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2010年10月17日

[試乗インプレッション]VW・ポロ 1.2L TSI Comfortline

[試乗インプレッション]VW・ポロ 1.2L TSI Comfortline VW東京さんからデモカーをお借りし、これまで乗れていなかった「1.2L TSIエンジン」を搭載したポロをじっくりと走り込んでテストする事が出来た。7月にテストした同エンジンを搭載するゴルフの1.2L TSI Trendlineとの比較も興味深いところである。
お陰様で、9月19日に投稿した[試乗インプレッション]スズキ・スイフト 1.2L XS / XLは爆発的なヒット数を記録し、たった1ヶ月で当ブログ歴代2位のアクセス数に登り詰めた。ちなみに、歴代1位は[試乗インプレッション]マツダ・アクセラスポーツ15Cである。
色々なメディアでも新型スイフトの話題が取り上げられ、概ねポジティブな評価が与えられている様だ。まもなくトヨタが新型ラクティス/ヴィッツを発表するようだが、漏れ伝わっている話を総合するとコストダウンが随所に感じられ、スイフトのライバルではなさそう。当面、実力的に新型スイフトのライバルになりえるのは少し価格帯が異なるが、先日発売が開始された「フィット・ハイブリッド」と「VWポロ(1.2L TSI)」になるのではないだろうか。
今回テストするグレードは「TSI Comfortline」で213万円。現在、日本では一番ベーシックなVW車である。先代は「1.4 トレンドライン(3ドア/6AT)」が172万円で輸入されていたから、随分と高くなった。台数は出ないかもしれないが(3ドアHBであっても)やはりエントリーモデルとして200万円を下回るグレードが欲しいところ。興味深い事に「フィット・ハイブリッド」のトップグレード「ナビ・プレミアムセレクション」はその名の通り、HDDナビ(リンクアップフリー)やETC車載器、VSA(横すべり防止装置)等をテンコ盛り。それでいて価格は210万円と結構安い。案外「ポロ」最大のライバルになるのではないだろうか。以前「プリウス」と「ゴルフ」が頻繁に競合すると聞いていたから、あながち嘘でもなかろう。
昨年10月に日本で発売開始された新型ポロ。当初1.4L(NA)+7速DSGの過渡期的なパワートレーンで発売された。当初から噂されていたが、導入からわずか8ヵ月後となる今年6月に「1.2L TSIエンジン」へ換装された事は記憶に新しい。それ故、内外装に初期1.4Lモデルとの違いは無く、リヤハッチ部の「TSI」エンブレムが唯一の識別ポイント。(昨年11月に撮影した新型ポロのフォトギャラリー)
普段、ゴルフ・ヴァリアントを愛車にしている私にとってポロの内装は「ほとんど同じ」に見える。もちろん幅も違うし、デザインも細部ではイロイロと違うのだが、まぁ誤差の範囲。そういう意味ではゴルフⅤの雰囲気を一部残す「ゴルフ・ヴァリアント」と全面改良された「ゴルフⅥ」の内装も実は全く同一ではない。個人的にはもう少しゴルフとは違ったアプローチがあっても良かったと思うのだが、それだけポロの質感が高いという意味でもある。新型スイフトでは省かれたソフトパッドが贅沢に広範囲に渡って奢られており「小さな高級車」と呼ぶだけの実力はあるだろう。一点だけ(左上の写真)電動ミラーのスイッチがドアノブ付近にあるが、進行方向に対し垂直に配置されているのは使い辛いと思う。
ボディサイズは全長3995mm全幅1685mm全高1475mmホイルベース2470mmと5ナンバーサイズであり、4m未満という日本では最も使いやすいサイズで車重は1100kg。対して、ゴルフⅥ(1.2 TSI Trendline)は全長4210mm全幅1790mm全高1485mmホイルベース2575mmで車重は1270kgと一回り以上大きくなる。普段、ゴルフ・ヴァリアントに乗っている感想として、首都圏では普段乗りに使える限界のサイズ。そろそろボディサイズの拡大もいい加減にして欲しいものだ。(ちなみに、ヴァリアントは全長4545mm全幅1785mm全高1530mmホイルベース2575mmで車重1370kgとなる)
ポロの車重は1100kg。1000kgを切っている新型スイフトに比べれば重いが、ゴルフより170kgも軽いお陰で「1.2L TSIエンジン」の本領が発揮されている。率直なところ、初期型の「1.4 Comfortline」を買った方は試乗しない方が良い。やはり「1.2L TSIエンジン」の図太いパワーは大したもので、「1.4 Comfortline」で感じたネガティブなポイントが嘘の様に解消され、むしろこのクラスのクルマと思えぬ俊足振りを体験する事となるだろう。
以前はゼロスタートのタイミングで(トルクが細い為)7速DSGがプルプルと振動するような違和感が感じられたが、ほぼ解消。車重が軽い事も功を奏し、キビキビとした加速が楽しめる。シフトレバーを「D」→「S」レンジにチェンジすれば想像を超えるダッシュを披露するのも面白い。個人的に燃費指向の「D」レンジとスポーティな「S」レンジの中間に位置する「MS(マイルドスポーツ??)」レンジがあればそれを常用したいところ。「D」レンジは基本的に豊富なトルクを生かして1500rpm以下で巡航するようにセッティングされている。瞬発的な加速要求には僅かながら不感症なタイミングがある。これは1.4LのTSIエンジンよりも明確に感じられる部分。しかし「S」レンジでは一転して元気良く高回転まで回しすぎ。ホンダ・CR-Zの様な「スポーツモード」スイッチでもあれば....。要するに、ベーシックなポロが「1.2L TSIエンジン」を得た事で、タウンユースだけではなくスポーティーな走りにも対応出来る様になったのだ。105ps/5000rpm 17.8kg-m/1550‐4100rpmの「1.2L TSIエンジン」でも充分走るのだから、「1.4L TSI(ツインチャージャー)エンジン」を搭載する「Polo GTI」の走りは想像を超えたものになるだろうね。(179ps/6200rpm 25.5kg-m/2000‐4500rpm)
ただ、勘違いしてはいけない事に「TSI Comfortline」はスポーツグレードではない。ステアリングや足回りはそれほどスポーティな味付けではない。今回走った約200kmのテストコースには秩父方面の山道も含まれるが、追い込んで行くとそれなりのロールもあるし、基本的に安定方向のセッティングであるから「山道が恋しくなるクルマ」ではない。それはVW車全般に言えることだが...。
エンジンブレーキが弱い事は「TSIエンジン」に共通する数少ない欠点といえる。まぁ遠慮なくフットブレーキを踏めという事なんだろうが、山道ではどうしても「シフトダウン→エンジンブレーキ→コーナー終盤は加速しながら立ち上がる」と言う走りをしたくなるのだが、ボディ重量に対し、排気量の小さい「TSIエンジン」はエンジンブレーキが弱い。また、低中回転域に分厚いトルクを集めた副作用として、高回転側は不得意。「1.2L TSIエンジン」のレッドソーンは6000rpmから。このサイズのエンジンとしては低い回転数だろう。
やはり、一番美味しいステージは高速道路。日本メーカーのライバルと明確に違いを実感するのもココだろう。市街地を走り回るのも楽しいクルマだが、都市間移動がこんなにも楽にこなせるコンパクトカーは無い。プリウスなどのハイブリッド車はモーターアシストの効かなくなる高速道路では途端に退屈なクルマになるのとは対照的。試乗の際は是非、高速道路も体験して頂きたい。
「矢の様な直進安定性」はクラスベストだが、ゴルフⅥと比べてしまうとワンランク落ちる。やはり、リヤサスが「トレーリングアーム」のポロと4輪独立となる「4リンク式」を奢るゴルフの差が感じられる部分。タイヤ(185/60R15)の影響もあるだろうが、もう少しセンター付近が明確に安定していた方が好みだ。16インチ(185/55R16)を奢った新型スイフトも機会があればじっくりとテストしてみたい。
そろそろ結論になるが、「1.2L TSIエンジン」と言う最新の武器を手にしたポロはやはり私の想像を上回る魅力的なクルマだった。物理的に213万円~という価格帯は日本メーカーのライバルと比較対象にならないかもしれない。しかし「フィット・ハイブリッド」や「プリウス」を検討する際に試乗して見るだけの価値はある。燃費だけがクルマ選びの尺度ではない事をヒシヒシと「実感」出来るクルマだと思う。
では、ポロと同じ様なベクトルを示す新型「スイフト」との比較だが、スイフトのトップグレード「XS」が147.5万円(2WD/CVT)と、ポロより65万円も安い事はやはり驚きに値する。しかし、テスト後の感想として、ボディの剛性感や直進安定性、ブレーキのフィーリングなど「ポロ」に一日の長がある事も認めざるを得ない事実だ。特に「1.2Lとしては不満の無いパワー」を発揮するスイフトの1.2Lエンジン+副変速機構付きCVTに対し、「到底1.2Lとは信じ難いパワー」を発揮するポロの1.2L TSIエンジン+7速DSGの組み合わせは凄いの一言。(初期型「1.4 Comfortline」なら間違いなくスイフトを推す。)65万円という価格差とパフォーマンスの違いをどう考えるかで、判断が分かれるだろう。
現段階では、新型スイフトの試乗が僅か30分程度の市街地走行に留まっている事もあり、私の中で「結論」は出せていない。恐らく、来年登場すると言われている「スイフトスポーツ」の価格も「TSI Comfortline」(213万円)より安いのではないかと想像している。それが現実ならば、イチオシのモデルになりそうな気がする。願わくばあまり玩具っぽいスタイリングにならない事を期待したい。



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Posted at 2010/10/17 16:43:24

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この記事へのコメント

2010年10月17日 20:48
はじめまして。

写真を拝見して、現在入院中のPoloちゃんを思い出し・・・(T_T)

やっぱりいい車ですよねー
コメントへの返答
2010年10月24日 19:19
日本メーカーのライバルよりも価格は明確に高いが、モノも確実に良く出来ているし、コストがかかってますね。
まぁ輸入車だから意味も無く高いと言うのであれば、おすすめはしませんが、ポロの場合はその心配も無い。案外リセールも良いですしね。
早く退院して元気になることをお祈りします。
2010年10月18日 3:48
私もポロとスイフトを試乗しましたが,短い時間の街乗りだけでしたので,非常に参考になりました。高速でのインプレは,私の想像通りでした。スイフトは素晴らしいデキではありますが,やはりスポーツに期待ですね。

現在の自分の中でもポロに最も競合しているのは,まだ未試乗ではありますが,フィットハイブリッドです。しかし,おそらく高速や山道の長時間走行を含めると,ファーストカーとしての資質はポロのポテンシャルの方が上だろうと思います。その部分を上回る何かをハイブリッドから感じられるか,興味津々です。
コメントへの返答
2010年10月24日 19:22
私の場合、年間8000kmくらいの走行がここ数年の平均値です。だとするとハイブリッドは不要だと思います。
これが年間2万キロくらい走る長距離通勤ユーザーなら選択肢は変わるでしょうが。まぁそのときは中古の2代目プリウスを買いますけどね。
しかし、スイフトは65万円という大きな価格差がありながら、ポロとの比較に耐えうる車なんですからたいしたもんです。
他メーカーは大いに反省すべしです。

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「@(ご) 下取価格って愛車の通信簿みたいなものなので、低い評価をされると買い換える気が失せますね。更に言えば自社銘柄の価格提示としては低過ぎて残念です。私もヤフオク売却経験有ります(^o^)。」
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クルマとカメラが大好きで布袋寅泰の音楽を愛聴するヤツです。 随分と長いこと転勤で各地を転戦しましたが、ようやく地元北海道に戻ってきました。 マイカーはマツダ...
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