HUD を使い始めて、その便利さにますます手放せない感じがしている今日この頃です。
CYBERNAVIアカデミー に参加させて頂いたとき、パイオニアの方に「このHUDに映し出す情報を色々カスタマイズできませんか?」と質問してみた、と言うのは前のブログにも書いたと思います。
現在表示出来る項目はパイオニア車内で検討を重ねた結果、現状の項目になっているそうで、それぞれの項目のOn/Offをユーザが設定できるようにしたとの事です。
※何も表示されていないのではなくて、走査の関係から、HUDの表示が何も写っていない写真。一応うp。
※首都高直結の地下駐車場に入った時に撮影。目の前の風景は首都高じゃなくて駐車場。
でも、もっといろいろ表示させてみたいんですよね。
例えば、燃料噴射時間とかを常時表示させられたら、燃費走行にも役立ちますしね。
そうそう、知ってました? 渋滞時等、アイドリングで止まって発進してちょっと走ってすぐ停車して、って言う走り方をした時と、止まらない位の超ゆっくりな速度で走行し続けているときで、燃料噴射時間は後者の方が少ないんですよ。(リーン、ということです。エンジン回転数の話は別にあります。)
Myギャランはアイドリング時の噴射時間は2.05ms、例えば1,500回転/分でのろのろ走っている時のそれは1.76msと、負荷にもよりますが、アイドリング・発進・停車を繰り返した時の方が燃料消費量が多いんです。
既にある渋滞をそれ以上延ばさない、と言う意味でも、前方に渋滞があったら車間距離を維持して、なるべくブレーキランプを踏まずに(自分が踏めば後続車も踏む。それの連鎖で最後は停車してしまう)、のろのろでも走り続けた方が、燃費も良くなり、今ある渋滞をさらに伸ばしてしまうことも無くなり、一石二鳥三鳥でメリットが有りますよ。
閑話休題、単に「HUDデバイス」が使いたいだけであれば、下記の様な商品も有ります。使用出来るのはOBD対応車種のみで、表示できる項目も限れられるものの、ポン付ですぐ使えます。
Car Watch ハンファジャパン、マルチファンクション HUD「EH-1000」
でも、Myギャランの故障診断装置の接続は、OBDに対応する前の、三菱独自仕様です。
前述の様なOBD対応車種用の機器は当然ながら使用することはできません。
現状、MyギャランはECUのダイアグ端子から
シリアル通信で行なわれている信号を取り出し、USBに変換 して、UMPC、
OQO_2+ へ転送。これを
Windows上のアプリケーションソフト でリアルタイム表示&ロギングを行なわせています。
下記は、袖ヶ浦フォレストレースウェイで行なわれた、"
Gulf Tokyo Nostalgic Car 2&4 Festival 2013" に来られた方は既にご覧になった事があるかも知れませんが、Myギャランに掲示していたダイアグノーシスのブロックダイアグラムです。
サーキット走行の時など、このUSBダイアグノーシスから得られた情報を、パイオニアのHUDに表示させられれば、視点移動が少なくて役立ちそうです。
そこで、ネット上で情報を検索してみました。
下記は、VH99HUDについての、2012年の記事。
【カロッツェリア サイバーナビ VH99HUD インタビュー】ナビ技術の集大成がAR HUDにはある | レスポンス
> ----:AR HUDとナビ本体はBluetoothで無線通信していますが、有線あるいはWi-Fiという選択肢はなかったのでしょうか。
>
> 橋田:もちろん通信方式はさまざまに検討しました。ただHUDに映像自体を送っているものでなく、必要最低限のデータを送ってHUD内で再描画しているので、無線部分で大容量のデータ伝送を必要としなかったということです。
なるほど。
実際、ナビ本体とBluetoothで接続しているHUDのプロファイルはSPP(Serial Port Profile) なので、HUDとはシリアル通信をして、それをHUDが解釈、表示させているようです。
実は、HUDをダイアグノーシスの表示デバイスとして使えるかも、と思ったのはナビ装着後の試走の時。
ナビ本体の現在時刻と、HUDに表示されている現在時刻の分替わりのタイミングが僅かだけれどもずれたことが有りました。これは、それぞれの機器が中にクロックを持っていると言う事ですね。これは、パイオニアのHUDが、単なるBluetoothマウスなどの様に受動的に動作しているのではなく、HUD自体が能動的に動作しているらしいと感じました。
アカデミーの際、パイオニアの方に質問したところ、やはり、ナビ本体にCPUとOS、HUDにもCPUとOSがあって、両者は通信しあって機能しているとの回答を得ました。
その様なわけで、前述のVH99HUDの記事を今回改めて読み、それならばHUDをダイアグノーシスの表示デバイスに使うことも出来るのではないかと思いました。
現在使っている USBダイアグノーシス には
サブLCD も接続してあり、ダイアグノーシス本体で設定した監視項目が表示できるほか、サブLCDに装着してあるスイッチを操作することで、あらかじめセットしてある監視項目グループの変更も行なえます。
PCとはUSBで接続していますが、そのハードウェアを使ってシリアル通信をエミュレートしています。通信量は僅かですので、もしHUDとBluetoothでシリアル通信をさせる場合にも帯域が足りなくなると言った事はなさそうです。
ナビとHUDの間の通信に割り込んでジャックし、情報を追加したら出来そうです。
ナビには、偽のHUD(OQO_2+)を認識させ、そこで受信したデータにUSBダイアグノーシスの情報を追加する。
一方、HUDには偽のナビ(OQO_2+)を認識させる。
こうしてナビとHUDの間に割り込んで情報を追加してあげられたら行けるかも。
こんな感じ。勿論プロトコル解析とかしないといけないですけれどね。
ナビ <--- bluetooth(SPP) ---> HUD
ナビ <--- bluetooth(SPP) ---> [偽HUD|偽ナビ] <--- bluetooth(SPP) ---> HUD
まずは物理層や論理層レベルでの実現可能性を探ってみる。
早速、UMPC、OQO_2+ から、Bluetoothデバイスを検索し、Pioneer HUD を選択。
Pioneer HUDを登録。
UMPC、OQO_2+にPioneer HUDが登録された。
シリアルポート、com40として登録されたことがわかる。
登録されたHUDと接続を試みる。
結果は…。
接続出来ず、残念。
HUDの登録済みBluetooth機器一覧にも OQO_2+ は現れず。
もうちょっと調べてみる必要が有りそうです。
今回はこの検証のついでに、ナビ本体のBluetooth機器として、OQO_2+ を登録しておきました。
Bluetoothオーディオとしての登録です。
そうそう、ナビ本体に、OQO_2+ をHDMI接続して第3モニタとして位置付け、OQO_2+で動いているダイアグノーシスの画面を表示させると言うのはすぐ出来そうですが、いかんせん、ナビ本体の取り付け位置が低く、それよりは現状で使っている、ダッシュボード上に設置した
8インチUSB接続モニタ に表示させる方が運転中に見易いですから、こちら(HDMI接続)は今のところやる可能性無しです。
と、今回はここまで。