今は小康状態ですが、ひどい雨降りでした。
各局のニュースも、大雨関連のことが中心。
今回の大雨で不幸にも被害を被った方々の
1日も早い復興を心よりお祈りいたします。
また、これ以上、被害が拡大しないことも。
それにしてもこのところの天候は変ですね。
何かにつけ極端になった感がいなめません。
人間に対して地球が怒ってるんでしょうか?
明日以降も大雨の予報が発表されています。
皆さん、十分に気をつけてお過ごし下さい。
表題にもある通り、今日はタイヤについて書いてみようと思います。
出来る限り調べた上で書いてますが、なんせオイラは素人。
間違いがあればご指摘下さい。
車の部品で一番重要なものは何だと思う?
そう聞かれたら、何と答えますか。
オイラはタイヤだと思います。
車を構成する物の中で、唯一、路面と接しているのがタイヤ。
このタイヤが車の重量を支え、加速し曲がり止めているんですねえ。
タイヤ無くして自動車は成立しません。
このタイヤにとって一番重要なファクターは?
これは空気圧!これしかないですよね。
空気の入ってないタイヤでは走る事も出来ません。
空気でタイヤをパンパンにする事で快適に走れるわけです。
では、タイヤの構造で一番重要な部分は?
オイラはサイドウォールだと考えます。
タイヤの性能の基本を生み出すのがサイドウォール。
なぜなら、この部分で車の重量を支えているから。
そして、外からの力を伝えたり吸収したりしてるからです。
ここでタイヤの構造を見てみましょうか。
下の図は、一般的なラジアルタイヤの構造です。
空気圧によって、カーカスに張力が生まれる事で車重を支え
ベルトによってトレッド面の形状を保つ構造になっています。
そう、垂直方向の力、すなわち荷重を支えるのがサイドウォールです。
この剛性が高いほどたわみや変形が少なく、入力に対して正直です。
つまりは路面へドライバーの意志を伝えやすい、路面からの
フィードバックも受け取りやすいッてことになりますね。
タイヤの専門書によると、
「サイドウォール剛性は、カーカスが弓状に張る事によって生じる
張力剛性で決まり、その構造が同じ場合、サイドウォールが長いほど
またその形状が直線に近いほど、その剛性は高くなる」
と、あります。
あれ?おかしいですねえ。
この文章を素直に理解すると扁平タイヤはダメって事になります。
それどころか、極端な話、一番高性能なタイヤは↓これって事に・・・
確かに重量を支えるって事ではピカイチなんだけど・・・
じゃあ、各メーカーが高性能だと言って売り出している
ロープロファイル(扁平)タイヤってなんなんでしょう。
これはあるメーカーのHPに掲載されてたタイヤの断面図。
確かにサイドウォール形状は、タイヤが扁平になるほど丸くなります。
ッてことは、サイドウォール剛性が低くなる!=性能低下!!!!!
でも実際に販売されているタイヤはそうじゃないんですよ。
扁平にした事で、ヨレが少なくCP(コーナリングパワー)も向上しました!
なんて売り文句が踊ってますよね。
ここで、上の赤文字部分、緑のラインに注目。
そう、「構造が同じなら」・・・・
下の2枚の写真を見比べて下さい。
上のタイヤは、どこにでもある普通のタイヤです。
下のタイヤは、ロープロファイルでリムガード付き。
このリムガードってやつ、よくこんな名前を思いついたと感心します。
これ、実際にはサイドウォール剛性強化のための形状。
リムを傷から守るためじゃありません。
サイドウォール形状を直線に近づけているんです。
理由?
上の赤文字部分「直線に近いほど・・・」 ね。
そうです、ロープロファイルタイヤは漫然と作ると腰がなく
反応も悪く、乗り心地の良いタイヤになっちゃうんですねえ。
さて、愛車のタイヤを扁平にしたい=インチアップしたい時には
タイヤ外径を極力変えないように注意しますよね。
そりゃそうだ、メーターも狂うし、最近の安全装備満載の車だと
各種センサーが正常作動しなくなる恐れもあるから。
この時、サイドウォールが短くなる事で絶対的な変形量が減り
タイヤの円形を維持しようとするリング剛性はあがります。
また、多くの場合、インチアップに伴いタイヤ幅も大きくなり
主要構造体であるベルトの幅も広くなります。
この事により、トレッド面の変形を抑える面内剛性も向上します。
この二つはCP向上に貢献するわけですが、ロープロ化のネガを
消すためにサイドウォールを強化した事で外からの入力をいなす
能力が減っているため乗り心地は悪化しちゃいますね。
また、路面のうねりに敏感になったり、偏摩耗の要因にも。
変形に強いトレッド面が受けたショックをそのまま伝えますからね。
そしてそれは、そのままタイヤの性格がピーキーになる事に直結します。
そこを各メーカーさんの努力、タイヤ形状やトレッドパターン、
コンパウンドなどの工夫により開発目的に合わせて適性化する、と。
で、こんなに素晴らしいスポーツタイヤが完成しました!
とまあ、そうなるわけですが、何か忘れてませんか?
そう、タイヤは減るんです。
減った時には基本的な性能や性格が顔をのぞかせる・・・・
そこだけは忘れて欲しくないですねえ。
極端なロープロ化はデメリットが大きくなりすぎる気がします。
さて、原点に立ち返って車体の重さを支える性能について。
ロードインデックスって言葉を聞いた事ありますよね。
Li値って表記されている事もあります。
これ、タイヤの「最大負荷能力値」を表す指数です。
タイヤ1本がどれだけの荷重に耐えられるか?そういう指数。
空気圧によっても変化しちゃいますからね。
下の表が、この一覧表になってます。
右側のエクストラロードってのは、タイヤの構造強化により
より高い空気圧をかける事でLi値を確保する物です。
レインフォースドタイヤと呼ばれる事もあります。
下の表はダンロップさんのルマンVのサイズ表の抜粋。
表中の★マークはエクストラロードタイヤです。
この表をよく見ると、同じ幅のタイヤならロープロファイルになるほど
ロードインデックス値が低くなるのが分かると思います。
これが、サイドウォールの長さによる剛性の変化ですね。
むやみやたらに扁平タイヤにする事は良くないのが分かるでしょうか。
その実例を。
ネット上には、このような解説が出てました。
標準装着タイヤのLi値を満たせないタイヤは装着できません。
構造的にではなく、安全のため。
でも、この解説ではタイヤ外径の事が不足していますので
やっぱりルマンVのサイズ表に当てはめてみます。
黄色が標準の215/60R16です。
外径サイズの差が5mm以内のタイヤを探して着色したのが下表。
オレンジは装着可能と思われる物(タイヤ幅は???)
緑色は、空気圧の調整により装着可能な物
赤色は能力不足により装着不可となってます。
ここで注意したいのが★マーク
そうです、エクストラロードタイヤ。
標準の空気圧は運転席ドア内部などに表示されてますよね。
でも、このエクストラロードタイヤ、それじゃダメなんです。
高い圧力をかけないと能力を発揮してくれない。
下表でそれを表示してみました。
着色はタイヤサイズ表と合わせてあります。
はい、空気圧はタイヤの命です。
この表に表示されているのが適正範囲ですからね!
装着タイヤをよく理解して正しい空気圧で運行して下さい。
これを忘れちゃうと ↓↓↓ 怖いですねえ!
オイラ、インチアップを否定するつもりはありませんよ。
ただ、基本的な事を知って正しくドレスアップをして欲しいだけ。
また、それに伴うメリット・デメリットも理解して欲しいです。
正しく楽しく安全に、そして格好良く!
自分の目的にあった自分らしいカーライフを送りたいですね
おまけとして、F-1のタイヤがどれ程強化されてるかって写真を。
バーストしてもサイドウォールだけで走行・・・
えっ、なに?
遠心力でそう見えるだけってか!
じゃあ、タイヤバーストしたフェラーリからドライバーが降車中。
ね、サイドウォール1枚でもホイールは接地してないでしょ!
F-1クラスだと、これくらいの剛性が必要ってことなんでしょうか。
面白いので、サイドウォールの形状も。
上はピレリ、下はブリヂストンです。
ホイールからトレッド面へかけての形状がかなり違いますね。
ブリヂストンの方が直線的。
タイヤがワンメイクじゃなかったら、こんな楽しみ方も出来たのか!
もっと早く知ればよかった~
さて、オイラの愛車、スズキ・ソリオ
確認のため空気圧などの標準値をおさらいしてみよう。
エクストラロードタイヤなんて高級品じゃないし
どちらかと言えばハイプロファイルタイヤなんだよね。
べらぼうに高い空気圧のはず無いよね・・・・
え?2.6とか2.8とかって何?
おいっ、
スズキィ!!