魅せ方の工夫（後編）

モータースポーツで魅せるというと，見た目のアクションが派手なドリフトやゼロヨンなんかが思いつくのですが，ジムカーナやダートトライアルなんかも見た目のアクションは大きい割には人気があまりないですね．これらの競技は「見て楽しむ」より「やって楽しむ」の方が強い印象は確かにあるのですが，不思議だなぁ～と思ったOXです．

さて，では前回の続き．残る2F後半部分です．


ル・マンカーの隣には現状のトヨタ最後のF1マシン「TF109」が展示されていました．



この年（2009年）はレギュレーションが大幅に変更され，フロントウイングはタイヤの外側に出るくらい薄く・広く，リアウイングは細く・高くデザインする事を強いられたので，「チリ取り」と揶揄されるくらいの醜悪なスタイルとなりましたが，トヨタは，ブラウンGP・ウイリアムズと並んでレギュレーションの抜け穴を突き，「ダブルディフューザー（本来のディフューザーの上にもう1個ディフューザーを取付けている）」を搭載している事で話題となりました（↓）．



この出口の先にフロアに通じる穴が空いているはずなのですが，覗き込んでも見当たりませんでした．



その「TF109」の横には，なんの説明もなくコレ（↓）が置かれていたのですが，



ピストン&コンロッドに繋がっているので，多分クラッチですよね？
この小ささで700PSのパワーを伝達するのですから，ホント凄い世界です．


小さいと言えば，その隣にヤマハのF2用エンジン「OX66」も展示されていました．



NA2L V6の5バルブエンジンですが，こちらも小さい！



1987年製なので点火系はまだデスビなんですね．



インジェクタはこんな感じでファンネルに付いてるんだぁ～と，なかなか面白かったです．




エンジンは他にも，CART用の2.65L V8のトヨタ「RV8F」も展示されていました．



さっきのヤマハと比べると当たり前ですが，やっぱりデカイなぁ～と感じます．
こちらも何の説明もなく，エンジンの隣にこんなの（↓）がポツンと置かれていたのですが，



カムである事は分かるものの，どういう特長があるのか？ もうちょっと解説が欲しかったですね．


CARTがあれば，NASCARもある訳で，



無数のステーで吊り下げられるアンダーパネル（↓）がどんな素材なのか？ 触ってみたい衝動に駆られましたが，



勿論，グッと我慢しました（笑）．他にもNASCAR特有の空力デバイスも見られ（↓），



ボディ後方の左側にしか付いていないこのフィンは，恐らくオーバルでの浮き上がり防止用なんでしょうね．


最後にタイヤ．



以前，タイヤ構造のお勉強をしたので，それを思い出しながらカットモデルをじっくりと見てました．
やっぱり実物で見ると，角の断面はこうなっているんだぁ～とか勉強になります．


これで一通り見終わり，再びエレベーターで3Fに上がって終了です．
そこから下りのエスカレーターに乗って出口に向かおうとしたら，最後の最後にもう1つのタイヤが．



タイヤの針金細工の展示がありました．よく見ると1個1個デザインが異なり，コレ（↓）なんか，多分「トヨタ TS050」のタイヤ&ホイールじゃないかなぁ～？と思うのですが．



最後の最後まで「魅せる」展示物があって，非常に楽しいミュージアムでした．
（Aoisanさんが「OXさんなら楽しめる」と仰っていた理由が良く分かりました）



以上，富士スピードウェイホテル併設の「富士モータースポーツミュージアム」でした．