
前々から気にはなっていたミドシップ・オープンスポーツカーたちを、ちょっと総ざらい的に取り上げてみたいと思う。
まずはロータスのエリーゼ。エリーゼは ロータスが低迷期にあった'95年にイギリス本国でデビューするや世界中で大ヒットし、困窮するロータスを救ったと言われるモデル。最大の特長はその“軽さ”で、アルミ製シャシーやFRP製ボディなどにより、デビュー時モデルの総重量はたったの700kg。その軽さにより、抜群の加速性能とコーナリング性能を手に入れている。
トヨタ製の2ZZエンジン(セリカやランクスの物)が載せられた「111R」(P/Wレシオ4.58kg/ps)というグレードもあるが、どうなんだろうか....せっかくイギリスのスポーツカーに乗るのに、トヨタのエンジンじゃあ、なんだか風情がないような気もする。
ボディはタルガトップ1種類のみ。そのカッコ良さは、FFベースの
エランとは雲泥の差で、「ロードスターはミドシップに限る」と思わせるだけの説得力を持っていると私は思う。
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ロータス エリーゼ [MID/5MT] ('03.7~)
全長3800mm×全幅1720mm×全高1130mm ホイールベース2300mm 車両重量830kg
1795cc 119ps / 16.8kgm P/W レシオ6.97kg/ps 車両価格432.6万円
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関連情報URL
http://www.carview.co.jp/magazine/default.asp?vt=&dt=&mk=LOTUS&Submit=%8C%9F%8D%F5

お次はこれ、オペル スピードスター。'03年の1年間、100台限定で日本販売されたモデルで、↑のロータス エリーゼのシャシーをベースに、オペル製のエンジンを積んでいる。オペルは今でこそ実用車メーカーのイメージが強いが、昔は結構スポーツカーを製造していたという。
受注生産方式(BTO)により、内外装を計82通りのパターンから選べたという。
エリーゼベースなので当然ディメンションはエリーゼとほぼ同じだが、大きくうねりがあり獰猛なイメージのエリーゼに対して、こちらは直線基調でクールなイメージのボディデザインになっている。
関連URLの試乗記によると、着座点は地上から30cm。運転席はリクライニングせず、助手席に至っては完全固定。窓も当然手回し式。しかしながら、その操縦性は神経質ではなく、気さくなものだという。
重量配分は理想的な50:50になっており、ステアリングのロック・トゥー・ロックは2.8回転というクイックなものとなっている。
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オペル スピードスター [MID/5MT] ('03.1~'03.12)
全長3815mm×全幅1720mm×全高1135mm×ホイールベース2330mm×車両重量880kg
2198cc 147ps / 20.7kgm P/W レシオ5.99kg/ps 車両価格449万円
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関連情報URL
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000012286.html

最後は我らが日本車、トヨタが造るミドシップスポーツ、MR-Sである。MR-Sは、クローズドクーペでパワー指向に傾倒していたMR2とは打って変わって、ライト感覚のオープンミドシップスポーツとして'99年10月に登場した。1000kg前後のボディを、MTもしくはクラッチレスのシーケンシャルMTで操る。そのボディデザインは、“プアマンズボクスター”といった感もなくはないが、安い車だし、上と比べてしまってはキリがない。
たま~にこのMR-Sとニアミスすると、一瞬 「おっ外車か?」 と思わせられる。多すぎてすっかり見慣れた感のあるマツダ ロードスターと比べて、この “希少性” も、一つのステータスと言えるのかもしれない。 トヨタらしくプレーンなデザインだが、私は悪くないと思う。
私は別にトヨタ党でも何でもないが、この手の車を絶やさず造っている辺り、トヨタは本当に凄いし偉いと思う。生産するのとしないのとでは、世間に与える影響度がまるで違う。車は何も、コンパクトカーやミニバンだけではなく、奥が深い多様なものであるということを、車を詳しく知らない人々にも伝えるために、トヨタにはこれからも生産し続けていって欲しいと思うが、登場して満6年。果たしてこの先どうなってしまうのか…。
これらのオープンスポーツは、何よりもその 「カジュアルさ」 がカッコいいと思う。ガチガチの“パワーウォーズ”に飲まれることなく、「泰然自若」というか、「我が道を行く」といったその風情が、何ともカッコいい。ボディがとても小さく軽いと言うことは、走りも軽ければ小回りも利くし、燃費も重い車よりは当然良くなる。つまり、地球にも優しい。しかもオープンなので晴れた日には自然と一体になれる。
私も将来、状況が許せば、オープンスポーツカーを1度所有してみたい。
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トヨタ MR-S [MID/6AT] ('00.8~) ※2ペダルMT
全長3895mm×全幅1695mm×全高1235mm ホイールベース2450mm 車両重量1020kg
1794cc 140ps / 17.4kgm P/W レシオ7.29kg/ps 車両価格215.8万円
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Posted at 2005/06/12 22:39:50 | |
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車 - 特集 | クルマ