こんにちは、銀匙です。
先日、スパークプラグとオイル交換で大変元気になったうちのパジェロミニ。
もう1つ気になっていたのがシフトレバーです。
元々座高が高い私は純正のシフトレバーでは高さが低すぎて届かない事があったため、自分でトラック用のウッドシフトノブを好みの長さに切断して使っていたのですが、連日浴びる日光に塗料が負けてしまい、みすぼらしくなってしまいました。
そこで汎用の5MTパターンが刻まれた革巻きシフトノブを買ってみたのですが、下記写真をご覧ください。
シフトノブの付け根ですが、穴の外側にはオスネジが切ってありますが、内側にネジが切られてないですよね?
純正ノブでは奥まったところに10x1.25というM10細ピッチのメスネジが切られているのですが、このシフトノブにはどこにも切られていない。
じゃあどうやって固定するのかというと、結論からいえば「固定出来ない」んですね。
説明書にある方法は、
1.車から生えているシフトレバー(オスネジ側)にゴムキャップを被せます。
2.そのゴムキャップごとシフトノブに押し込んでください。
3.ゴムキャップが外れないようにイモネジで固定します。
というもの。
イモネジがシフトレバーを固定するのではなく、あくまでもゴムキャップにかかるだけなので、
シフトレバー → ゴムキャップ → シフトノブ
という、まさにゴムを挟んだグニャグニャした感覚になります。
そして回転方向に固定出来ていないのでシフトするだけで簡単にノブが回ります。
そこまでは想定してたのですが、
1時間ほど走って、何気なく力をかけたらノブがあっけなく外れた。
えぇ・・
走行中にノブを上方向に引き上げるアクションはしないとは思うのですが、ぐるぐる回るのも情けないし、これはダメだなあと。
そのゴムキャップも装着前に比べて明らかに内径が広がって緩んでます。
で、改めて下記写真をご覧ください。
要は
シフトレバー → ゴムキャップ → シフトノブ
の、ゴムキャップを金属で代替すれば良いんじゃないか。
そう思って色々探したわけです。
金属製のスペーサーとか、ラウンドナットとか、高ナットとか。
しかしいずれも
M10x1.25ピッチ
というネジ規格での扱いが無いんですね。
こんなん旋盤と鉄の棒があれば1時間もありゃ作れるんですが・・・
まぁ無い物ねだりをしても仕方ありませんし、その為に旋盤買うのも本末転倒です。
あれこれ考えまして測りながら唸ってたのですが、よくよく見るとM10のクロメート六角ナットの最大部の実寸と、シフトノブの穴の部分の直径は、穴の方が0.8mmほど狭いだけなんですね。
最大部ってどこかというと、六角形の角から反対側の角までです。
角を金やすりで削って叩き込めば入るんじゃね?
というわけで、やってみました。
入りました。
まぁそこそこ角は削りましたし、ナットを傷めないようにゴムハンマー使って叩きまくりましたが、シフトノブ側が柔らかいアルミ材だったのでどうにかなりました。ステンレスや樹脂だったらこのやり方はダメでしょうねえ・・
注意点は私は高さ1.5cmのナットを2つ埋め込みたかったので、ナット同志の溝の連携を取るために一旦M10のボルトに削ったナットを2連続で嵌め、ボルトにつけたままシフトノブに叩き込んだということと、叩き込んだナットのゆるみ止めとして、念のために元々ついているイモネジを使ってナットを締め上げたことでしょうか。
なお、車に装着する時はダブルナット(実際はトリプルナットですが)のやり方で位置決めをします。
まずはM10ナットを1つ、単独でシフトレバーの一番奥までねじ込みます。
次にM10ナットを埋め込んだシフトノブをシフトレバーにねじ込み、丁度良い高さにします。
続いて先にねじ込んだM10ナットを緩む方向に回していき、シフトノブと当たったらしっかり締めこみます。
これでシフトノブを回転方向に固定し、なおかつ好きな高さに調整できます。
この程度、製品として最初からして欲しいんですけどね。
クロメートのM10ナットなんて1つ数十円ですし。
これでしばらく使ってたのですが、アマゾンで4ランナー、つまり日本でいうRAV4用の5MT用シフトノブを売ってまして、こっちの方が文字がくっきりしていて見やすいなあと。お値段も2000円程度です。
早速入手したんですが、実物を調べると2つ問題がありまして。
1つはシフトノブに切られたネジが12x1.25ピッチで、うちの10x1.25と異なること。
もう1つはシフトノブ内側のシフトレバーを通す穴が12mmボルト用にしても緩いくらい大きいこと。
2つ目の何が問題かというと、このままシフトレバーにM10→M12変換アダプタを噛ませて装着すると、シフトレバーはM10直径であるため、シフトノブと隙間が空いてしまい、ネジの部分だけでシフトノブを支える事になり、シフトノブ内側の樹脂製ネジが早々にダメになってしまう事が予想されるのです。
というわけで追加で購入したものが「同径延長アダプタ」というやつです。
本当はM10メスをM12オスにしてくれるアダプタの方が良かったんですが、アダプタの長さとか諸々の都合がありまして。
ジェットイノウエさんが出している長さ5cmのアダプタを今回は購入。1000円位でした。
結局どうなるかというと
シフトレバー → 同径延長アダプタ → M10M12変換アダプタ → シフトノブ
となります。
M10M12アダプタは金属製で500円位ですね。
しめて3500円位。
で、先ほども書きました通りシフトノブのメスネジだけ樹脂製なので、その負担を軽くするために問題2を解決します。
具体的にはシフトノブの内側にコーキング剤を流し込んでから延長アダプタをねじ込む事で、シフトノブとアダプタの間をしっかり埋めたのです。
延長アダプタがシフトノブの外側に出る部分は2cmも無いことと、黒色のコーキング剤を使ったので、まさに最初からそうだったような仕上がりとなりました(どうせ見えないけど)
今まで加工するなりしたシフトレバーを並べてみます。
※この他にも球形のノブもありますが、あれは無加工なので除外します。
次に、ここでシフトノブの重さの話をしたいと思います。
シフトノブの重さと操作の関係は一般的に下記の通りで、正反対の関係です。
軽い:無理矢理ギヤを押し込む事がしにくくなるのでギヤボックスには優しい。
反面シフト操作が弾かれたり、シフトが入りにくくなったり、操作に力が必要になる。
重い:ギヤボックスの雑味を相殺してくれるのでシフト操作が軽く滑らかになる。
反面、無理矢理な操作でも通ってしまうのでギヤボックスにキビシイ操作が出来てしまう。
まぁ純正とかけ離れなければさほど変わらないのですが。
さて、パジェロミニの純正シフトノブは重さ76gと、かなり軽量です。
NAロードスターの純正シフトノブは200g位あるようですから、純正でも随分違うわけです。
作ってきたシフトノブはどうかというと、写真の左から順に
木製のショートノブ:96g
木製のロングノブ:120g
革巻きロングノブ:149g
革巻き+アダプタノブ:176g
となります。
一番重くても100g増えただけと見るか、純正の2倍以上と見るかですが、市販品でヘビーウエイトというと400gとかそれ以上の物もあり、176gというとチタン製の軽量ノブとかが近い訳です。
なので純正に比べれば重めだけど、まぁまだまだ軽量の部類かなと思ってます。
軽自動車用のミッションなのであまり重くするのも良くないでしょうから、上限は200gくらいかなと個人的には思っています。
さて、最後に作ったシフトノブを車に取り付けてみます。
びっくりするくらい違和感がありません。
最初はダブルナットで固定しようと思ったのですが、運よく丁度良い位置だったので余計なナットもなく。
まぁナットはあるのでそのうち緩んできたら使おうかと思います。
その場で動かずにシフトしてみたのですが、木製ショートノブと比べると明らかに滑らかに入ります。
延長したので手が空振りする事もなく、ガングリップ形状なので握りやすい。革巻きなので滑りにくい。
手前味噌ですがなかなか良いんじゃないでしょうか?
次回出かける時が楽しみです。
では、では。