先週、うらほろ留真温泉に行った際、友達の初代AZ-ワゴンを
運転させてもらう機会がありました。
その距離、実に
220キロ!
そんな訳で今回は、そのインプレッションです。
まずは、クルマの紹介から…
1998年式 マツダ AZ-ワゴン コラムFX 2WD (以下、画像は同型車のものです)
実はこのAZ-ワゴン、僕が免許を取って初めて運転したクルマだったりします。
それは、一昨年のGWに網走までドライブに行った時のこと。
「疲れたから運転代わって」
といきなり交代させられたのがきっかけでした。
結局、行き帰り合わせて200キロも運転するハメになったのですが、今思えば、かなり無謀な行為でしたね(汗)
運転するのは約2年振り。
その間、デミオをはじめ様々なクルマに乗ってきたこともあり、これまで感じたことの無い印象を持ちました。
早速、インプレッションしていきたいと思います。
まず、一言で言うと
長距離はしんどいクルマ のように感じました(汗)
一番の要因…それはこのクルマが
3速AT だからです。
実は、僕が免許取得後に運転したクルマって、すべて
4速AT だったんですよね…
(ロードスターの6速ATは除く、あれは別格…)
軽自動車も2台運転しましたが、ムーヴラテは設計が新しいため4速AT、
夏キャンプの時に乗った5代目アルトは、最上級グレード「エポP2」だったので、こちらも4速ATでした。
なので、今までの運転の仕方だと、かなり違和感を感じましたね。
だいたい道東の道は、60キロ制限の場所が多いのですが、
まずはその速度まで達するために、強めにアクセルを踏み込んでいきます。
そして巡航速度に達した時にアクセルを軽く戻すと、いつもならギアが4速に入るのですが、
このクルマの場合、当たり前ですけど4速目が無いんですよね(汗)
なので、エンジンの回転数が落ちない、つまり
うるさいままなんです!
(70km/h巡航時のエンジン回転数は約4800rpm)
これでは、長距離走行で疲れが溜まりますし、燃費にも良くない、
そして何よりも、
恐怖感があります(汗)
エンジンの回転数が高いと、実際よりも速く走っている感覚になるんですよね。
一生懸命走っているつもりでも、制限速度以下だったりする訳です。
ただでさえ、スピードレンジの高い道東の国道、周りの速度に合わせて走っていると
今までのクルマでは体験したことのない恐怖を感じました。
この点が、久々に運転してみて一番イメージが変わったところですね。
二番目の要因はこちら…
このコラムシフトです !!!
先々週、運転させてもらった後輩のムーヴラテもコラムシフトでしたが、
こちらはこのように、L字型になっており、慣れれば意外と操作しやすいものでした。
以前に乗った、初代パッソも似たような形状でしたね。
しかし、このAZ-ワゴンのコラムシフトは、実に使いにくい!
直感で操作できないところが一番辛いです。
初めて使う人だったら、必ず途中で引っ掛かるか、行き過ぎると思いますね…
停車時だったら何度かやり直せば済む話なのですが、一番困るのは走行時です(汗)
Dレンジから2レンジへのチェンジは辛うじてできるのですが、逆は絶対に無理!
何度試しても、Nレンジまで行ってしまいます。
これはつまり、
シフトダウンによるエンジンブレーキ不可
ということ !!!
たとえギアを下げれたとしても、戻す時にニュートラルとなり危険です(怖)
帰りは釧勝峠経由で帰るつもりだったので、温泉を出発する際、シフトダウンの練習をしてみたのですが、
これでは危なすぎて、走行中のコラムシフト操作は断念せざるを得ませんでした…
また、Dレンジ時には、空調スイッチがレバーに隠れてしまって、非常に操作しにくかったです。
まあ、これは慣れで何とかなる問題だとは思いますが…
三番目の要因は、
安定感に欠ける ことです。
まず、段差やうねりでよく見られる、体が浮き上がるような挙動。
旧規格の軽なので仕方がないのかもしれませんが、
これでは運転している方も同乗している方も、かなり疲れると思います(汗)
あと、これはムーヴラテでも感じたことなのですが、カーブでの安定性が足りません。
正直言って
怖いです…
なるべく車体を揺らさないよう、慎重に運転しなければならなかったので、かなり神経を使いました(汗)
以前、5代目アルトに乗った際は、カーブでも割と平気だったのですが、
やはりハイトワゴンの軽には、辛いシチュエーションなんですかね…
いま流行の背が高い軽自動車に、ますます興味が無くなりました。
と、ここまで悪い面ばかり書いてきましたが、もちろん良い面もありました。
まず何と言っても
視界が良いこと!
着座位置が高く窓も大きいので、非常に運転のしやすいクルマでした。
また、今のクルマみたいにピラーが太くないため、右左折時でも安心でしたね。
街乗り限定だったら、素晴らしいクルマに間違いありません。
次に、
メーターが見やすいこと
ノンターボの軽では珍しい、速度計とタコメーターが並んだホンマもののメーターです(笑)
最近は、センターメーターなど、デザイン性を追求したメーターが流行っているようですが、
やっぱり僕は、こういうオーソドックスなやつの方が見やすくて好きですね。
シフトインジケーターも付いていますし、僕が乗っていたデミオより立派なメーターです(爆)
ただ、これがないとシフトが今どの位置にあるのか、全く分からなくなるのも事実だったりして…(汗)
あと、先ほど書いたエンジンブレーキの件について、峠を下っていて気が付いたのですが、
このクルマの場合、
アクセルOFFだけでかなりエンジンブレーキが効きますね!
これは、3速AT独特のフィーリングかもしれません。
峠を下る際は、このことを利用して、アクセルOFFとフットブレーキを組み合わせながら走っていました。
ただ、やはり2速に落としたい時があるのも事実。
シフトダウンができない点に関しては、ワインディングを走っていて、どこかもどかしさを感じてしまいましたね…
今回は、初代AZ-ワゴンに乗ってみた訳ですが、さすがは軽自動車の主流をハイトワゴンに変えた名車です。
設計が古いため長距離走行は苦手ですが、街乗りにおける実用性は、今日においても全く色褪せていません。
クルマを単なる
“移動手段” としてみた場合、ハイトワゴンの軽自動車は最高の乗り物だと思いました。
ただ、これが運転していて楽しいかと言えば、少し考えてしまいますね…
先日運転させてもらったムーヴラテは、AZ-ワゴンよりも静かで、乗り心地も良くて、力もありましたが、
「ただ快適に走る」 だけの印象しかありませんでした。
ムーヴラテに乗っている後輩は僕にこう言います。
「でも、車って単なる移動手段に過ぎませんよね?」
それを聞いて少し悲しくなりましたが、でも多くの人の考えはそうなのでしょう。
背の高い、乗り降りのしやすい、室内の広い
軽自動車がここまで増えたのは、それだけユーザーのニーズがあったということだと思います。
でも、それだけではつまらなくはないでしょうか?
僕の場合、同じ軽自動車でも「
ミラ」や「
アルト」の方が好きだったりします。
これらのクルマは背が低いため、室内が狭い (主に高さ方向) と言われますが、
実際はこの位の高さでも十分な実用性は確保できると思うんですよね。
しかも、背が低いということは、車重も軽くなり燃費も良くなるうえ、重心が下がり走りにも有利。
いいことずくめじゃないですか!
確かに、イメージ的に流行らなさそうではありますが、
クルマとしての
“本質” で選ぶなら、背の低い軽自動車も捨てたものではないと思います。
少し前に消滅した、ダイハツの「
エッセ」や「
ソニカ」などは面白い方向性のように感じたんですけどね…
…と、最近の背が高い軽ばかりもてはやされる風潮に疑問を感じ、色々と書いてしまった次第であります。