ども,高丘です。
まずは本日,うちの会社で行われたタイヤオイルイベントは無事に終了しました。
多くの方にご来場いただきました。本当にありがとうございました。
次回のイベントは例年通りだと6月です。
またのご来店をお待ちしております。
さて,では予告通りに。
高丘さん式サバゲー始め方第3回です。
前回説明しきれなかったバッテリーのお話です。
エアガンの動力源ってそもそもなんなのか?3つ存在します。
・エアコッキング:手動でエアガンの中に入ったピストンを動かして空気を圧縮。その圧縮空気で発射。
・ガス:エアコッキングの機構をガス(現在はHFC-134a。つまりクルマのエアコン冷媒と大体同じ)の圧力を利用した機構で動かすか補助するシステム。
・電動ガン:エアコッキングの機構をモーターとギヤで動かしてしまうシステム。
この3つです。この中で一番メジャーなのは電動ガンであることは言うまでもありません。エアコキはシンプルで気温等に性能を左右されないのが利点ですが,コッキングするのに力がいる上に単発オンリー。ガスガンは実銃に近い動作システムを再現でき単発連射どちらもできますが,ガスというシステムの都合により気温次第で動作・性能がガラリと変わってしまいます。
結果,実銃のリアルさ以外全て備えているのは電動ガンです。そしてその電動ガンで重要なのは今宵お話するバッテリーなのです。
さて…バッテリーには種類があります。電動ガンの場合…
・ニッケルカドミウム(Ni-Cd)
・ニッケル水素(Ni-MH)
・リチウムフェライト(Li-Fe)
・リチウムポリマー(Li-Po)
現在,マルイの純正はニッケル水素です。しかしこのニッケル水素のユーザーは決して多くありません。主流ではないのです。特に次世代SOPMOD用と言われているものはパワーの面で特に評判が悪いです。じゃあ主流は何なのか?それは…
リチウムポリマー二次電池(Li-Po/LiPo/リポと読みます)です。
ものの中身は今時のケータイやノーパソの電池と同じものです。あなたにも実は身近なアイテムです。
ではなぜLiPoなのか?それは以下のとおり。
・極めてフラットな安定感のある出力特性。
・軽量コンパクトでなおかつ大容量。
・メモリー効果がない。
・容量の単価が非常に安い。
この4つです。
まずは
安定感のある出力特性。同じ容量・電圧のバッテリーが2つあったとします。片方はニッケル水素,もうひとつはLiPoです。
で,これを電動ガンに入れて撃ってみると,
ニッケル水素は最初こそパンチがあるもののある時を境にして一気にパワーが低下します。
しかし
LiPoの場合はずっと同じパワーをずっと流し続けるため終始安定した動作を実現出来ます。クルマのブレーキも効きより安定性ですが,電動ガンのバッテリーも同じなんですねえ。
2つ目は
軽量コンパクトで大容量。もしも同じ容量のニッケル水素とLiPoがあった場合,
だいたいLiPoのサイズはニッケル水素の1/2〜2/3くらいしかありません。重さもやはり半分以下。ただでさえ3キロ前後ある電動ガンですから,ここは重要です。
3つ目は
メモリー効果という減少が起きにくいこと。これは例えば電池が半分残っている状態で充電した場合,容量が減少したように見えてしまう減少です。そのため今までのバッテリーは継ぎ足し充電に弱いところがありました。これがLiPoにはありません。
よってバッテリーメンテの差が出なくなり,始めてでも上級者でも変わらないパフォーマンスのバッテリーを得ることができます。
4つ目はその大容量だからこそなし得る技です。バッテリーの容量に纏わる単位はミリアンペアアワー(mAh)です。これを比べると一目瞭然です。だいたい3500円くらいで買えるバッテリーで考えます。すると…
・ニッケル水素→1600mAh
・LiPo→2000mAh
サイズによりますがこれだけ差がでます
。しかもニッケル水素が調子いいのは最初の一瞬だし,メモリー効果が出ているとその一瞬はより短くなります。サイズもニッケル水素のほうがデカくて重いとなると,やはりLiPoのよさがでます。
しかもスタンダード電動ガンならばバッテリー切れ無くLiPo1本だけで1日余裕で遊べてしまいます。次世代だとそうともいきませんが,やはりパワーと持ちの差はLiPoのほうが圧倒的と言えます。全然回転が違います。
しかし……このLiPoはとても起電力のいいおてんば娘です。しっかり扱わないと痛い目にあいます。
これをLiPoに必要な道具でご紹介して行きましょう。
まずは…
一番重要なものです。これは
セーフティーバックといいます。一見ただの布製の入れ物ですが…
これ実は頑丈な耐火袋です。なぜそんな物騒なものが必要なのか?
LiPoは極めて起電力の強いバッテリーです。そのため
過充電したり過度の衝撃を与えたりすると最悪発火する可能性があります。よくスマホが燃えたとか言うのは,だいたいLiPoに関する充放電制御がマズかったり,耐衝撃性脳にかけた設計をしていたりするので発火するわけです。そして
電動ガンでも間違った取扱をすると事故のもととなります。
このセーフティバックはその万が一を食い止める砦となります。
なので例えセーフティバックに入れていてもクルマの中で放置とか叩きつけるとかは絶対にしないでください。
軍隊でも現場がM16の取扱ミスをして国家の信用問題になった例があります。おそらく将来サバゲーでM16を使うこともあるでしょう。その中に入ったLiPoで事故るというのはなんともリアルですが,情けないものですからね…。
次行きましょう。
次は充電器です。これもLiPoに対応したものが必要です。エアガン用の簡素なもの(写真のようなの)からラジコンカー用のLiPoまでできちゃうやつまでピンきりです。しかしどれも共通点があります。
レモン「あれ?コネクターが2つある」
そう。
LiPoにはコネクターが2つあります。1つはこの写真で大きい方のコネクタ。これはエアガン本体に接続するためのもの。もう一つは充電器やこれから紹介する放電器・バランスチェッカーに接続する
バランスコネクターというものです。
エアガン用のLiPoはたいてい1つのパックの中に2つバッテリー(このバッテリー1つをセルといいます)が入っています。これを充電する場合,ニッケル水素以上に2セルを1セルずつできっちり監視して自動的に充電を制御しないと先ほど言ったような発火事故につながります。
このバランスコネクターは2セルを1セルずつ監視・充放電できるような配線となっているのです。
まあそもそも非常に目立つコネクターです。これがあればLiPoに対応しているという証でもあります。
必ず対応の充電器を選びましょう。
というわけで充電はこのバランスコネクターをさしてバッテリーの説明書通りにことをこなせば大丈夫です。
しかし万が一に備えてバッテリーはセーフティーバックに入れて充電しましょう。
最後です。
次は
バランスチェッカーです。名前の通り
バッテリー残量があとどれだけ使えるかを電圧で見るものです。一見地味ですが,
LiPoを扱うにはこれが必須です。なぜか?
LiPoは過放電に弱いし,満充電で放置するのにも弱いんです。
過放電はバッテリー残量が1セルあたり3V以下の状態になってしまったことを言います。これ以下になると
バッテリーとしての機能が失われてしまう可能性があります。そして
満充電(1セル4Vくらいになります)で放置すると寿命が激減する特性を持ちます。よって…
2セル合計の残量も大切なんですが…
1セルごとの残量管理も重要となります。この
2セル間の容量差(バランスと言います)が悪いのも問題で,本来の性能が発揮できないだけではなく最悪破損にもつながります。よって
できれば1ゲーム事にチェックした方がいいです。
実は1セル3.5Vくらいになったら自動的に電源カットする後付のシステムも存在するのですが,こちらがスペース的に搭載できないものも存在するので,基本はやはり細かなチェックとなります。
そして…写真の左側にあった大きな液晶付きの物体ですが…
これもチェッカーではあるんですが,それだけではありません。
これの本当の名前は
バッテリーバランサーといいまして,
チェッカーだけではなくバランス放電,つまり自動で2セル間の差,つまりバランスを整えてくれる機能があります。当然普通の放電もあります。もしもバランスがおかしかったり,ゲームで満充電のまま使わなかったバッテリーがあったらこれで調整します。これも必須装備といえます。
そんなわけでバッテリーをひと通りお話しました。LiPoは扱い方さえちゃんとしていれば何もなく天寿を全うしてくれます。安全に気をつけてプレイしましょうね〜。
次回は服装のお話です。迷彩服?そんなもの決して必要ありません。
あなたを救ってくれるのは…
ユニクロとワークマンなのですから…。
次回をお楽しみに。