
■11日目 8/19(月) 天気:晴れ
走行距離:308.5km
南富良野町からテントを張りっぱなしにして、トマムまで行ってきた。再度テントを回収して、新千歳空港に立ち寄り、道央道・札樽道を通って小樽港へ走った。
2:00頃隣に居るM氏のテントのファスナーを開ける音で1度目が覚めた。ゴソゴソとしている音が聞こえたのだが、トイレにでも行ったのだろうか。そんなことを思いながらまた眠る。
目が覚めた時は4:50だった。前日、今朝トマムに行くことが決まったのだが、少し寝坊してしまった。やはり、昨晩寝るのが少し遅かったためだろう。
いつもならM氏が起きてくるのを待つところだが、今回は私のために待ってもらうことになるので、さっさと朝食の準備をする。テントから出ると、周辺は低い雲が出ていた。朝陽の気持ち良さは感じられなかったが、今日の目的は雲海なので、それを考えると良い気象条件かもしれない。そんなことをしている内に、M氏が起きてきた。
2:00頃のことだが、どうやらキツネか何かがちゃんと前室に収めていたゴミ袋を漁ったらしく、慌ててゴミ処理をしていたらしい。今回は幸い、私もゴミ袋を貰っていたので、今日の分のゴミ袋もちゃんとある。その後動物が怖くなったようで、もしクマが出たらどうする、とかまで調べだしたらしい。
こんだけ人が居るキャンプ場にクマが出るとは考えにくかったが、ここら辺も北海道初心者だな、と少しだけ微笑ましい。もちろん絶対は無いが、ロンリーキャンプならまだしも、もうそんな心配はしていない。クマより人間の方がよっぽど怖いよ、と言うと笑っていた。
しかし、私もカラスにはやられたことがあるが、キツネ被害にはあったことは無い。カラスは昼間さえ気を付けていれば良いが、キツネは夜も活動するので、下手するとサンダルを持って行かれたりすることもあるらしい。
そんなことを笑いながら話しをした。私の方は、食後のコーヒーを飲みながら一服を楽しみ、いつも通りの朝を満喫していた。M氏からは、早く出たいとか思われたかもしれないが、これもキャンプ場の朝の儀式なので申し訳なく思いながら、ルーティーンをこなす。
洗い物だけ済ませて、バイクウェアに着替えた。こんなに早く着替えるのは、奥尻島以来だ。あの時は撤収も込みなので当たり前だが、今回はテントは置いて行くのでまだ気が楽だ。ここでM氏が調べた限りでは、雲海発生中。と星野リゾートのHPに出ているらしい。これは急がなくては。
準備も出来たので、6:00前にキャンプ場をM氏と出発した。ツーリングマップルを眺めて、幾寅経由か金山経由のどちらで行くべきか悩んだ。かなやま湖畔キャンプ場からトマムへは、山を挟んだちょうど反対側だったので、結局距離はそんなに変わらないと判断。とりあえず金山方面の反時計回りに向かうことにした。帰りは、幾寅経由で戻ってこよう。
早朝でクルマが全く居ない中、かなやま湖畔を軽快に走る。前日と同じように根室本線を越えて、金山集落の国道237号に出て占冠方面へ向かう。1台トラックに追いついたが、中々のペースで走っていたのでついて行った。
今まで曇りの中を走ってきたが、占冠村境界のトンネルを抜けた瞬間、背の低い雲が立ち込めていた。これは本当に雲海が発生していそうだ。順調に進み、占冠市街に近づいたところで、道道136号へ左折してトマムへ向かう。
ここからは、少し速度を上げて向かった。流石に早朝ということもあり、すれ違うクルマはおろか追いつくクルマも無かった。この間ずっと雲が立ち込めていて、普段ならげんなりするところだが今回はワクワクが止まらなかった。
ずっと今まで人家が全く無かったが、突然石勝線が見えたと思ったらトマム駅の前を通った。以前この道も通った記憶があったが、違ったかもしれない。駅からは立派な歩道橋がリゾート方面に向かっており、その先には立派なビルが突然現れたのだ。これが、トマムリゾートだろう。何も無かった所から出てくるインパクトは中々だった。このインパクトを忘れるとは思えないので、やはり通ってないのだろう。結局キャンプ場から40分くらい掛かり、意外と遠かったと感じた。

早速駐車場にバイクを止めて雲海ゴンドラに向かう。チケットを買って、早速ゴンドラに乗り込んだ。スキーのリフトみたいなのを想像していたが、ちゃんと屋根付きで密閉空間だった。観覧車のゴンドラをイメージすると良いだろう。

ゴンドラはどんどん高度を上げていく。ツインタワーのようなホテルなのだろうか。しかし、このホテルは冬以外はどのくらい客が入るのだろうか。

熱気球も見えた。あれで雲海上を遊覧出来たら、それは絶景だろうな。しかし、いくら掛かるのか想像も出来ない。最低でも諭吉は軽く飛ぶのだろう。

意外とゴンドラに乗っている時間は長く、遂に雲の中に突入した。後は、この雲が分厚くなく晴れていれば完璧なのだが。

ようやく、終着点に到着した。雲海テラスもあり観光客がくつろいでいる。この時点ではもう少し高度を上げないと、雲は晴れないような気がした。雲が若干薄くなりつつ晴れ間が覗いているのに、もしかしたらダメなのかもしれない、と思ってしまう。
どうやらこの雲海テラスよりまだ先にも行けるみたいだ。2人でテクテク歩いていくと、段々霞が消え始めてきた。展望台があるようで、そこにも人がたくさん並んでいる。

すると、突然目の前に雲海が現れた。初めて見る雲海に非常にテンションが上がる。人が並んでいるのは記念撮影の列で、我々はそっちには興味が無いので反対側から入って写真を撮った。

これは正に雲の海だろう。M氏も大変喜んでいたが、私も嬉しかった。存在は知っていたが、朝から動く性分じゃないので、誘われない限り間違いなく行くことは無かったであろう。なので、素直に誘ってくれてありがとう、とM氏に伝えた。

青空が出ているのに、山に雲が掛かっている。というのは中々見られない光景だと思う。

どうやらもう少し回れそうで、登り坂を登っていく。

途中、子供の遊び場みたいなところがあり、そこそこ混雑していて待ちが発生していた。
しかし、M氏とも話したが、今日は夏休みも終わった普通の平日月曜なのだが、どうしてこんなに人が居るのだろうか?トマムは夏でもこんなに観光客が居るんだ、と驚愕する。それだけ雲海ゴンドラが繁盛しているのだろうか。もし本当の夏休み中に雲海が発生したら、こんなものでは済まないだろう。

雲海が出るくらいなので、8月というのに北海道の空は秋めいていた。

先ほどまで居た所が下に見える。回廊のようになっていて、その途中で記念撮影をする観光客で渋滞していた。
途中でトマムの山への登山道が出てきた。登山届、とまではいかないが、記帳すれば入っていくことが出来る。どうやら往復1時間ということで、私はこの状況であればかなり行きたくなっていた。ただし、M氏が歩くのが嫌いなのでどうだろう、と思っていたが、了解を得た。
しかし、登山道は7:00で終了したようで、もう上がることは出来なかった。前述通り往復1時間ということで、7:00を越えるとゴンドラの最終が8:00だから間に合わないので、こういう措置になっているみたい。
それでもほんのちょっと登山道に入っただけで、木々の視界に邪魔されない雲海の写真が撮れる気がしたので、警備のおじさんに無理言って入らせてもらうことが出来た。

雲海になっているんだろうな、という状況には何度か遭遇したことがあるが、本当に見れるとは思ってもみなかった。これも全てM氏のおかげだ。更に遡れば、フェリーを欠航にしてくれた台風のおかげだ。本当なら、M氏はとっくに静岡に戻っているのだから。ここでよく考えたら、もっと言えばその日のフェリーを取ったのが私なので、やはり回りまわって善意は自分のために返ってくる、というのを実感した。まさに情けは人のためならずである。

もうすっかり日は昇っているが、朝焼けの中こんな光景が見れたら凄い景色だろうな、と思った。それでも、本当に雲の海をたっぷり満喫出来た。

日付が入った看板を撮影しておく。
トマムの雲海を充分楽しみ、ゴンドラから降りることにする。ゴンドラの駅では、雲海の写真がたくさん展示されており、目を楽しませてくれた。やはり、雲海から上る朝陽というのは是非見てみたいし、写真に撮ってみたいと思った。しかし、それには4:00台にはトマムに居ないとならないので、中々キャンプ生活をする上では厳しそうと感じた。
しかし、1回/1Wしか発生していなかった雲海を引き当てるとは、本当にツイている。気象現象は、本当に通いつめないと見ることが出来ないので、こればっかりは運であろう。知床峠の快晴な羅臼岳とか、私も1回しか見たことが無いし。

ゴンドラから降りてバイクまで戻ってきた。先ほどと比べると雲が薄くなってきた気がする。キャンプ場まで戻るが、前述通り今度は金山ではなく幾寅経由で戻るため、東に向かう。
道東道トマムICを通過し、トマム市街を通過して国道38号まで戻ってきた。そこから前日昼食を食べた道の駅「南ふらの」の横から道道465号へ左折し、かなやま湖畔に戻ってきた。ざっくり3時間弱の朝の散歩となったが、かなり楽しかった。
ここでM氏が携帯片手に離れていった。上司に電話してくる、と言っていた。私はもちろん、最初から休みを申請してきたので問題無いが、今日から皆仕事が始まっている中遊んでいるのは、何となく背徳感がある。ちゃんとお土産を買って帰らなくては。
数分後M氏が戻ってきて、上司からも何とか了承を得たらしい。開口一番「実はまだ北海道で」と言うと「マジで?」と言われたそうだ。台風についての説明をしたら、納得してくれたみたい。と言っても駄目と言われてもどうしようもないのだが。M氏もこれで、懸念材料が減ったことだろう。
そこからは、撤収作業に入る。朝洗ったコッヘル等、テントのフライシートもすっかり乾いていた。結局ある程度乾かしてから収納したいので、こういう朝の散策も悪くないかもしれない。
歯磨きだけして、撤収作業を始める。北海道最終日なのでもうキャンプはしないから、シートバッグに詰められるだけ詰める。まず、普段はまずテントを設営するので防水バッグに収納するが、一番の重量物でもあるのでシートバッグの下部に入れる。つまりテントを片付けないとバッグに入れられないので、最終日は少し撤収に手間取る。
何とかテントを片付けてシートバッグに入れると、後はいつも通り片付けるだけだ。これでもか、とくらい詰めたら防水バッグには着替えだけになってしまった。毎度のことながら、毎日このパッキングするのはしんどいが、これだけ入るのかと驚く。
しかし、若干の問題が起きる。着替えだけになった防水バッグが小さくなりすぎて、固定ロープが長すぎてしまい余ってしまった。余りを調整すれば問題無いのだが、どうせ土産を買ったらまた元に戻るので面倒だ。多分ちゃんとネットで固定しているので大丈夫だと思う。
相変わらずM氏は私より撤収に手間取っていた。M氏は、23:30苫小牧港発。私は17:00小樽港発なので時間の余裕度が違うから、お先にどうぞと言われたので出発する。M氏は襟裳岬経由で向かうと言っていた。私は、昨年と同じように新千歳空港で土産と昼食を済ませる予定だ。では、また秋になったらキャンプしよう、と伝えてM氏と別れた。流石にもうM氏と合流することはないだろう。
朝も通った同じ道を走り、金山に出て占冠まで走る。当然ながら日が出てきてから雲が晴れて、気持ちの良い空になっていた。
私はてっきり占冠から日高に出て、国道274号で千歳に向かうと思っていた。しかし、占冠から国道237号ではなく、道道136号が札幌方面と出ていたのでそちらに右折した。そういえばそんな道があったことを思い出した。日高まで行くと大分大回りになっていたので、標識に助けられた。
交通量が皆無で、かつそこそこのワインディングだったので楽しく走っていると、国道274号に出た。この道は、札幌⇔帯広を最短で結ぶので、大型車も多くあまりペースは上がらなかった。でも信号も殆ど無いので、ハイペースで走り続ける。
かなやま湖畔を出て休憩がしたくなったが、セコマで買うものも無いし一服したいだけだったので、夕張の適当なパーキングに入ってみた。ここは、昔ドライブインがあったようだが、今は潰れて入れないようになっていた。とりあえず一服だけして、さっさと出発する。
夕張紅葉山を通過し、由仁町の川端駅前で国道274号は右に折れる。殆どのクルマ・トラックは右折していくが、千歳に向かうため道道462号へ直進する。ここら辺は割と景色が良いので楽しみながら走る。
しばらく走ると、安平町国道234号に出た。いつもは千歳へ向かうには直進するのだが、安平町に新しい道の駅が出来ているので左折する。曲がってすぐ、道の駅「あびらD51ステーション」の看板があり、ちゃんと国道沿いだったから寄らずにハイドラCPをGet出来た。

これで、北海道の道の駅を完全制覇したので、ハイドラバッチをGet。北海道の道の駅は120以上あるし、とても広いので中々集めるのは大変だった。最近はあまり道の駅に寄ることは少なくなっているので、スタンプブックは買っていない。
来年以降は、完全にそういう位置ゲー的な要素が無くなったので、また道の駅のスタンプラリーでもしてみようか、なんて思った。でも、当然ながら内陸部のあまりツーリングに適さない所にも道の駅は乱立しているので、それに行こうとすると交通量は多いわ、景色もそれなりだわで走るのが楽しくないと微妙だから迷う所だ。
そんなことを考えながら、ハイドラ道の駅北海道を制覇出来たことを喜ぶ。そこからは、適当に追分駅前の通りに出て、道道226号に左折する。
こちらも殆ど交通量皆無の道を楽しく走り、2018年はスルーしてしまった千歳市街方面の農道に入った。そのまま道道を走り続けると大回りしてしまったようなので、その時の反省を生かし農道に入る。すると、あっさり国道337号に出たのでやはり早いようだ。
そこから左折し、道央圏連絡道路に入る。この道は高規格道路で新千歳空港まで1本で繋いでくれるからありがたい。新千歳空港は北海道の玄関口なので、ガンガン離着陸している飛行機が見えたから新千歳空港に近づいていることを実感する。
2018年も利用しているので迷うことも無くP1に向かう。自動発券機からご丁寧に二輪車スペースへの案内をしてくれた。二輪車スペースはすぐに分かったので、バイクを置いて空港内に入る。やっぱり同じことを考えているのか、道外ナンバーの荷物満載バイクが多々あった。皆土産でも買っているのだろうか。
出発が遅くなったおかげかもう良い時間になっていたので昼食を取る。新千歳空港なのでどんな店でもあるが、今回あまり海鮮系を食べていなかったので、海鮮丼でも食べようかと思った。

函館のきくよ食堂があったので入り、奥尻・天売島で食べられなかったウニを3種お好み丼で食べる。ちゃんと積丹半島産とあったので、道内産のものを食べられて良かった。ウニはとても濃厚で美味しかった。
お腹も膨れたところで食後にソフトクリームを食べた。これで北海道のソフトクリームは最後になるので、良く味わって食べる。次は土産を物色する。ANAカードを持っているのでANA FESTAでの購入は割引になるから、会員特典は有効に利用しないと。しかし、ANA FESTAは何故かアルコールを売っていないので、別の店でサッポロクラシック6缶セット贈答箱入りを購入し、ANA FESTAで、会社の部・同僚・自分土産をたっぷり購入した。
土産の物色に時間が掛かったので1.5時間滞在してしまった。最初の30分は無料なので駐車場料金は1時間分になりそうだ。と言っても、30分50円なので痛くもない。バイクに戻って防水バッグに土産を潰れないように、慎重にパッキングしバイクに固定する。2018年と同じように、二輪車は自動精算機ではなく管理事務所に行かなければならないので、管理事務所に立ち寄る。駐車料金は予想通り100円だった。
とりあえず新千歳空港で土産と昼食を済ませたので、後はフェリーが出るまで自由に時間を使える。だが出発時間が遅かったので、もうどこかに寄る時間は取れそうにない。小樽港へは15:30~16:00くらいまでに着けば良いのだが、もう14:00を回っていた。流石に下道で行くには危なそうだったから、平日で高いがやむを得ない。高速で行くことにした。
千歳ICまで行っても良かったのだが、新千歳空港ICのCPを取っていなかったので、そちらに回ってみる。すぐそこかと思ったら意外とあったが、道央道に入った。
高速は快適そのもの、順調に進み札幌南料金所を通過し、札幌JCTから札樽道に入る。少し時間の余裕が出来たので、銭函ICで降りて国道5号に入った。ここからの国道5号は信号も少なくあまり混雑しないので、少しでも高速料金を節約したい。
銭函から先の国道5号は、2車線あるのにワインディングで車線も広い。その区間を楽しく走っていると、ネズミ捕りのようなのが見えた。もちろんそこまで出してはいなかったが、少し焦る。しかし、中央分離帯があったからだろうが、誰もパッシングしてくれなかったな。
何とか無駄な出費になることも無く、小樽へ到着した。いつも国道5号から小樽港までの交差点が渋滞しているのだが、今回は渋滞していなかった。港湾道路に入り、小樽港横の入口すぐにセコマがあるのを知っていたので、立ち寄ってフェリー内の買い出しをする。

そして15:40頃小樽港に到着してしまった。既にたくさんのバイクが乗船を待っていた。この乗船を待つ時間というのは何とも言えない気持ちになる。甲板から離れ行く北海道を見送るのとはまた違う感情だ。
しばらく待つと、バイク搬入が始まったので船内に入る。今回も予約した部屋は個室のツーリストSなので、乗船券を見せてカードキーを貰う。
しかし、人間贅沢なので1度ツーリストSを使ってしまうともう戻れない。行きは最混雑期なので仕方ないが、帰りは絶対ツーリストSを取っている。プライバシーなんかはあまり気にする方ではないのだが、それより荷物を散乱できるというのが一番ありがたい。ツーリストAだと荷棚しか無いので、ある程度片付けて入れる必要があるが、ツーリストSだと2畳程の空間を独り占めなので、その辺の神経を使わなくて良いのが本当にありがたい。
2018年と違い早めにフェリーに入れたので、とりあえず汗を流すべく風呂に行った。出港しないと露天風呂を開放しないのを知っていたが、露天風呂はまた入ることにする。汗を流してサッパリ。着替えてしばらく待つと、フェリーは小樽港を出港した。

さらば北海道!またバイクでは来年来るからな!!と誓う。

カモメがたくさん飛んでいたので撮影。

帆船が止まっていた。これは中々珍しいのだと思う。

係員さん達も手を振って見送ってくれている。

いつものことだが、出発は期待と不安が入り混じるが、帰宅は終わってしまう寂しさしか無い。離れ行く北海道を見つめていた。北海道から灼熱の本州に戻るこの瞬間は、寂しさを感じると共に楽しかった旅を思い出す。
・苫小牧港に着いた瞬間霧雨が舞っており、カッパは不要だったが視界の悪い道を走り、苫小牧で同僚と食事をした1日目。
・曇りの中、支笏湖畔・羊蹄山・噴火湾沿いを訪れ、日本海側に出て厚沢部町のキャンプ場で花火が見れた2日目。
・江差から奥尻島に渡り、薄曇りであったが島の風景を楽しみ奥尻島を一周。人の少ない島キャンプを満喫した3日目。
・奥尻島から離れて、快晴の中日本海側の風景を楽しみながら道央への移動をひたすら進め、友人と月形でまさかの合流をした4日目。
・再度日本海側に出て仲間と小平で別れたが、快晴で素晴らしい景色の日本海側・天売島を満喫し、焼尻島でキャンプをした5日目。
・連日快晴の中焼尻島を満喫し、ピーカンで両島を巡れたことに感謝をしながら本土に戻って、道北を走り回った6日目。
・快晴の空の中、紋別・サロマ湖・能取岬の風景を楽しみ、アザラシと触れ合ったりしながら、再度友人と女満別で合流をした7日目。
・降った雨は午前中で止み、撤収を決断して快晴のナイタイ高原と士幌高原を楽しみ、テントが潰れる恐怖を感じながら夜を過ごした8日目。
・快晴の狩勝峠・富良野・美瑛の丘の風景を楽しみ、日の出公園に泊まる予定が、急遽かなやま湖畔へ変更し、3度目の友人とキャンプをした9日目。
・朝一でトマムの雲海を見て感動した後、新千歳空港に寄り道し、高速を走って小樽港に戻ってきた10日目。
2013年は、青空がホントに見られなかったが、初めての夏北海道だったので新鮮だった。
2014年は、初日~2日目の台風後は殆どピーカン照りで空気の霞も無く、良いツーリングだった。
2015年は、別海で大雨が降ったが、知床峠・道東・900草原等で晴れも見られた。
2016年は、北海道に台風が3つも来襲したので道東に行くことが出来なかったが、道北はまぁまぁで利尻礼文も訪れた。
2017年は、中々の当たり年でカッパは初日だけ。3日目以降は毎日晴れ間が見れて、最高のツーリングだった。
2018年は、前年同様寒い年で、天気自体もそこまで良くは無かったが、初めて友人とキャンプ場の合流があって新鮮だった。
2019年の北海道は、ここ2年と比べてかなり暑かった。道南方面に進んだのもあると思うが、梅雨明けが遅れたこと等の影響もあるのだろう。ここ2年がおかしかった、と言えるかもしれないが。持参したダウンジャケットも2回しか着なかった。
しかし、何と言っても北海道内でカッパを着なかった。というのは7年目にして初めての快挙となり、過去最高の当たり年となった。もちろん晴れている方に行く、という基本的な立ち回りをしているが、どうしてもどこかで雨が降るのでカッパは着る。今年はそれすらも無かった。結局霧雨を除いて雨自体降ったのは、奥尻島の夜と女満別の夜~朝だけだった。
そして遂に、国盗りの北海道を制覇することが出来た。利尻・礼文・天売・焼尻・奥尻島と離島も含まれ、ツーリングであまり訪れない内陸部にも自治体はたくさんある。本気を出せば、多分3~4年で達成することも出来ただろうが、島にはフェリーに乗らなければならないので、費用が掛かるから雨では絶対渡りたくない。少なくとも薄曇り程度は欲しいので、その天候を待っていたら時間が掛かった。ツーリング不適地も、曇りの日に回すとかそういうことをしていたので遅くなったのであろう。
ハイドラも、コンプリートの目標にしている高速関連・駅・ダム以外は全て制覇出来た。ダムはかなりの山奥にあることが多いので、北海道だとやはりセロー等。もしくは、空荷状態でないと巡りたくない。
なので、今後の立ち回りについて検討してみる。行かなければならない所は無くなった、という訳でどこかでベースキャンプを張って、空荷で巡って行こうかな、とも考えている。定番の道東に5日。道北に3日等の立ち回りをしてみたい。それか、泊まったことが無いキャンプ場に積極的に行ってみる、等の対応をしてみたいと思う。
常呂百年記念塔で、道を間違えた結果の絶景の出会いは、私に改めて目的地だけに囚われてはいけない、という認識を持たせてくれた。まだ通ったことの無い道はたくさんある。私の経験では、そういう絶景道は国道・道道等より農道とかに多い傾向があるので、本当の散策みたいなのをやってみたい、と思うようになった。そうなると、やはりキャンプ道具は邪魔なので、ベースキャンプスタイルの旅が一番だと思う。
という訳で、やはり夏の北海道は最高だ。それもあるが、夏に北海道以外をキャンプツーリングするのは中々厳しいので、やはり来年も継続していきたいと強く思った。

そんなことを考えていたら、フェリーは大分北海道から離れていた。出港を見届けたところでセコマで購入した夕食を食べる。18:00までならジンギスカンのテーブルが使えるので、そちらでゆっくり食べた。

後片付けをすると、夕焼けが良い感じになってきたので甲板に出る。しかし、ちょっと雲が多いので夕陽を見ることは出来なかった。でも、暮れる空は見れたので良かったと思う。
真っ暗になる前に露天風呂に入りたかったので、撮影も程々に風呂に入る。さっぱりしてサウナもこなす。水風呂が無いのが物足りないが、水シャワーと露天風呂で体を冷やす。流石に写真は無いが、露天風呂に入っている途中、ちょうど同じ新日本海フェリーとすれ違った。恐らくあれは、舞鶴⇔小樽航路のフェリーで、この後20:45に小樽港に到着するのだろう。
もう既にあのフェリーに大量のライダーは乗っていないだろうが、これから北海道を楽しもうとする人が羨ましく思えた。私も充分楽しんできたのだが、やはりそういう感情が出てくるのは面白い。フェリー同士がすれ違うときには、お互い警笛を鳴らす。今回初めてすれ違う時に露天風呂に居たのだが、物凄い音量だったのでかなりビックリした。それは、あのくらいの音量ではないと遠く離れた船には聞こえないだろうから仕方ない。クルマとかと違って俊敏に舵が切れる訳ではないのだから。
風呂上りにジュースを飲んで、PC作業をする。新日本海フェリーは、PC作業デスクみたいなのがあることが多いが、この新潟便は無いのを2018年で学んだ。なので部屋で作業して、出費管理をした。今回の北海道、後半はM氏と合流したり温泉が近くないキャンプ場が続いたので、途中で出費管理が出来ていなかった。これは絶対合わなさそうだ、と思っていたが意外と合っててくれた。
そして、スマホ等に充電しようとしたら、何故か出来なかった。PCがあるので、そちらのUSBコネクタに差してみると普通に充電出来る。ということは、ケーブルは問題無くて充電器が壊れたのだろうか。すっかり忘れていたが、4日前の天塩のセコマで充電出来なかったのを思い出した。あれは電源が来ていない、とかじゃなくて充電器が壊れていたからだったのだろう。行きのフェリーでは使えたのに、どのタイミングで壊れたのだろうか?まぁ格安中華製のだから痛くは無いが、充電出来ないのは辛い。
幸いフェリーで時間があるから、遅いけどPCのUSBコネクタで充電することにした。時間は掛かるがこれで何とかなるだろう。やっぱりちゃんとしたメーカー品でスリムな2口の充電器を今度は購入することにしよう。
次に写真の選別を始めた。かなり天候に恵まれて、島にも行ったから撮影枚数も多く時間は掛かってしまった。微妙な所はPCで見るとして、明らかな露出ミスや水平が出ていない物は削除しておく。全部は終わらなかったので、翌日またすることにしよう。
ここで1つ悲報が入ってきた。天気予報を見ると、翌日の本州は全体的に雨のようだ。特に秋雨前線があることから日本海側に雨が降りそうだ。折角今までカッパを着ずに来れたのに、まさか本州で着ることになるとは。暑い上にカッパを着ると、本当に蒸し風呂みたいになるので出来ればご遠慮願いたいのだが。
そんなことをしていたら良い時間になって眠たくなってきたので、22:30頃に寝ることにする。長かったキャンプ生活も終わり、通常稼働に体を戻さなくてはならない。
宿泊地:フェリー内
温泉:フェリー内
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