は高回転では濃い目になりますのでエアフロ電圧3.5V以上のところでデフォルトに近い数値を用いていて、それより低い電圧の帯域についてはほぼ理論値に収まります。
これらの範囲の設定はログ機能のエアフロ使用率を参考に決定しています。
(Z32エアフロを使用してますので帯域などは参考値とお考えください)
ここまでが基礎になるA/F合わせの部分になります。
次回はその次のステップになる条件による燃料補正と点火時期などについて触れていこうと思います。
Posted at 2010/06/29 20:07:44 | |
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