父の日プレゼント

「一日だけ長男を自由にこき使って良い券」という父の日プレゼント。
天候と休みが嚙み合わずになかなか受け取れなかったが、僅かな梅雨の晴れ間を
縫ってようやく権利を行使することがができた。

父の希望は、標高1600ｍ超えの高所にある地元の岩場（５月にゴローと一緒に
下見）で父子二人だけのクライミングを楽しむこと。
不便な場所だけあって訪れるクライマーも限定的、僕達親子にとっても初めての
岩場だ。
雨こそ降らないが、時折、霧がかかって辺りが霞むような天気。
僕らの他には誰もいない。


支度が済んで、息子は「最近、岩登りはしてないからどうかなぁ・・・？」と言う
がその前腕は相変わらず逞しい！


ウォーミングアップ用の優しいルートは、前日までの雨の染み出しがあって登れ
ないので、のっけからそこそこ厳しいルートに取り付く。
ここ最近、訪れた人もなかったようでホールドには土や苔が詰まっていたが、長男はブラシを持って登りながらクリーニングをしてくれる。


ホールド掃除、ロープセットと至れり尽くせりの「父の日クライミング」♪


息子が登っているのを見て、もう少し楽なルートかと思ったが、核心部を簡単には
こなせず、あえなくテンション。


午後は、この岩場を代表する３段のオーバーハングを越えていくルート。
息子は一度目はクリーンナップ、二度目で簡単？に完登。


身体能力の衰えた父は、ハング越えの恐怖に悲鳴を上げながら息も絶え絶え、
鋭い岩角の擦り傷で血だらけになりながら何とかトップアウト。
叱咤激励されながらも息子がロープを確保してくれているというのは、何物にも
代えがたい安心感。


望みの叶った父は、もうくたびれ果ててフラフラ。
息子に抱きかかえられるようにして記念撮影。
今日一日だけは、最後まで優しい。

さて、来年もこんな父の日プレゼントを受け取ることが出来るだろうか？