以前のブログでチラッと書きましたが、クリオV6純正クラッチの摩耗追従機構がどんなものなのかを調べる為、カバーをバラバラに分解してみました。
その前に、一般的なプッシュタイプのクラッチの構造を。
ざっくりとした構造はこんな感じですかね。
支点A、Bはワイヤーリングになってる事が多いと思います。
それをリベットでカシメて固定。
社外の強化クラッチ、特にアルミカバーのものは、ココがリベットではなくボルト仕様になってて、バラしてダイヤフラムスプリングの交換(=オーバーホール)が出来る様になってると思います。
で、ディスク厚xが薄くなると、当然その分プレッシャープレートが下がります。
となると、支点Cも下がり、支点A、Bは固定なので、そこを中心にダイヤフラムスプリングの姿勢(傾き方)が変わってきます。
具体的にはダイヤフラムが立つ方向にいきますね。
となると、その分レリーズコンタクト部が上がっていきます。
昔のワイヤー式のクラッチレリーズの場合、この摩耗した時のダイヤフラムの姿勢変化を見越して、コンタクト部の隙間を調整してやる必要がある訳です。
で、ダイヤフラムスプリングって要は皿バネなので、姿勢が変わると荷重そのものが変わってきます。なので、レリーズ時の荷重(=ペダル踏力)も変わってくることになります。
さて、摩耗追従機構とは・・・って話ですが、要はこのダイヤフラムの姿勢変化をなくす機構やと思います。
ディスクが摩耗した分プレッシャープレートの支点(支点C)が変化すれば(高くなれば)、ダイヤフラムの姿勢もレバー高さ(コンタクト部の高さ)も変化ない訳で。そんな事が可能かどうかは知らんけどw
よーく見てみると
バネで移動する様なプレートらしきものがチラッと見えます。
これが摩耗追従機構の要なんでしょう。
では早速クリオV6の純正クラッチをバラバラにしてみますw
基本、カバーとプレッシャープレートはストラッププレートで連結されてるんで、こいつを外します。
カシメてあるリベットの頭飛ばして、ポンチで打ち抜くと
外れました。
プレッシャープレート外した後のカバーは
なるほど、支点Bにあたる所がバネっぽいですね。
では、こいつを外すので赤矢印のリベットを外します。
表側のリベットの頭はコレ。
こいつを飛ばします。
そういや説明し忘れてましたが、リベットの頭飛ばすのは
ボール盤使います。
電動ドリルでもやってやれん事はないですが、ボール盤の方が遙かに確実・楽チンですね。
僕の持ってるのは卓上ボール盤でチャックはΦ12程度までですが、十分作業出来ました。
こんな感じで穴開けて
タガネで飛ばします。
で、あとは程よい径のポンチ等でシバキ倒して、リベットを打ち抜きます。
全部のリベット外したら
バラバラw
噂の摩耗追従(と思われる)プレート
外してみると
なるほど、傾斜してて歯が切ってありますね。
この部分の相手側(カバー)はというと
ふむふむ、コッチも傾斜してて歯が切ってあります。
(表側から見た時、冷却フィンかなって思ってましたが、ココがまさかの摩耗追従機構でした)
つまり、この噛み合いの位置がズレる事で、支点Aの高さが変わる訳ですね。
で、支点Bは完全固定ではなくバネになってるので、Aが変化した分Bも変化する、と。
これをモデル図で説明すると、
先ずこれが正規の状態。
(厳密に言えば支点A、Bの位置が違うんですが、そこはスルーしましょうw)
これがディスクが摩耗すると
こんな感じで、支点Aが噛み合いがズレることで高さが変わり、その分支点Bのバネ部分が潰れる感じで変化を吸収。
結果的にコンタクト部の高さそのものは低くなるものの、ダイヤフラムの姿勢は変わらないので、ディスクを押し付ける荷重もペダル踏力も変わらない、という事ですかね。
ダイレクトレリーズでベアリングは常時接触なので、レバー高さが低くなっても問題ないでしょう。当然その分を見越した設計になってると思いますし。
**追記**
もしかしたら、単純にレバー高さが変わらないのかな?とも思ったり。
ディスク摩耗でレバーが立つ分、支点A、Bの変化で相殺、みたいな。
ま、どうでもエエけどw
**追記終わり**
さて、あとは、支点Aの噛み合いがズレるタイミングですね。
これはドラムブレーキの隙間自動調整と同じやと思うんですが、どうでしょう。
追従機構がなければ、本来ならダイヤフラムは立つ訳です。
で、レリーズのMAXストローク位置は基本変わらないはず。
てことは、摩耗すればダイヤフラム上のレリーズ量が増えるので、ある一定量を超えたら支点Aがズレるんじゃ無かろうかと。
で、それを検知?するのが
コレやと思うんですよね。
試しにコレだけをプレスで押してみます。
変化を見る為にダイヤルゲージをセット。
・・・結論から言うと、よく分かりませんでした(爆)
このレバー?を押せば、それに追従してカバーそのものもたわんでいくのは分かりましたが、「で、どうなの?」って感じです(^^;
組んだ状態じゃないと分かんないのかなぁ。
外したリベットに貫通穴開けてボルト止めにすれば組めんことはないですが、そこまでするのは果てしなくメンドクサイので却下w
分かった様な分からんかったような中途半端な調査結果ですが、個人で出来るのはココまでと言うことで。
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Posted at
2021/07/01 18:01:45