
認知症の父に対して要介護認定の申請をしていました。
認知機能が著しく低下している父ですが、体はすこぶる健康です。自称ですが一日2回、合計10㌔のウオーキングや食事に気を配り、本人曰く「人様の世話になる事は考えられないぐらい健康や」と言っておりますが、5分前の会話の内容も覚えられない老人の一人暮らし、行政の力を借りたいと要介護認定の申請を決意したのでありました。
とは言え、本人が自称するように傍から見ても体は健康に見えます。こんな具合じゃ申請しても却下されるかもしれないな、と思いましたが市内とはいえ私の家から実家までは一般道で35km。車で1時間以上かかります。
それまでは母が親父の世話をしていましたが、母亡き今は、私が事あるごとに実家まで親父の様子を見に行っていました。休みの度に実家に行き、認知症の相手をするとなると仕事の疲れが取れず、ストレスや疲労が溜まる一方です。だから行政の手を借りたいのに息子の疲労やストレスの心配はせず、頑なに自分本位に行政のサービスを拒否しようとするんです。
5分前に話したことはすぐに忘れ、「その話さっき聞いた」と言えばプライドが傷つくのか怒り出す始末。そのくせはるか昔のことは昨日のように覚えており、市内トップクラスの高校に通い、仕事では役職クラスになり、地方新聞のひとつのコーナーに5回ほど連載記事を書いたのが大きな自慢であり、プライドとして親父の心に存在していました。お判りでしょうが傍から見てその邪魔な『小さなプライド』は、親父の中では『大きな存在』として君臨しています。本当に邪魔!もう何回同じ話を聞かせれてきたか。「何回も聞いた!」と言ったら今度は目を丸くして「ホンマか!」の繰り返し。
要介護認定の申請を親父に言った時は頑なに拒否。多分不安なんでしょうね。注射の順番を待つ幼稚園児のように嫌がるんです。主治医の意見書をもらうため、かかりつけの内科に連れて行こうとしても「健康やのに何で行くんや?」の一点張り。イヤイヤ期の駄々っ子のようで、それが体の大きな大人だから手に負えない。喉のギリギリまで『親父の頭が爆発しとるから介護認定受けるんやろ!』って言いかけましたが、ぐっと堪えました。こういう時は本当に保育園児と会話している感じで語り掛けます。
ずいぶんと苦労しましたが、何とかかかりつけ医の意見書を書いてもらい、ケアマネージャーの訪問調査を受けました。予想通り普段は5分と持たない記憶力を最大限発揮して『自分は介護認定を受ける必要のない人物』を猛アピール!全ての質問に的確に答えていく親父のその時の集中力は大したもんだと半ば呆れました。結果は3か月後に出ます、と言ってケアマネさんは帰って行きました。
6月に申請したから9月か、、、長いな。その間また私が実家へ親父の様子を見に行かなきゃいけないのか。。。と思っていたら先日電話があり、要介護の結果が出たと。
要介護1
去年亡くなった嫁のお義母さん。晩年を我が家で引き取り一緒に住んでいました。お義母さんも認知症を患っていましたが、介護申請は
要支援1→要支援2→要介護1へと順を追って進んでいったので、体が元気な親父を見ての嫁の見立ては『申請却下』も有りうるよ、と。
申請して良かった。
しかし、今度ケアプランの相談にケアマネさんが実家へやって来るんですが、案の定、拒否する父。疲れるわ・・・。いきなり施設へブチ込むなんて事はしないって言ってるんだから素直に行政のサービスを受けたらいいのに、何をビビッてるんだか・・・。体が元気なのはある意味有難い。日常のルーティーンは親父一人で何とかこなしているようだ。だから最初は「訪問介護」として普段の生活を変えず、週に何回か実家へ訪問してもらって、私に親父の様子を伝えてもらいたい。ただそれだけ。
私の苦労やストレスなど一切考えず、全て自分中心。こんな親にはなりたくない。自分の行く末を見せてもらってると思うのですが、私は自分の子供にこんな姿は見せたくないし、なりたくもない。もしも自分が認知症になり頭が爆発して子供や孫に迷惑をかけながら生きるのなら、とっとと施設にブチ込んで欲しいと願います。
土地付きの家を買ったり、旧車のスカイラインを所有したりしているのは全て将来の子供たちのため。少しでも資産を持ち、売却して子供たちに譲りたい。私のこの気持ちのほんの少しでも親父にあれば、と思うのですが、認知症の親父には何を期待しても無理なんでしょうね。
ああ、ストレスだけが溜まっていく・・・。
Posted at 2024/07/21 14:50:42 | |
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