正直、乗れるとは思っていなかったのですが。
ディーラーさんには嫌がられるのでしょうけど、
ノベルティのカードケースをもらいに土砂降りと小雨を繰り返す中、
行きつけのディーラーさんに行ってまいりました。
展示車とナンバーつきの試乗車が置いてあり、
せっかくの展示試乗会なのに雨でお客さんの出足が悪く、
「(この雨の中)乗りに来ていただけたのですか(喜喜)」とお出迎え。
他に見に来ている人がいなさそうなので、ちょこっと運転させてもらいました。
今回の600、セイチェントと読みます。
500チンクエチェントの兄か姉ともいうべきクラスなんでしょうか、
SUVの500xよりも見てわかるとおり若干クーペスタイル。
後席の乗車空間としては、身長178cmのワタクシが
普通に助手席をセットした場合、前席背もたれと膝のクリアランスはほとんどなし、
頭上はげんこつ2個弱といったところ。
シートの座面と角度、いわゆるトルソアングルは個人的にはいい感じと思います。
座ってみて悪い感じはしません。
リアゲートは電動です。
閉まるときにパチャッと半ドアで閉まって電気で吸い込むあの感じではなく、
そのままバンッて閉まるので、残念ながら電動化による高級感はありません。
それでは運転してみましょう。
なんせディーラーさんでもまだこれから勉強するとのことで、
とにかく走らせるだけ状態ですが、雰囲気だけでも。
メーターは当然のことながらフル液晶、4?5種類かな、変更できます。
チャージやパワーなど、いかにも電気自動車のような表示もあります。
タイヤはグッドイヤー製、銘柄は確認せず。
気になる走行続可能距離は100%充電で航続距離は約490km、
ついに一般的に買えるクラスで数値的には遜色ない距離を手に入れました。
ただし8掛け程度の400kmと言いなさい、との話があるとかないとか。
実際、試乗車は96%残量で409kmと出ていました。
さて、道路に繰り出すと、電気なので当然静か。
雨の日は晴れている日と比べて音の伝わり方は変わるので、
晴れている日に乗るとまた違うかもしれません。
動き出しは黎明期の電気自動車のように飛び出すこともなく、
乗り慣れた内燃機関のクルマのように動き出すのですが、静かなんですよ。
当たり前ですが。
タイヤのザーッという音が気になるけれど、走り始めると気にならなくなります。
雨の影響もあるでしょうね。
前進ではDレンジとBレンジが選択できますが、
Bレンジでは強めのブレーキ効果があるぐらいで
他社製品のようなワンペダル走行を可能とする感じではありません。
ドライブモードとしてエコ、ノーマル、スポーツの3種が選べます。
走行可能距離ですが今回の充電残量での409kmはエコでした。
ノーマルで389km、スポーツで369kmと20kmずつ減りますが、
走行可能距離を出力に回しているんですね。
実際の走行では、街中はエコでも十分です。
走り出しはスムーズで、パワーと車速が伸びにくい感じ。
何かに抑えられてる感が感じられますが、動き出しが悪くないため、
嫌な感じではありません。
ノーマルでは言うことなし、特に気にすることもなく普通に走れてしまいます。
スポーツでは結構速いです。さすが電気!航続距離を気にしなければ爆速かも。
乗り心地は良い部類。
フロアにバッテリーが敷き詰めてあるのでしょう、重いでしょうが、
それが乗り心地の良さと剛性の高さにつながっていると感じます。
いうても安物のクルマではありません。
今の時代の新型車なんです。
さて、この600、これから売られていく中でネックとなるものは何か。
これは想像に難くないことですが、車両価格と充電ポイントでしょう。
車名が600なだけに、600万円にもう少しで手が届く、とは言いませんが、
補助金を考慮しないで585万円を高いと見るか妥当見るか。
輸入車乗りなら、おっいいお値段、と思えるかもしれません。
クルマとしては悪くないのでね。
あとは充電ポイントでしょうか。
いくら走行可能距離が長くなっても、給電時間が長ければ行動に影響が出ます。
じゃあ、家で充電できるし近距離ばかりだから問題なし、
というにはちょっとお高くないですか。
しかし今、世の中で電気自動車しか買っちゃいけません、
電気自動車しか乗っちゃいけません、な時代になったとすれば、
現時点でこれはなかなかいい選択かもしれません。
電気電子の業界は、1年、5年と経った時に出てくる商品が
半端なく進化している、そういう業界です。
これから来るべき電気自動車の世界に多少興味が出てきました。
試乗後の感想
もう電気自動車でもいいかもしれません。
手を出すかどうかは別ですが。
どっちやねん、ですねえ。
ちなみに600、いいクルマだと思います。
もう1回乗らせてもらおうかな。

雨の中用意してくださった試乗車です
白い耳がカワイイ。オプションでしょうか。